生方幸夫の発言 (環境委員会)

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○衆議院議員(生方幸夫君) ただいま議題となりました法律案につきまして、提案の趣旨及びその内容を御説明申し上げます。
 我々人類は、有史以来、数多くの種類の動物たちを、日々の糧としての利用はもちろんのこと、荷物の運搬や田畑の耕作等の労力、衣類を始めとする多種多様な製品の原材料、研究開発や創薬等の科学上の利用など、実に様々な用途に利用する一方で、伴侶、心の友として一緒に暮らすなど、動物たちと物質的、精神的なつながりを持つことにより、現代に至る文明を築いてまいりました。
 動物は、人間と同様に生命を持ち、苦痛を感じる存在であり、尊厳を持って取り扱われるべきである半面、動物が人の生命、身体又は財産に影響を及ぼすおそれがあることから、動物の適切な管理も同時に求められております。
 このような動物の適切な取扱いについて規定する動物の愛護及び管理に関する法律は、昭和四十八年に議員立法で制定された後、平成十一年及び十七年に同じく議員立法で改正され、現在に至っております。過去二回の改正により、ブリーダーやペットショップに代表される動物取扱業について届出制から登録制へ引き上げられるとともに、罰則が強化されるなど、規制が強化されてまいりました。
 近年、ペット市場の拡大と多様化が進む一方で、劣悪な飼育環境での多頭飼育や幼齢動物の販売等に代表される動物取扱業者の不適正飼養の問題が顕在化し、動物の福祉の観点から一層の動物の適正飼養の確保が求められる中、動物取扱業の適正化に対する国民の要望も高まってきているところであります。
 また、行政や動物愛護団体等による長年の努力の結果、保健所等における犬及び猫の殺処分頭数も、昭和四十九年の約百二十万頭から平成二十二年には約二十一万頭にまで減少いたしました。しかし、都道府県等は、犬猫販売業者や何度も持ち込むリピーターからの引取りを拒否できず、依然として多くの犬猫が殺処分されていること等から、我が国全体で殺処分ゼロを目標に据えて、官民挙げた更なる努力が望まれているところであります。
 さらに、昨年三月十一日に発生した東日本大震災とそれに伴う東京電力福島第一原子力発電所の事故により、ペットや家畜の多くが適切に救護されず、犠牲となりました。今後はこのような事態を未然に防ぐためにも、国や自治体等は被災動物への救援体制を早急に構築していくことが求められております。
 このような最近の動物の愛護及び管理に関する状況に鑑み、動物取扱業の適正化並びに動物の適正な飼養及び保管を図る必要があることから、本案を提出した次第であります。
 次に、本案の主な内容について御説明申し上げます。
 第一に、現行の動物取扱業を第一種動物取扱業とし、第一種動物取扱業者のうち犬、猫の繁殖業者は、出生後五十六日を経過しない犬又は猫を販売のため又は販売の用に供するために引渡し又は展示をしてはならないものとしております。なお、この出生後の期間について、施行日から起算して三年を経過する日までの間は四十五日と、その後別に法律で定める日までの間は四十九日と読み替える経過措置を設けることとしております。
 第二に、第一種動物取扱業の登録を受けるべき者及びその取り扱おうとする動物の数が環境省令で定める数に満たない者を除く一定の飼養施設を設置して動物の譲渡等を業として行おうとする第二種動物取扱業者は、都道府県等が犬又は猫の引取り等を行う場合等を除き、飼養施設を設置する場所ごとに、飼養施設の所在地等を都道府県知事に届け出なければならないこととしております。
 第三に、動物の所有者について、できる限り、その所有する動物がその命を終えるまで適切に飼養する終生飼養の責務を追加するとともに、都道府県等は、犬猫等販売業者から犬又は猫の引取りを求められた場合その他の終生飼養の責務の趣旨に照らして引取りを求める相当の事由がないと認められる場合には、その引取りを拒否できることとし、また、都道府県知事等は、引取りを行った犬又は猫について、殺処分がなくなることを目指して、所有者への返還及び飼養希望者への譲渡に努めることとしております。
 第四に、都道府県は、動物愛護管理推進計画に、災害時における動物の適正な飼養及び保管を図るための施策に関する事項を定めるものとし、また、都道府県知事等が委嘱する動物愛護推進員の活動として、災害時における国又は都道府県等が行う動物の避難、保護等に関する施策に必要な協力をすることを追加することとしております。
 第五に、国は、犬、猫等が装着すべきマイクロチップについて、その装着を義務付けることに向けて研究開発の推進及び普及啓発等のために必要な施策を講ずるものとし、その施策の効果、マイクロチップの装着率の状況等を勘案し、その装着を義務付けることに向けて検討を加え、その結果に基づき、必要な措置を講ずることとしております。
 なお、この法律は、一部の規定を除き、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。
 以上が本案の趣旨及び主な内容であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。

発言情報

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発言者: 生方幸夫

speaker_id: 13983

日付: 2012-08-28

院: 参議院

会議名: 環境委員会