吉川政重の発言 (環境委員会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○吉川委員 おはようございます。民主党の吉川政重でございます。
 参考人の先生方には、本日は、大変お忙しい中、わざわざこの委員会にお出ましをいただきまして、また、ただいまは、それぞれの専門のお立場から貴重な御意見を賜りましたことを、改めて御礼を申し上げます。本当にありがとうございます。
 さて、昨年の福島第一原発のこの事故は、我が国で初めて、原子炉の炉心融解、あるいは水素爆発という、極めて深刻な事態となりました。この事故によって、我が国のこれまでの原子力行政あるいは安全行政について、国内外の信頼、これは大きく損なわれてございます。
 こうした中で、我が国の原子力安全対策、これを根本的に見直すことが不可避となり、従来の原子力安全・保安院の原子力規制部門を経済産業省から分離して、いわゆる原子力の規制と利用の分離を徹底して原子力の安全確保に関する事務の一元化を図るなど、関係組織の再編、これを行うために、このたび立法措置をとらせていただくということになりました。
 このことについて、既に、政府・与党案とそれから自民・公明案の二つの法案が提案をされておりまして、この環境委員会でも審議がスタートしております。
 その中で、与野党の協議も議論も深まってまいりまして、議論は進んでおるんですけれども、しかしその一方で、なお意見の隔たる項目もございまして、これらの点について、特にきょう御出席の専門家の先生方の御意見をお聞かせいただきたいというふうに思っております。
    〔委員長退席、川越委員長代理着席〕
 それで、今、政府・与党案とそれから自民・公明案、この大きな違いは、組織のあり方、形ですね、これがまず決定的に違っております。
 政府・与党案は、環境省の外局に原子力規制庁という部署をつくりまして、従来の原子力安全・保安院の原子力安全規制部門を経産省から分離して、あるいは、従来、文科省、経済産業省あるいは国土交通省が所掌しておりました原子力安全規制に関する事務も一元化して、原子力安全の確保の任務を環境省の任務にするというものであります。
 それに対して自民・公明案は、同じく環境省の外局に組織をつくるということについては共通しておりますけれども、国家行政組織法第三条に基づく原子力規制委員会、これを設置してこの任務に当たらせようというものでございます。
 政府案は、いわゆる一人制の原子力安全規制庁長官という役職をつくって、それに任を当たらせる。それに対して自公案は、原子力規制委員会という合議制の委員会をつくってこれに当たらせるという、そういうところが大きく異なっているところであります。
 それで、この自公案をベースに考えるとするならば、委員会というのは、世の中には委員会という名前の組織はたくさんございますけれども、この国家行政組織法の三条で言う委員会というのは、これは普通の委員会ではありません。今、日本に六つしかないんですね。これは行政庁であります。
 行政庁というのは、国家の意思を決定して、これを外部に表示する権限を有する行政機関が行政庁であります。
 これには二種類ありまして、一つは独任制の行政庁、つまり大臣とか長官であります。もう一つは合議制の行政庁であり、これが、いわゆる国家行政組織法で言う第三条委員会であります。今回、自公案で提案されているのは、このまさに第三条の行政委員会を設置するということであります。
 この行政委員会を設置されるということの目的といいますかその意図というのは、当然、独立性というところを強化するというところがその意図があろうというふうに思うところであります。
 そうしたら、政府の役割との関係はどうなのかということで、いろいろとお話を伺っておりますと、原発の敷地内、いわゆるオンサイトにおける原子炉事故等の収束のための専門的判断についてはこの規制委員会が責任を担う、それに対して敷地外、いわゆるオフサイトの住民避難などの対応については政府が責任を負うということで、役割分担をされるというそういうたてつけになってございます。
 そもそも、この三条委員会に権限を担わせようとする最大の論拠は、より高いレベルの独立性が確保されるというのは今申し上げたとおりであります。そこには、政治の関与を極力排除しようという意図があるわけであります。
 確かに、今回の福島原発事故に際しまして、原子力の専門家ではない当時の菅総理あるいは官邸サイドがオンサイトに過度に介入したことが現場に混乱を引き起こしたとの事故検証報告も出されており、この点は大きな課題であろうと私も考えております。
 しかしその一方で、机の上ではこの委員会と政府の役割分担、これは分けられるとしても、緊急時や災害時のときにこのような線引きが果たして現場でできるのか、あるいは、専門的な観点からのみ全てを判断、決定することが果たして可能なのか。例えば緊急時の総理の指示権の確保は本当に必要ないのか、あるいは責任の所在が明確になるのか。委員会が所掌するとすれば、当然、合議制でありますから、一人の長官とか大臣という責任の所在というのは、これは明確にならないということも指摘をされております。
 この点について、先ほど何人かの先生からは組織のあり方についての明確なお答えもあったと思うんですけれども、原子力規制委員会のあり方、この三条委員会という合議制の行政庁に行わせるべきなのか、それとも独任制、長官や大臣という責任者を据えて、その組織でこの事務を行わせるのがいいのか、この点についての先生方の御所見をまずお伺いをしたいというふうに思います。よろしくお願いいたします。
    〔川越委員長代理退席、委員長着席〕

発言情報

speech_id: 118004006X00520120608_011

発言者: 吉川政重

speaker_id: 21286

日付: 2012-06-08

院: 衆議院

会議名: 環境委員会