高島泉の発言 (国際・地球環境・食糧問題に関する調査会)
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○政府参考人(高島泉君) よろしくお願いいたします。
厚生労働省から出している資料をお開きいただきたいと思います。
まず一ページですけれども、水道施設の整備状況でございます。ここでは、普及率と投資額の推移を入れておりますが、左側の図を見ていただきたいと思います。普及率につきましては、現在九七・五%ということで、高度成長期に伸びた結果として高水準な普及率になっております。
この中で、下の赤いところに囲ってありますけれども、上水道として九三・二%、それから簡易水道、これは給水人口が五千人以下の小規模の給水事業ですけれども、簡易水道で四%ということで九七・五でございます。で、残り二・五なんですけれども、このうちの、残っている部分の半分ぐらいは、やはり人里離れた山間部とか非常に孤立しているとかそういったところで水道整備が進んでいないというところと、あと残りの半分は、水道は行っているんですけれども、自分で井戸を使っていると、そういった形で水道事業を利用しない方がいるという状況でございます。
ここでは普及率を入れておりますが、整備状況といったときに、よく開発途上国等への援助等では上水道の漏水率とかそういった指標もございます。日本の水道の平均の漏水率は今七%ぐらい、東京都は三%ぐらいということで聞いておりますが、これは世界最高水準ということでございます。それからあと、供給している水道に対してどれだけ料金を徴収しているかというのも一つの指標になるんですけれども、この有収率というものについても日本は九割ということで世界の最高水準にございます。
それから、右側が今までの投資の状況でございますが、高度成長期とそれから平成十年前後の景気拡大の時期に投資が増えまして、総資産は現在四十六・七兆円ということで資産を抱えております。
次のページ、二ページをお願いします。
それから、更新における課題でございますが、水道管路の老朽化というのが進んでおります。管路の法定耐用年数は四十年ということでございまして、高度成長期に整備した水道管、これが更新時期を迎えてきております。この更新、現在それがどんどん増えておりまして、左の図でございますが、平成二十二年には七・八%まで耐用年数を超えた管路というのが増えてきております。右側は、そのうちどれだけ年々更新をしているかということですが、予算がなかなか増えないということもありまして、更新率が下がっているということでございます。
それからまた、次の三ページでございます。
そうした更新における課題として耐震化というものがございます。更新が進まないために耐震化が進んでいないという状況でございまして、この水道事業の中で一つ、大きな管路、基幹管路につきましては、左側にありますけれども、三二%と。これは、地震のときにこの配管のつなぎ目が揺れて外れないようにということが耐震化でございます。これが三割。それから、浄水施設、浄水場については二割弱、そして配水池につきましては四割と、こういった耐震化状況になっております。
それから四ページでございますが、こういった状況の中で一昨年、東日本大震災が起きたということで、このときの被害状況でございますが、総断水戸数が二百五十万戸ということで全国の二十分の一が断水したということでございます。
それで、下の文章の方にありますけれども、この中で、十九都道県で被災したわけですけれども、最も被害が大きかったのは茨城県ということで、県の中八〇%が断水したということでございます。これは地震による液状化による被害が非常に大きかったということでございまして、上水道事業の場合にはこういった液状化に対する備えというのが重要であるということで考えております。
それから五ページに行きまして、水道事業の経営状況でございます。
この中で書いてございますのは、水道事業における職員の数が減っているということと高齢化が進んでいるということでございます。水道事業は、各地域地域におきまして地方公営企業ということで、公営企業という形での運営がなされています。その中で、それを支えている人が高齢化、減少しているというのが非常に大きな問題になっているということでございます。
それから六ページでございます。
水道事業の経営状況ということで、上水道事業の全国マクロでトータルしたものでございます。この上の部分が毎年のフローのお金の流れですけれども、水道事業は基本的には、左側の上にあります料金収入を財源として運営をしていくというのが基本になっております。基本的には独立採算という形を取っておりますが、料金収入等につきましては二兆五千六百億、それからいろいろな補助もございまして五百五十九億入っておりますが、これを使いまして、右側にありますが、運転管理費用を出しております。その中で減価償却なりを行い、この真ん中にありますが、二千二百十六億という収益を上げております。
形としては黒字ということになっておりますが、この下のところで、このお金を使いまして、留保しながら設備投資をしております。この設備投資に四千百億を出しまして、いろいろ国庫補助もありまして、毎年九千二百億の設備投資をしていると思いますが、この設備投資で耐震化なり更新をしていくということですが、黒字ではありますけれども、ここの費用がなかなか出せないで、これ経営的には黒字を出していると、こういう状況と思っております。
それから、その次のページでございますが、水道事業の経営状況ということで、これは規模別の収支を書いております。左側のところで見ていただきますように、この五万人のところを境に、水をつくる費用とそれから売る費用、それを考えると、小規模のものについては費用が掛かっているということでございます。
それから、一番右のところには事業者数がありますが、簡易水道の事業というのが非常に事業者数としては多いと。ここは非常に小規模のところですから、経営的には大変厳しい状況のものが多いというところでございます。
そして、こういった状況を踏まえまして、八ページでございますが、今厚労省では新水道ビジョンというものの策定を考えております。これは十六年に作りました水道ビジョンの改定ということなんですが、東日本大震災、それから経営状況として、やはりこれから日本の人口が減っていくということで、給水人口が減るというのは非常に大きな、この水道事業を考える上で大きな課題となっています。こういった人が減る、収入が減る中でいかにしっかりした水道をやっていくかということで今ビジョンを策定中でございまして、この年度末にも策定する予定でございます。この中で、右の下にありますが、アセットマネジメントの徹底とか施設のレベルアップ、それから広域化、官民連携ということをうたうことにしております。
それで、そのアセットマネジメントなんですが、九ページに考え方を書いてございます。この水道事業というのは、やはり装置を抱えて固定費が非常に掛かる産業でございます。その中で、人が減る、それから、人が減って給水人口が減ってきて収入が減るという中で、いかに将来の更新需要、それから更新時期を考え、あと料金を考え、施設全体を運営していくかというのが非常に大きな課題になっております。こういった資産管理の考え方の下に適正な企業経営をやっていただきたいと、こういうふうに考えております。
それから、十ページが、予算を付けておりますが、今年度の予算としては補正を合わせまして五百四十二億という数字で要求をしてございます。
それで、一番最後のところなんですが、基本的には更新ということで、今ある古くなった施設を耐震化を含めて更新していくわけでございますが、新たなニーズとして、安心できる水ということもございます。
昨年の五月に、利根川の上流から流れ出ました化学物質が、下流の浄水場のところでホルムアルデヒドが出て給水ができなかったという事態が生じています。こういうものに対応するものとして、高度浄水処理という取組が水質の管理のために必要になってきております。こういった新たなニーズも含めながら、今後新たな施設の更新なり設備投資をしていかなければならないと、こういうふうに考えております。
以上でございます。