斉藤進の発言 (厚生労働委員会)

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○斉藤(進)委員 皆さん、おはようございます。民主党の斉藤進です。
 本日は、質問の機会をいただきまして、まことにありがとうございます。
 また、大臣が新しく三井厚生労働大臣となりまして、一番初めに質疑をさせていただくことになりました。大臣、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 さて、本日取り上げさせていただくのは、私の地元浜松に限らず、全国的にも多くの方々がお悩みになっている、がんを初めとして長期にわたる治療が必要な患者の方に対する就労継続支援についてです。
 がんの五年生存率が五割を超えるレベルまで向上する中、私の地元でも、また、厚労省のがん臨床研究事業の数回にわたるシンポジウムでも、当事者である患者の方々から、がんと就労に関する切実な御要望をいただいてまいりました。共通しているのは、持病を抱えながらも、生き生きと就労を継続し、そして職業生活を送りたいということであります。
 しかし、厚生労働省がことし六月に提出した、「長期にわたる治療等が必要な疾病を抱えた患者に対する保健医療分野の支援と就労支援の連携」の資料にあるように、がんに罹患した勤務者の三四%が、依願退職、そして解雇されています。自営業者では一三%が廃業しております。
 そして、労働基準局の治療と職業生活の両立等の支援に関する検討会の資料では、がんの罹患前後を比べ収入が減った方は三三%もおります。そのうち、罹患前と比較して収入が七割以下に減ってしまった方は約六〇%にも上り、五割以下に減ってしまった方は三三%に及びます。この収入の減少とともに治療費の支出がふえる事実は、がんの患者さんにとって重要な問題となっております。
 このような状況のもと、私の地元の病院でがん治療に携わっている医師、主治医の方は、目の前にいる当事者である患者さん方の切実な状況を何とか改善したいという思いで活動をされておられます。
 医療者の方の思いの一端を御紹介します。
 日本国憲法二十七条において、「すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ。」と定められています。しかし、がんに罹患した勤労者の三〇%が依願退職し、四%が解雇される現状は異常です。がん患者(サバイバー)の基本的人権、社会権が、行政の怠慢により侵害されたまま放置されています。単年度もしくは数年で終了する補助金、単に、事業主、就労者、医療者の意識を向上させようとする取り組みを欲しているわけではありません。人権である社会権が侵害されている現状に対して、基本的人権を擁護する、行政による強制力のある取り組みを求めています。労働安全衛生法第六十六条の四及び五に基づいた健康診断という切り口で、行政の強制力でもってがんサバイバーの就労を守っていただきたい。
 目指すところは、多様性のある社会です。がんサバイバーの就労を保護する取り組みがあれば、障害を抱える方、疾病を抱える方、高齢な方でも働き続けることができるようになります。そうすることで、過労死が問題になる異様な労働環境から、多様性があり、お互いが支え合う労働環境がある社会へ進化することになると信じています。
 以上の内容であります。毎日、がんの患者さんと接しているからこその言葉であります。
 さて、このたびのがん対策推進基本計画には、新たに、がん患者の就労を含めた社会的な問題が取り上げられました。二十五年度予算の概算要求には、疾病を抱える労働者に対する就労継続支援として、企業や医療機関向けのガイドラインの作成や、がん診療連携拠点病院のうち、ハローワークと連携した五カ所程度で先行実施される相談窓口での各種相談事業、情報提供も盛り込まれました。私は、大きな一歩と期待もしていますが、既に難病相談・支援センター等、がん患者の方々の就労に関する相談体制があったと言われるにもかかわらず、根治可能で労働が可能であるが、がんと診断された多くの方が職を失っている現状を鑑みると、果たしてどこまで実効性が担保されるのか疑問です。
 以上の考えられている新たな施策は、ガイドラインと企業からの相談体制の整備を除けば、一度退職、解雇されることを前提として捉えられています。それも当然必要な施策ですが、諸外国で進められているように、これまで働いていた同じ職場に復職できる支援も、単なる組織の連携ではない実効性のある制度として考えていく時期に来ております。
 その観点から質疑を行いたいと思います。
 質問の一点目。
 守らねばならない労働者に産業医、保健師、主治医等が手を差し伸べ、事業者の理解を求めていくには、産業医が事業者に意見を明確に伝える法的な枠組みが必要となります。
 一年以内にがんと診断された労働者は、労働安全衛生規則第四十四条における定期健康診断の既往歴及び業務歴の調査項目において有所見とし、報告を受ける所轄労働基準監督署は、単にこの有所見を定期健康診断の統計の数値として確認するだけではなく、労働安全衛生法六十六条の四及び五に基づき、事業者ががんと診断された労働者を離職や解雇に追い込む前に、就業場所の変更や作業の転換、労働時間の短縮、深夜業の回数の減少等、柔軟な雇用管理の取り組みについての産業医の意見を聞かせる通達をするべきですが、見解を伺います。
 また、事業所が産業医を選任することは労働安全衛生法に基づいておりますが、産業医の業務の一つとして、復職支援も制度として明文化すべきと考えます。見解を伺います。

発言情報

speech_id: 118104260X00220121107_004

発言者: 斉藤進

speaker_id: 17031

日付: 2012-11-07

院: 衆議院

会議名: 厚生労働委員会