正木靖の発言 (国際・地球環境・食糧問題に関する調査会)
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○政府参考人(正木靖君) 正木でございます。よろしくお願いいたします。
外務省、本件いろいろな側面からのかかわりがあるんですが、本日は、この水源林保全問題の特に二国間の条約あるいはWTOのような多国間の国際ルールとの関係ということで御説明をさせていただきます。配付資料は両面印刷で恐縮でございますが、外務省経済局という名の書いてある、「外国人による土地取得と国際約束との関係」という資料を御覧いただければと思います。
外国人による土地取得というものと国際ルールとの関係を考えますと、存在する国際ルールから考えますと二つの側面があるかと思います。最初のところに書きましたように、サービスを提供するための土地取得、これは土地を取得した上で何らかのサービスを行う、例えば水資源を利用するために土地取得をするという行為などはこちらのサービスを提供するための土地取得に該当すると思われますが、こういったものに対するルール。それからもう一つは、単に投資をするために土地を取得する、その二つの側面がございますので、それぞれにつきまして、ルールとの関係というものを御説明させていただきます。
まず一つ目の冒頭申し上げましたサービス、もう一度繰り返しになりますが、何らかのサービスを提供するために土地を取得する場合には次のような日本が関係する国際約束がございます。
(1)がWTOサービス貿易に関する一般協定、GATSというふうに呼ばれておりますが、こちらはWTO、世界貿易機関、一番多い国が入っている貿易に関するルールでございますが、注一というところを御覧いただきますと、現在百五十七、実はこの資料を提出した後、二月二日にラオスが新たに加盟しましたので現在百五十八でございます。訂正させていただきます、失礼いたしました。入っておりますが、当然のことながら中国、韓国なども含まれております。
このWTOの中に今申し上げましたWTOサービス貿易に関する一般協定、GATSというものがございます。この中で、今の土地取得がどのように決められているかということを御説明いたしますと、このGATSというのは一九九五年に発効いたしましたサービス貿易、いろいろなサービスについての貿易を規律する協定でございますが、加盟国がほかの外国のサービス提供者などに最恵国待遇あるいは内国民待遇などを与えることについて規定しております。
これがどういうことなのかということを御説明しますと、まず、最恵国待遇と申し上げますのは、この加盟国のサービス提供者などに対し、ほかの加盟国のサービス提供者と同等の待遇を与えると、言わば外国の当事者間の平等を保障する義務を負うということでございます。これにつきましては、日本は全てのサービス分野につきまして何の留保も行っておりません。したがいまして、この外国の当事者間の間での平等は保障しなければならないという義務を負っております。
もう一つが内国民待遇、こちらの方は自分の国民と同等の待遇を与えるという義務でございまして、外国の当事者と日本の当事者との間の平等を保障しているということでございますが、こちらについても日本は外国人などがサービス提供に際して土地取得に関する部分については何らの留保も行っておりません。もちろん、この協定には、二つ目の黒丸を御覧いただきますと、例外規定というものがございます。例えば第十四条という一般的な例外、これは公の秩序維持、生命、健康保護などというような例外がございますが、それに加えまして、安全保障上の理由のための例外、例えば軍事施設のためのサービスを提供するため、そういったものについては例外規定というものがございますが、これはあくまで例外でございまして、実際に適用される場合には非常に限定的な条件であるということは留意する必要があります。
ちなみに、今までこの例外に基づいて通報が行われた例は一件だけございまして、中南米のニカラグアという国が一度、カリブ海におけるホンジュラス、コロンビアのサービス提供に対して規制を掛けるためにこの例外を適用したケースが一件だけございます。
それから、最後の黒丸になりますけれど、もし今、日本が約束をしているような、御説明したような内国民待遇の免除などを含め新たな約束の修正とか変更をする場合には、影響を受ける加盟国からの要請に応じ、必要な補償的な調整、例えばほかの分野で自由化をするなどなどの交渉が必要になります。また、新たに留保等最恵国待遇の免除登録を行うには、WTOの閣僚レベルでの会議での四分の三による、多数による決定が必要となります。
ページをめくって、裏面を御覧ください。
それから、サービス、もう一つ、これは経済連携協定、EPAと呼ばれているものですが、日本がいろいろな国と結んでいる中で、こういった協定の中に実はサービス貿易章という部分がございまして、その中で、やはり内国民待遇、最恵国待遇、先ほど御説明した二つの義務については、外国人などの土地取得に関して特段の制限、条件又は留保をしておりません。
ちなみに、今まで結んでおる経済連携協定の中で、こういったサービス貿易章があるものは、注に掲げてあるシンガポール以下の国でございます。当然、この協定の中でも先ほど御説明しましたものと同じような例外規定というものがございます。
以上が、サービスを提供するための土地取得という観点からの国際ルールでございます。
もう一つは、冒頭申し上げました、単に投資のための土地取得ということになりますと、二つ目ございますように、投資協定あるいは先ほどのEPA協定の中でも投資に関する部分の規律が適用にございます。
こちらの方は、最初の黒丸を御覧いただくと分かりますように、最近締結しました二国間の投資協定あるいは経済連携協定の投資章においては、多くの場合は、日本は相手国の国民などに対して、日本の土地取得に関して内国民待遇義務には、相互主義ですね、相手が同じような自由を保障するという条件で与えるという留保をしております。
それから、日韓の投資協定及び日・メキシコのEPAの投資章においては、投資の自由化をより推進しようという立場から、今申し上げましたようなこととの関係では、より進んで、相手国の投資家による我が国の土地取得については、特段の制限を課すことなく、内国民待遇、すなわち日本人と同様に扱うという規定をしております。これらの二つの協定におきましても、当然のことながら、安全保障例外あるいは一般例外という例外規定というのは設けられておりますが、先ほどの説明と重複いたしますが、こういった例外規定は、適用するに当たっては、当然のことながら限定的な状況にならざるを得ないということでございます。
参考までに、今申し上げました投資の協定というものをどういった国とやっているかというものを参考のところに二種類書かせていただいております。
以上でございます。