片田敏孝の発言 (予算委員会公聴会)
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○片田公述人 まず、日本の津波防災が他の災害に比しておくれていたのではないのかという御指摘がありましたけれども、まさにそうだろうというふうに思います。
といいますのは、洪水の場合は、比較的、毎年のように、雨のシーズンにはどこぞここぞがやられるという構造があるものですから、まだ国民の中に災害を意識するという観点はあると思うんですね。それから、地震についても、時々あるものですから、これも認識はあるんですが、津波は、やはりある程度周期が長いものですから、どうやっても国民に現実感を持って捉えられないというようなところもあり、それが、いわんや国民、地域の防災行政の推進に対する要求というのか要望というのか、これをそれほど高いものにしなかったというような状況もあろうかと思います。そういう面において、確かにおくれはあったんだろうというふうに思います。
ただ、厳しいところにありました三陸沿岸ですとか、過去何度も何度も大きな被害に遭っているところについては、それ相応に進んできたところもあることも事実でありますけれども、一方で、高知県もそうだろうと思います、徳島県なんかもそうなんですけれども、和歌山もそう、さほど進んでこなかったというのが事実でありまして、その最低限度のところができていないというところにおいてはやはり対策を進めていかなきゃいけないということなんだろうと思います。
そして、今回の予算の中で、この防災の予算、非常に先生方には御理解をいただきまして、あの三・一一を受けた日本の防災のありようということで、しっかりした予算措置をしていただいているというふうには思います。
予算措置をした後どうしたらいいのかということだと思いますが、まず、先ほどのスピーチの中でも述べさせていただきましたけれども、何といっても、人為的に高める安全、これはある程度国家がやらなきゃいけない、行政がやらなきゃいけない。
国民自身が、幾ら大きな津波が来ようとも、ちゃんと逃げることができる国民に育てるという、ここの部分はソフトですので、ハードに比して大きなお金がかかるものではないと思います。しかし、これは将来にわたる日本国の財産であろうと思います、国民そのものを強くしていくということですから。そこについては、ぜひ手厚い予算措置をしていただきたいと思います。
何といっても、これからの日本を背負って立つ子供たちが、いかなる事態にあってもちゃんと生き抜く力、自分で判断し自分で行動をとれる、そんな力を育てるための防災教育というのには、ぜひこの予算措置の中でも特段の御配慮をいただきたいというふうに思うわけです。
釜石におきましては、どんな教育をしていたかというと、相手は自然なんだ、いかようなこともあり得る、時にあんな津波もある、こういうことをまず教えたわけです。
ハザードマップなどのような情報を与えると、依存状態が高い日本国民、子供たちもそうでした、ハザードマップを見ると、行政からの情報なんだから、ハザードマップの外であればもう安全なんだという完全に受け身な意識でいるものですから、ハザードマップの外側で人がたくさん死ぬという非常に変な現象が起こってまいりました。もう行政依存の最たるもので、国民を逆に危ない状況に追いやっているという状況が明確に見えたわけです。
子供たちには、想定なんかにとらわれるな、過激かもしれませんけれども、ハザードマップなんか信じるな、これは一つのシナリオにすぎないんだ、そして、相手は自然だ、いかようなこともあるから、君は精いっぱいそれに向かい合え、こう教えたわけです。
子供たちは本当に精いっぱい避難をしてくれましたし、その子供たちの純真な目から見たときに、おじいちゃんが逃げられない、あの小さな子供たちが逃げられないと思ったときに、子供たちは本当に弱き者に対する気持ち、優しい気持ちを持って避難を手助けしてくれました。
それを考えますと、子供たちは、自然に向かい合うということを通じて、自分の命を守るということ、自分の命の大切さ、これを十分に認識した上で彼らはあのような行動をとってくれたんですが、学校の先生に聞いてみますと、こういった防災教育をしっかりやったところは、やはり命を大事にする、そして、みんなで協力して、一人だって地域から犠牲者を出さないんだという思いの中で、地域に対する誇り、郷土愛、そして弱き者に対する配慮ができ始めまして、いじめの問題ですとか、こういった問題も徐々に解決の方向に向かっていったと聞いております。
まさに、この防災という予算を、災害に強い国土、その中には国民という概念も大きく入れて政策展開をしていただければというふうに思います。
以上でございます。