根岸哲の発言 (経済産業委員会)

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○参考人(根岸哲君) はい、分かりました。
 それでは、簡単なメモを用意しておりますので、基本的にはそれによりたいと思います。
 本法案は、消費税が実質的に消費者が負担するというものであることに照らしまして、今回、二回にわたって消費税引上げに当たり、特に中小事業者による消費税の転嫁が円滑かつ適正に行われやすくするために、独禁法、下請法、景表法の特例法を平成二十九年三月三十一日までに限り制定しようとするものであって、基本的に賛成いたします。
 消費税の転嫁を確保するためには、独禁法、下請法、景表法によって対応することも考えられますけれども、いずれも、消費税転嫁確保に明確に特化した規制を行うことには困難な面があり、消費税転嫁確保に明確に特化した規制を行い、迅速かつ効果的に対応することにより、規制の実効性を確保する本法案の制定が必要となると考えます。
 ちょっとメモに書いておりませんが、より基本的なことを若干申し上げたいと思います。
 本法案につきましては、いわゆる自由な競争と公正な取引との関係ということが問題になると思います。この関係から見て、本法案は適切にこの関係を調和あるいは調整していると、こういう観点からも賛成いたします。
 この自由な競争と公正な取引というのは、場合によりますと矛盾しかねない側面がございますが、自由な競争を基本的に重視すると、こういうことでございますけれども、しかし公正な取引も自由な競争の基盤ということになりますので、日本では自由な競争を基本としつつ、しかし、例えば優越地位の濫用を独禁法によって禁止し、下請法で下請同士の公正を確保すると、こういう法律を作っておりまして、自由な競争と公正な取引との調和を図ると、こういう考え方に立っていると思われます。こういう観点から見て、本法案は限定的でかつ例外的である、かつ時限的であると。こういう観点から、この自由な競争と公正な取引との関係という観点から見ても適切である、こういうふうに考えています。
 まず最初に、特定事業者の遵守事項、三条に定められていることですが、とりわけ問題になるのは、あるいは減額、買いたたきかと思います。この買いたたきについて議論があるということを伺っておりますけれども、商品等の対価の額を通常支払われる対価に比べて低く定めることにより消費税の転嫁を拒否すること、この点につきまして議論があるというふうに伺っておりますが、これにつきまして、例えば独禁法で優越的地位の濫用としてもしこれを禁止しようとすると、優越的地位の濫用は正常な商慣習に照らして不当に不利益を与えると、こういう非常に一般的な規定でございますので、ちょっとこのようなものを規制するには困難な面がある。
 それから、下請法というのは、もちろん下請取引にしか適用がないということでありますが、この場合にも著しく低いという要件になっておりまして、これに比べますと、この通常支払われる対価に比べて低く定めることによりと、これはこの規制の実効性を確保する上で、このような規定であれば規制の実効性を確保できるのではないかと、こういうふうに考えております。
 この二の二と書いてあるすぐ下に星印を付けておりますけれども、星印の二番目に書いてございますように、例えば税率引上げ前の税込み価格に税率引上げ分を上乗せした価格を通常価格とし、特別の合理的な理由がなければ、本体価格を引き下げることにより税率引上げ後の税込み価格をこれより低い対価としていれば、通常支払われる対価に比べ低く定めることになると、こういうふうに解釈することが可能だと思いますので、規制の実効性という観点から見て適切であると、こういうふうに考えております。
 この三条では、減額、買いたたき、それから購入強制、役務の利用強制、不当な利益提供の強制、税抜き価格での交渉の拒否、それから報復行為と、これについて禁止というか、しているわけでございますが、これらの行為に対して検査、指導ということが定められておりまして、公正取引委員会、主務大臣、中小企業庁長官という人々が基本的にそれをやるということになっております。
 これらの規定についての規制の実効性という問題はあろうかと思いますけれども、基本的に、私は、従来、下請法の執行の仕組みというのが基本的に採用されていると、こういうふうに考えますので、下請法の執行の仕組みというのはかなり効果を上げていると私は理解しております。かつてはざる法だと言われていた時代もありましたけれども、しかし近年、この下請法の執行はある意味で目覚ましいものがあるというふうに思います。かつ、日本の企業は、勧告という、ある意味で法律的には行政指導なんですけれども、それを守るという日本の企業が圧倒的に多いということでありまして、下請法の執行の仕組みは効果を上げていると。これと同じような仕組みを採用しているということでございますので、規制の実効性についても適切であると、こういうふうに考えております。
 従来、下請法では、公正取引委員会と中小企業庁が書面調査に入るという形で下請法の禁止行為があるかどうかについて書面調査をする、そしてその後、指導、勧告すると。そして、勧告に従って例えば減額していればその部分を返すというようなことが、多分平成十六年からもう二百件あるいは三百件近くその事件があるということで、かなり効果を上げていると私は理解しております。したがって、これと基本的には同じような仕組みを採用しているので、規制の実効性についても適切であると、こういうふうに考えています。
 続きまして、メモの二枚目でございますが、消費税の転嫁を阻害する表示の是正、八条という規定がございます。
 取引の相手方に消費税を転嫁していない旨の表示、取引の相手方が負担すべき消費税に相当する額の全部又は一部を対価の額から減ずる表示であって消費税との関連を明示しているもの、このように修正されたというふうに伺っておりますが、そして、(3)として、消費税に関連して取引の相手方に経済上の利益を提供する旨の表示ということでございます。
 消費税の転嫁をしない、これはしていませんというような表示は、これは消費税というのは最終的に消費者が負担するという制度の趣旨に反する表示というふうに考えますので、消費者に誤認を与える表示ということになりますので、これは是正していただくということになろうかと思います。
 しかし、消費税の円滑、適正な転嫁のための必要最小限度の規制にとどめると、こういうことも必要かと思いますので、この観点から、より明確な消費者庁のガイドラインが必要ではないかと、こういうふうに考えております。
 続きまして、価格の表示に関する措置、十条、十一条であります。
 一番目は、いわゆるこの消費税法で定めている総額表示義務の特例措置ということで、消費税の引上げに際し、消費税の円滑かつ適正な転嫁のため必要があるときは、現に表示する価格が税込み価格であると誤認されないための措置を講じている限り、税込み価格を表示することを要しないと、これが総額表示義務の特例措置でありますが、その現に表示する価格が税込み価格であると誤認されないための措置を講じている限りは消費者に誤認を与えることはないと、こういうふうに考えます。近い将来というか、総額表示方向へ行くべしと、こういうふうには思いますけれども。
 それから、事業者が税込み価格に併せて、税込み価格を表示する場合において、税込み価格が明瞭に表示されているときは、景表法上の不当表示の禁止規定を適用しないということでございますが、税込み価格を表示する場合に、税込み価格に併せて、ごめんなさい、ちょっとそこは違うんですかね、十一条を見ますと、税込み価格が明瞭に表示されているときは、当該消費税を含まない価格の表示については景表法を適用しないと、こういうことでございます。ごめんなさい。
 これは、税込み価格が明瞭に表示されているときは不当表示にならないと、これはこのとおりだと思います。このような措置がとられていれば消費者に誤認を与える不当表示とはならないと、こういうふうに考えます。
 最後ですけれども、転嫁及び表示の方法の決定に関する措置と、十二条であります。
 転嫁の方法の決定に係るいわゆる転嫁カルテルにつきまして、公正取引委員会は届出制を取りまして、独禁法の適用除外とするというもの、それから、表示の方法の決定に係る表示カルテルについては独禁法の適用除外とする、こういう規定でございます。
 特に、(1)の方は、転嫁カルテルにつきましては、消費税の転嫁に限定したカルテルということでございますが、これが本体価格のカルテルにつながらないように監視する必要はあろうかと思います。本体価格のカルテルにつながれば、それは独禁法違反ということになろうかと思いますが、そうでなければ問題がないということであります。それに限定される限りは、転嫁カルテルでも表示カルテルでも本来、独禁法に違反しないと言えるかもしれません。しかし、それは事業者にとっては明確でありませんので、そのことを明確にする意味があるということでございますので、このような措置も必要かと思います。
 以上でございます。

発言情報

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発言者: 根岸哲

speaker_id: 1483

日付: 2013-05-30

院: 参議院

会議名: 経済産業委員会