柿澤未途の発言 (憲法審査会)

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○柿澤委員 みんなの党の柿澤未途でございます。
 本日は、憲法第二章、つまりは九条に関する議論であります。
 日本国憲法制定から六十五年、一貫して論争のテーマとなり、時には激しい政治的衝突の材料ともなってきた憲法九条の条文でありますが、これを改正する歴史的意義はともかく、九条改正がもたらす具体的な効果とは一体何なのでしょうか。
 憲法九条を改正しようがすまいが、日米安保条約を基盤として極力軽武装で抑制的な実力組織を維持し、同時に、国連の平和維持活動等を通じて国際社会の平和と安定に寄与するという我が国の安全保障政策の基本が変わるものではありません。この点については、ごく一部を除き、ナショナルコンセンサスができ上がっているというふうにも思っております。
 問題は、日本がかかる理念を具現化していく上で憲法九条の規定が何らかの制約になっているとすれば、それをどのように見直していくかというすぐれて実務的な課題であります。
 例えば、集団的自衛権の問題があります。専守防衛という我が国の憲法解釈では、自国が攻撃を受けていないのに他国と共同して武力行使する集団的自衛権の発動は、権利として有していても行使はできないものと解釈されていました。しかし、このように、一方はよくて一方はだめという解釈を行っているのは日本だけの特異な例であるとの指摘もあります。
 現行憲法においても、我が国が自衛権を有していると解釈されることは、今や誰も異論を挟まないところとなっており、個別的自衛権と集団的自衛権を分けて考えてきた伝統的な内閣法制局の憲法解釈を、憲法九条の理念を具現化するとの目的に立ってどのように変えていくのか、あるいは変えていかないのか問われるところであります。
 私たちは、自衛権のあり方の明確化が必要との考え方に立ち、何らかの立法措置が必要であると考えております。それは憲法九条改正であるのか、安全保障基本法の制定等であるのかは選択の余地があろうかと思いますが、いずれにしても、我が国の防衛に関する根幹的な国家方針の法的正当性の有無が内閣法制局の憲法解釈に基づいているということは好ましいことではないと考えております。
 PKO武器使用基準の問題があります。これは私の個人的見解であることをあらかじめ申し上げた上であえて申し上げると、隊員の生命に危険が及んだり、みずからの宿営地が直接攻撃を受けたりしない限り武器使用は認められない、攻撃を受けている他国のPKO部隊への駆けつけ警護も認められない、このような法制局の憲法解釈が通用しているのは、私は信じがたいことだと思います。これでどうやって国際社会の要請に応え、紛争国の平和と安定を維持する活動を他国部隊と共同して行うことができるのでしょうか。
 これも、必ずしも憲法改正を要する事項かどうかは見解が分かれますが、いずれにしても、こうした点について、法制局の技巧的な解釈により現場での活動が無用な制約を受けていることについて、何らかの立法措置による対処をすべきであると思っております。
 上記のような、またその他の多岐にわたる論点を踏まえて、憲法改正をしていく、あるいはそのままにしておく、こういう判断をすべきものと思いますが、現在の、コンセンサスのできている我が国の安全保障政策の基本理念をどう具現化するかという点においては、さほど変わるものではありません。冒頭、九条改正の歴史的意義はともかく、それがもたらす具体的効果は何なのかと問うたのは、まさにこの点からであります。
 一方、条文の文言をどのように規定するのかは、解釈の余地をどれだけ残す条文とするかを含めて極めてセンシティブな論点になり得る、このように思います。我が国の存立にかかわる国家理念の具現化をどのような文言で規定していくのか、これは国民多数の合意形成が不可欠であろうと考えております。
 このため、みんなの党の憲法改正の基本的考え方では、憲法九条について、二年間の国民的議論を行った上で国民投票を実施して最終的に決定をしていく、こうした方向性を打ち出しているところであります。具体的には、憲法九条の改正の是非及び改正の場合の具体的なあり方、具体的文言を選択肢として用意をし、それを国民投票によって国民が選択する、こういうプロセスになるだろうというふうに考えております。
 私たちみんなの党は、憲法改正の発議に当たり、衆参両院の三分の二の賛成を必要としている憲法九十六条の改正を先行することを掲げております。こうした改正を先行させ、憲法改正の個別的論点について、主権者たる国民の意思を確認しつつ進めていくのが現実的かつ有効な進め方だと考えていることを最後に付言いたしまして、私の意見表明といたします。
 ありがとうございました。

発言情報

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発言者: 柿澤未途

speaker_id: 25172

日付: 2012-05-31

院: 衆議院

会議名: 憲法審査会