清水信次の発言 (経済産業委員会)

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○参考人(清水信次君) 消費税、この転嫁の問題、あるいは消費税そのものについて、今お二人の参考人からお話がありましたけれども、大体私どもの考え方もその中にほとんど含まれておりますけれども、ただ、消費税は今、全世界で百四十七か国、この制度を導入しておりますが、日本は比較的遅かったわけです。日本が導入したときは、たしか百三十か国前後だったと思います。
 それで、この転嫁問題の今日は御審議ですけれども、本来、私は、三十年前の大平総理の一般消費税、それから八年後の中曽根内閣における売上税、この二つの税制の導入について反対運動の先頭に立って運動をしたんですけれども、その過程で、世界のいわゆる消費税導入国の実情を、当時の大蔵省主税局の局長さんあるいは審議官の皆さんと一緒に議論したり、あるいは調査をしたり、あるいは現地に赴いていろんなデータを取ったりしたんでありますけれども、そこで、いよいよ竹下内閣で消費税を議論する段階になって、当時の山中貞則自民党税制調査会長あるいは加藤六月副会長辺りといろいろ折衝もやり、大蔵省の担当局の皆さんとも話し合ったんですけれども。
 これ思うに、やはり日本の安定した財政の税収という面において消費税の果たす役割が非常に各国とも大きいと。現状でありますと、消費税の税率がかつて、先ほどお話にもあったように、導入時三%であったんですが、橋本龍太郎内閣で五%に上げた。このときはちょっと時期と導入のやり方で余り結果は良くなかったと、かえって税収が減っちゃったというようなこともあって、なかなか消費税の税率アップというのは難しいなという感じを持ったんです。
 ただ、百四十七か国の税率を調べると、最低が現在五%で四か国しかない。その上は、七%が二か国あって、一〇%が十三か国です。あとは全部一三%以上で、最高が二七%。これはもう、どこの導入した国でも、国家財政の一番安定した税収という制度でこれをやっておられるんですが、それから見ると、日本の現在の国民生活、これは日本建国以来、こんな冷暖房完備で、水洗トイレで、ウォシュレットってお湯で排せつ物を処理するというような国は世界中、日本を除いてどこもない。ヨーロッパのどこへ行ったって、あるいはアメリカ、カナダも、最高のホテルに泊まって、スイート泊まったってウォシュレットなんか付いていなかったんですよね。
 それに、今、日本は世界一の長寿国になった。かつて、私は大正十五年生まれで、人口六千万でしたが、そのときの日本の平均寿命というのは大体五十何歳、六十歳ぐらいまでで、これは小さい人が亡くなるのが多かったんだけれども、今や日本はもう男女とも大体八十超えて八十五歳近い長寿国。私自体が今八十七歳。
 だから、世界一の生活レベルを持って、しかも世界一の長寿国で、しかも国民、生命保険、皆保険で、誰でもいつでも病院、医者にかかれる。こんな国は本当に世界にないです。イギリスだって非常に厳しく制限しておる。アメリカは皆保険何度もやろうとしたけれども失敗している。しかも今、世界百九十三か国で日本ぐらい安心安全で、こんな有り難い社会設備も整っている国で、消費税が五%が上がるのが高い安いということは、これはちょっと私もいかがなものかと。だから、民主党野田政権で三党合意で、自民党と民主党と公明党で三党合意で社会保障と税の一体改革ということでお進めになったと。
 これは従来ですと、私は今、日本チェーンストア協会の会長を務め、それから国民生活産業・消費者団体連合会会長、これは国民の生活と生命を守る、平和を守るというので、明治以後百四十五年でこんな団体ができたことはない。それを二年前組織して、今私が会長でやっておりますけれども。私はこの消費税問題について、一〇%までは、これはもうむしろ国民は誇りを持って喜んで対応すべきだと。
 ただ、先ほどからおっしゃっているように、日本は大企業と中堅企業と中小企業と零細企業等々ある。それは、三千万を一千万に免税点を引き下げるときも何の相談もなかった。これは、僕はあの制度を導入するときに、零細業者で、皆さん、町を車で走られりゃ小さいお店がいっぱいありますよね。それで、三千万ということは、毎日の商いにしたら十万円以下ですよ。それを一千万に引き下げるときに何の相談もなかった。この制度を導入するとき、僕は随分、先ほど申し上げた竹下総理を始め皆さんと相談して、免税点の問題、税率の問題、税率十年上げないと。それから税務調査は、従来のような税務署の過酷な調査、罰則を伴う調査はやらないと。指導はする、間違いとか分からぬ点があったときは指導はすると。それは、税率アップを十年間はやらないという約束は、九年で橋本さんがやっちゃったんで、一年ぐらいはまあ許容範囲だと思うんです。だけれども、この三千万を一千万に下げるという、そのときに当然我々に議論あってしかるべしで、我々に相談があれば絶対私は反対してこの引下げはやらさなかったと思うんだけれども、もう決まったからと。
 それから、総額表示、内税、これも何の相談もなかった。いきなり大蔵省、当時、大武健一郎さんが局長だった、企画官と二人で来られて、こういうふうに決めましたから協力してくださいと。これはちょっと私も幾ら、民主主義の原則からいうとちょっと容易には正直できないというんで大分議論したんですけれども、結局もうそれで決まって、手続は皆済んでいるなんということでやったんですが、やってみて、やっぱり国民が納める消費税の税額が全然分からないという総額表示はこれは間違いだと。ちゃんと商品の本体価格、それからいわゆるそれに掛かる消費税、一〇%なら一〇%、これはもう本体価格プラス税でいいし、また金額をそれに当てはめてもいいですけれども、だけど、外税というのはやっぱりこの税の原則なんですよね。国民がこれだけのものを国家社会のために払っているんだということを明示すべきだと思うんです。
 それからもう一つ、今、この消費税の今日の会議は、転嫁問題の、特別措置法によるこの問題点ですけれども、こういう消費税の適正な転嫁を確保するための転嫁を阻害する行為、それに関する是正等に関する特別措置法と、これは、本来からこんな細かい法律を作っている国は私の知る限りありません。
 だけど、本当はこれは国民とそれから関連する業者、業界が自ら自制あるいは影響する問題を自粛してやるべきで、日本は今から百四十五年、明治維新をやって、明治は四十五年、大正は十五年、僅か六十年間で、それまでいわゆる徳川幕府あるいは戦国時代を経て鎖国をしておったのが、僅か明治、大正六十年間で、当時世界百八十か国ぐらいだったけれども、それの第五位の国家に成長した。これは大変な革命的な日本の成長だったんですけれども。
 それでは、明治、大正、昭和二十年まで、戦争で敗戦、負けるまでの日本の実態はどうだったかというと、日本はこの狭い国土で、それでみんながそれぞれ自制して、いつも僕は申し上げているんですけれども、己を知り、足るを知って、のりを越えないということで、皆が、各業界がみんな、例えば黒川さんが、虎屋のようかんだけど、それ以外のことはやらないと。あるいはソースを作っておったブルドックソース、これは東京、関西はイカリソース、それ以外のものはやらないと。マヨネーズならキユーピーだと、ケチャップだったらカゴメだと皆決まっておったし、それから百貨店なら百貨店でほかの流通には手を出さないと。みんながもう己を知って、足るを知って、のりを越えていなかった。それが、戦争で負けてアメリカからいろんなあれが入ってきて、それでもう社会秩序はめちゃくちゃになった。
 それで、一番日本国家の形成に大事な家庭が、家族制度、家庭、戸籍が崩壊してしまって、家庭教育がまず崩壊してしまった。次には学校教育が、あの戦争前の、戦時中の右へ大きく振れた国家、これが戦争に負けて、自分の教えたいとし子が戦場に送られて三百万近く亡くなった。その反省から、教育が、これはアメリカの占領政策とちょうど合致した、反省から左へ針が吹っ飛んでしまって、それで戦後の教育は、日本の大事な歴史とか文化が全部破壊されて、家庭まで破壊された。だから、これはひとつ何とか早く取り戻してもらいたい。
 そういうことから見れば、本当は、せっかくこういう法律をお作りになったけど、こんなのなくてもみんなが、大は中小を思いやり、零細を思いやりして、それぞれが自分の分をわきまえてやればこんな法律要らないんだけど、今やアメリカの自由主義や民主主義が入って、こういう法律が要るようになった。だから、これについていろいろ議論はあったけど、法案もできて、衆議院も通って、これはこれでいいだろうと思います。ただ、運用については、ひとつ現場のいろんな実情や意見をよく考えて、あるいはよく見てもらって運用してもらいたい。
 以上をお願いします。

発言情報

speech_id: 118314080X00920130530_007

発言者: 清水信次

speaker_id: 28568

日付: 2013-05-30

院: 参議院

会議名: 経済産業委員会