大和田達郎の発言 (経済産業委員会)

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○大和田参考人 日本商工会議所の税制共同委員長で、筑波山麓に位置しております茨城県石岡市の石岡商工会議所の会頭を務めております大和田でございます。資本金八千万円の石岡酒造という中小企業を経営いたしております。
 本日は、このような貴重な機会を賜り、心より御礼申し上げます。
 商工会議所の価格転嫁についての考え方を御説明させていただきます。
 お手元の「円滑な価格転嫁に向けて万全な対策の実施を!」と題した資料をごらんください。
 表紙をおめくりいただき、一ページ目をごらんください。
 最初に、基本的な考え方を申し上げます。
 消費税の引き上げに当たっての中小企業の最大の懸念事項は、消費税の円滑な価格転嫁であります。商工会議所では、転嫁対策特別措置法案に、転嫁拒否に対する監視の強化や価格表示の弾力的な運用が盛り込まれております点を評価いたしております。
 先生方のお力をもって、取引上の立場が弱い中小企業のため、一刻も早い法案成立並びに施行と実効性のある高い運用をぜひともよろしくお願い申し上げます。
 次に、二ページ目をごらんください。
 価格転嫁の実態につきましては、一昨年、中小企業関係団体が約一万事業者に対しまして調査を行いました。
 改めて申し上げるまでもございませんが、中小・小規模企業の価格転嫁が極めて困難であるという結果が出ております。中小・小規模企業の五割以上の事業者が、前回の消費税率引き上げ時に消費税を価格に転嫁できなかったと回答いたしております。そして、今後、消費税率が引き上げられた場合には、六割を超える事業者が価格に転嫁できないと見込んでおり、今回の引き上げの方がより価格転嫁が厳しいという結果になっております。また、売り上げ規模が小さい事業者になればなるほど、価格転嫁はますます厳しい状況となっております。
 三ページ目は、事業者の生の声でございます。
 デフレ経済が続く中で、現在でも価格転嫁が非常に厳しく、見積もり段階では税抜き価格で提出したが、支払い時点で税込み価格にされたといった、取引先や消費者からの値引き要請が強いという実態が多数寄せられております。
 三ページ目の一番下をごらんください。
 既に、八%への消費税率の引き上げを見込んで、消費税額分の値下げを求められている事例が出てきております。取引先から、消費税引き上げがあるので、納入商品の見積もりを出してほしいとの要求があり、何度も何度も見積もりを再提出させられるなどの事例が中小企業から寄せられております。はっきりとは言われませんが、消費税率引き上げ直前に値下げを要求するのではなく、今のうちに本体価格を下げておこうという意図ではないかと強く懸念をする声が寄せられております。
 これは大きな問題であり、転嫁対策特別措置法の施行前におきましても、公正取引委員会は実態をしっかり確認し、現行の制度で迅速かつ効果的に取り締まるなどの対処をお願いいたしたいと思います。
 また、地方自治体の外郭団体が、最近、内税取引への変更を通知してきた事例がございます。内税にすれば、消費税額が明示されませんので、八%や一〇%への消費税引き上げ時に、消費税の転嫁を認めないつもりではないかと懸念する声が寄せられております。
 消費税の価格転嫁を認める姿勢を率先して見せなければならない地方自治体や外郭団体が、仮に消費税引き上げ分の転嫁を認めない方策を模索しているようでは、円滑な価格転嫁は進まないのではないでしょうか。
 前回の消費税引き上げの際には、予算を確保していないという理由で、地方自治体に、消費税分の価格転嫁が認められず、消費税を含んだ総額を予算内に抑えるように本体価格の引き下げを指示された例もあると聞き及んでおります。地方自治体や外郭団体は、平成二十六年度予算において、三%消費税引き上げ分の予算確保をしっかりと対処していただきたいと思います。
 現在、商工会議所では、各地で事業者向けに税制改正の説明会を行っております。消費税率の引き上げや価格転嫁対策についても、事業者に対し広報活動を行っております。その際に、事業者から、消費税率引き上げ時に、事業者の都合で値上げをするかの印象を消費者に持たれるのは困る、国が消費税を引き上げた結果として販売価格が上がることを消費者にもよく理解してもらう必要があるとの声が寄せられております。
 消費税率引き上げ時に最も大事なのは、国民や事業者、特に消費者に対する広報の徹底であります。なぜ消費税の引き上げが必要なのか、また、消費税は価格に転嫁されるものであるということについて、政府が明確なメッセージを発信し、国民の十分な理解が得られなければ、事業者はとても消費税を価格に転嫁することはできません。
 現在、こうした理解が不十分であると痛感をいたしております。テレビや新聞、ネット広告など、あらゆる広報手段を使い、価格転嫁しやすい環境整備に向けて徹底的に広報を行っていただきたいと思っております。
 四ページ目をごらんください。
 中小企業からは、書面調査に本当のことを書いて、もしどこかで情報が漏れると、その時点で全ての取引を失ってしまう、会社や従業員のことを考えると、とてもそのリスクを負えないなどといった声が寄せられております。
 中小企業が取引相手を訴える場合、その取引相手のみの取引にとどまらず、全ての取引相手の取引を失う覚悟が必要だということをぜひ御認識いただきたいと思います。声なき声をすくい上げる仕組みが大事であります。
 また、中小企業からは、転嫁調査員という制度ができると聞いておるが、我々に話を聞きに来るよりも、大手を巡回し、牽制効果を高めてもらった方が効果的であるとの声も寄せられております。
 報道によりますと、既に消費税率引き上げ分を値上げしない方針を示す企業も見受けられますが、結局、下請業者や納入業者の負担になるだけなので、こうした動きを取り締まってほしいとの声も寄せられております。
 いずれにいたしましても、消費税の円滑な価格転嫁の実現のためには、実効性の高い価格転嫁対策が必要不可欠であります。そのためにも、本日御列席の委員の先生方におかれましては、早期に法案を成立させていただき、価格転嫁が困難で悲痛な声を上げている中小・小規模企業を応援していただきたくお願いをいたすところでございます。
 以上で説明を終わります。ありがとうございました。(拍手)

発言情報

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発言者: 大和田達郎

speaker_id: 14485

日付: 2013-04-26

院: 衆議院

会議名: 経済産業委員会