坂本義次の発言 (郵政改革に関する特別委員会)

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○坂本参考人 皆さん、おはようございます。檜原村村長の坂本義次でございます。
 ただいま委員長のお許しをいただきまして、郵政改革に関する特別委員会におきまして発言の機会をいただき、まことにありがとうございます。
 檜原村は、東京都の陸続きでただ一つの村ですが、初めに、村の地形や実態を少し紹介させていただき、その後、郵政改革に関するお願いをお話しさせていただきます。
 さて、檜原村は都庁から直線で約五十キロの西に位置しています。面積は百五平方キロ、中央区の約十倍の広さがあります。人口は二千五百八十二人です。地形は、周囲が急峻な山に囲まれております。役場の標高は約二百五十メートル、一番高い山は約千五百三十メートル、標高差千二百八十メートルあります。村の中央には東西に尾根が走り、南谷、北谷と二分しています。南谷、北谷、それぞれ西から東に流れる川沿いに集落が点在し、役場の近くで合流しています。
 電車も国道もコンビニもありません。主な都道が三本走っていますが、そのうちの一本は幅員が約一メートルと、車が通れない、狭い急峻な尾根越しの山道が隣の奥多摩町へ通じています。このようなところにも家が点在しています。当然徒歩移動ですので、高齢者対策として、ミカン畑に見られるような一本レールのミニモノレールを五カ所設置しています。長いところでは約二・三キロ敷設し、移動時間は約一時間かかります。これは、住民の移動や生活物資の運搬に利用しています。そして、一番遠い集落から農協や郵便局に来るためには、約十八キロの道のりを車かバスで移動し、半日がかりです。
 車の入らない地域は、新聞も郵便屋さんが毎日配達しています。郵政省の時代には、郵便屋さんが貯金や年金の取り扱い、また通販の支払いの振り込みも、さらにひとり暮らしの安否確認の役割もお願いをしていました。
 現在、金融機関は特定郵便局と農協の支店のみです。農協の支店につきましては、建物が老朽化して、取り壊しの際は支店が撤退することが十年前に決まっていました。もし撤退して自動機のみでは高齢者が困りますので、何としても窓口を残していただくために、一昨年、支店を役場庁舎内に置いていただくようにお願いをいたしました。その結果、昨年五月より庁舎内で支店業務を開始していただきましたが、当初三年契約と言われましたが、何とか十年契約にしていただきました。
 さて、私は、平成十七年の衆議院議員選挙では郵政民営化に賛成して一票を投じた一人です。大きな理由は、民営化になってもサービスは低下させないということでしたし、一般の銀行と同じになれば、貯金限度額の撤廃と郵便局を村の指定金融機関にできると思っていたからでございます。
 もちろん郵政民営化によりまして、郵便局の自動機でほかの金融機関に振り込めるようになるなど、便利になったことも事実です。しかし、郵便屋さんに貯金や保険、そして振り込みをお願いしていた人たちは、事業が縦割りになったことで、郵便屋さんに貯金や保険がお願いできなくなり、大変不便になりました。
 現在の郵政事業が五社体制のままでは、郵便、貯金、保険の三事業を一体で全国一律のユニバーサルサービスが本当に維持できるだろうか、檜原村のような過疎地の切り捨てにならないだろうかと大変心配をしております。
 現在、村内の金融機関は、銀行や信用金庫はありません。外務員も来ません。これからも檜原村に銀行等の支店が来ることは一〇〇%ありません。今のままでは、郵便屋さんにはお願いできずに、高齢者みずから農協や郵便局、さらに村外の金融機関まで足を運ばなければなりません。
 また、貯金限度額があることで、金融機関を分散する管理の煩わしさから、たんす預金をしているのが現状だと思います。特にたんす預金は、盗難の危険や災害発生時の安全管理が非常に難しい状態にあります。また、民営化後に約束されていた、貯金や保険は外務員が一定のサイクルで回っていただけるとのことでしたが、檜原村を回っていないのが実態です。
 また、全国には、金融機関が郵便局のみの町村が二十三、農協、漁協と郵便局のみの町村が百五十六ほどあると思います。しかし、郵便局は町村の指定金融機関になれない、住民は貯金限度額がある等の規制があり、これらの町村では御苦労されていると思います。
 そこで、過疎地特例として、次の三点を要望いたします。
 一点目は、郵便屋さんに貯金、保険の取り扱いができるようにする。これは、家から出かけることが大変な高齢者対策のためです。
 二点目は、郵便局と農協、漁協だけの町村の貯金限度額を撤廃することです。過疎地域は平均所得も低く、貯金も少ない人たちは複数の預金口座を持たない人が多いわけですから、ぜひこれをお願いしたいと思います。
 三点目は、郵便局が町村の指定金融機関になれることです。現在は、自分の町村内に指定金融機関が置けない自治体があります。
 以上、私の思いをお話しさせていただきましたが、今回の議員立法は、郵便会社と郵便局会社を合併して分社化の問題を是正していただけること、そして、郵便だけではなく、貯金、保険も全国の郵便局でサービスを義務づけているなど、民営化による問題点を積極的に是正していただけるとのことであります。
 議員の皆様には党派を超えて御議論いただいたと伺いましたが、問題解決への取り組みに対し、心より感謝申し上げますとともに、これからも過疎地域住民の不便解消に御理解、御支援をいただきますよう、心からお願い申し上げまして、私からのお願いとさせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)

発言情報

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発言者: 坂本義次

speaker_id: 12886

日付: 2012-04-10

院: 衆議院

会議名: 郵政改革に関する特別委員会