木村真三の発言 (環境委員会)
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○木村参考人 おはようございます。獨協医科大学の木村真三と申します。
きょうは、実は皆さんにお配りしたレジュメの方にも出していますが、このお話をメーンにしてやっていきたいと思います。さらに、大変申しわけございません、誤字脱字が多々ありますことを、この場をおかりしておわび申し上げたいと思います。
それでは始めたいと思います。
まず、私が今回このような場所でお話をするということになりまして感じたのは、まず、原子力規制庁という法案作成の場ということですが、私自身の考えとしては、安全、安心という言葉自身が私は大嫌いです。安全というものは、技術革新、技術の進歩によって行われることですが、安心というのは全く受け手側の心理的なものである。全く違うものを一緒に言葉として使っていること自身がまず間違いであると私は思っております。
これまで私自身が文部科学省政務三役勉強会や内閣官房の低線量被曝影響ワーキンググループ等でお話をして申し上げてきましたが、まず、規制庁というよりは、ウクライナとかロシア、アメリカ等もつくられております緊急事態省の方がより効果的で、その発動権限等についてもよく研究なされているのではないかと私は思っております。
原子力発電自体を継続させるべきか、また、将来的に廃止していくべきかについて国民的な合意がなされていないまま、原子力の安全利用を前提とした組織を新設するのは適切でないと私は思っております。原子力を利用するのであれば、安全性について我々が徹底的に監視するという基本姿勢を持った組織をつくるべきであろうと私は思っております。
原子力規制庁、原子力規制委員会が一時的な組織でないかと受けとめられると職員の士気を低減させるおそれがあり、恒久的な組織として存続させる用意が必要であると考えております。
原子力規制委員会が独立性を持った三条委員会として設置されるとしても、その判断が環境省や内閣の政治的意図に左右されない姿勢を確保しなければならない。
東海村臨界事故の際も、科学技術庁は、自身の管轄下であった核燃料取扱事業所に対する事実の隠蔽や、自身が管轄する事業所についての不都合な事実を隠蔽するために、調査を阻止しました。
現に、私が当時の放射線医学総合研究所で現地に入りたいと申し上げたときに、まず企画の方からだめだと。所長の方にお願いをしていったときにも、本庁が許可をしないということで取り下げられてしまって、一週間初動がおくれてしまったということがあります。当時の政府は、緊急時の情報を集約するためのシステム構築は完成させたが、国民への情報公開への配慮は欠けていました。
今回、この事故に対しても全くそのとおりで、このようなことがあったがために、国民の政治不信、行政不信につながったと考えております。
チェルノブイリ原発事故調査を、ことしで十三年目、十二年間続けております。その経緯から申し上げましても、日本政府はチェルノブイリの教訓を全く生かしていないというふうに感じております。
今回の福島原発事故の際、参考人が当時所属していた厚生労働省所轄の独立行政法人労働安全衛生総合研究所でも、調査の規制が入りました。これは、当時の研究所幹部、本省から出向職員として来た理事、また、企画調整部首席の保身からではないかというふうに考えております。
さらに、事業仕分けの弊害から、科研費で私がチェルノブイリ研究をもとにこういうような震災等があったときに必ず生かせるというようなテーマとして出してきたものも、労働衛生ではないという理由により、廃止を震災二日前に研究所の役員会で決定され、廃止処分を受けました。
このようなことから考えても、こういう国立研究機関やそれに準ずるような機関が一体何のために存続するのかということを、まず皆さん、考えていただきたいと思います。こんなものは実際につくったって仕方がないんです。こんな小役人が実際に自分たちの保身のためだけでやってしまうような、それが、本来持つべき、国民の意図するものと全くかけ離れているということを、皆さん、どうかこの席上で考えた上で、今後の審議に入っていただきたいと思っております。
そのような気持ちから、今回の震災があった、事故が起きたといった瞬間に、ああ、やめなければならないということで、辞表を提出して、現地に三月十五日から入りました。
本来は三月十二日にもう既に入る予定でしたが、NHKのドキュメンタリーがどうしても撮りたいということで、一般公開という形では、今までの既存の考え方である論文や学会等の発表、こんなものはどうだっていいんです。これは、今緊急時における実態というものに対しては、すぐさまにでも国民にその情報を提供し適切な判断を促すというのが我々研究者の立場です。こういうことができないということで、考えたあげく、NHKの協力を得て現地に入りました。
実際、このような状況になったのは、政治も含めて、誰のためのものなのかということを問題提起したいと思います。
事故に関する情報を、前回の轍を踏まえて、ジェー・シー・オー事故、東海村臨界事故を踏まえて一元化したにもかかわらず、正しく事故状況を認識できず、間違った政治的判断を下すことになったということも、ここは問題と思います。
原子力、放射能の専門家、例えば東海村臨界事故で陣頭指揮をとったような先生方を身近に置けば、被害の拡大が現在よりも数段軽減されるというふうに私は思っております。誰がまともな専門家なのか判断するのは極めて困難です。目立った人材には、問題を抱えている場合が非常に多くあります。事故時対応や安全対策の実績で選ぶというような方法が良案ではないかと考えております。
首相官邸に指揮系統をまとめることは不可能であり、原子力安全委員会や原子力保安院と同じ機能だけではなく、事故を想定した事故対策班をあらかじめ設置しておくべきだと考えております。
その際に重要なのは、原発や産業発展を重視せず、国民の生命を守ること、第一義にそのことを考えてそのような人材を集めてくることが重要であると考えております。
その件に関して、ノーリターンルールではそのような人材が確保できるかということについて、皆さんもう少し考えていただきたいと思います。これは、民間も含めた上で、安全対策というものを徹底していかなければならないと私は思っております。
また、行政に関しても、経済産業省が、今回、大飯原発の再稼働の推進というようなこともあり、ここに書かれています資料を皆さんお読みになっていただければいいと思います。
このようなことがあったり、文部科学省が、当時、SPEEDIが活用されていないということも含め、さらに、事故後のモニタリングポスト、私は、いわき市川前町志田名というところにおとといの夜から入り、きのうの午前中そこで仕事をして、さらに、二本松で仕事をして帰ってきました。このようなときに、全てモニタリングポストがあるんですが、そこは全て除染されているんです。ほとんど除染された上にモニタリングポストが立っているんです。数値があたかも低く見せられているんですが、現実問題、そこには二マイクロシーベルトがあるところでも〇・三マイクロぐらいの数値しか出ていない。
このようなことが新聞報道で、全国紙で発表されてしまえば、福島の現実というものが、実は大したことないんだと国民に思わせてしまいがちです。ところが、福島県の地元紙などでは、挙げられた線量について事細かく書いておりますが、そのような数値は一切入っておりません。飯舘村にしても全く同じことが言えます。このようなことを、実際、文部科学省は一体どう考えているのかということを私は問いたいと思います。
また、気象庁についても、SPEEDIが動かなかったときにはそのバックアップ体制として機能しなければならないのに、国研である気象研究所には箝口令がしかれていた。この事実は私自身が確認しております。このようなことからも、実際、機能はしていない。誰のため、自分たちの保身のためだけというようなこんなものは、潰してしまった方がいいと思います。
また、その研究者が一番の問題です。研究者も論文至上主義というような形にとらわれてしまい、予算がいろいろな関係機関から配られるということで、それに迎合するような形で事故当時のマスコミに出られた方々はそう言っておられます。実際、そういう方々は、自分の研究費なんか、僕なんかは手弁当でやっているわけです。手弁当でやっているような人間でも、できる範囲でもやれることはいっぱいあるわけです。そのようなことを、実際、頭を使ってやっていないということが一番の問題だと思います。
また、原子力工学の専門家が、放射線影響に対して、人体の研究が何たるかわかっていないのにあたかも知ったかのような話をしたり、また、放射線医学の専門家が放射線計測学や物理学的、化学的な要素を含んだ話を住民説明会等でして、住民の不信感を買ってしまう。このようなことが実際多く見受けられております。
実際、私は、事故現場で今ホームステイしながら住み、暮らしていますが、そのようなところから非常に多くの言葉を聞いております。
このようなことから、研究者自身というものに対してもきちんとした対応をせねばならない。マスコミ等で出てきた情報というのは一体何カ月後、これは本来この人たちに最初に出すべきでしょうというのをやっていない。このようなことを、実際、あたかも学者面して話をすること自身がおかしいと私は思っております。
私の活動というものは、こちらの方にお渡ししていますが、これはほんの一部の抜粋です。最近有名になったのは二本松における汚染マンションの発見ですが、これも、私は当初からこれを予測した上で、個々の個人被曝線量をはかりながらきちんと見ていくというようなことで出しております。
そのようなことで、御質問等があればこの後受けますので、よろしくお願いします。
また、大飯原発の再稼働については、きちんとこの責任の所在を考えなければならない。東電、政府、また、野田首相においては全責任は自分自身でとると言われますが、一体何をするのか、どういったことを言っているのかというのが全く見えてこない。私は、これは国民の声を代弁して言っているつもりです。
このようなことで私の意見陳述は終わりたいと思います。どうもありがとうございました。(拍手)