岡久宏史の発言 (国際・地球環境・食糧問題に関する調査会)

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○政府参考人(岡久宏史君) それでは、国土交通省より、下水道整備等の水分野における国際協力について御説明をさせていただきます。
 お手元の資料で、下水道分野の国際展開についてという資料を御覧いただきたいと思います。
 まず一ページ目でございますが、現在、下水道におきましても国際展開を進めておりますけれども、その社会的な背景としまして大きく二つございます。
 一ページを御覧いただきますと、まず一つは、この水と衛生分野での国際貢献ということでございまして、国連のミレニアム開発目標というのがございます。これは劣悪な水と衛生状況の改善を国際的に行うと、こういうものでございますが、この中に、安全な飲料水を継続的に利用できない人口が、これ一九九〇年でありますが、世界で二二%ある、それから、トイレなどの衛生施設を継続的に利用できない人口の割合が五一%あるということでございまして、これを二〇一五年までに半減をするという目標を立てておりまして、これが今国際的に取り組まれているということであります。
 それからもう一つは、右の方でありますが、巨大な世界水ビジネス市場がございます。表の中の赤い点線で囲っているところがございますが、これは下水道に関連したところでございまして、この数字、これ二〇二五年までにどれぐらいの市場があるかということでありますが、合計のところを御覧いただきますと、約三十七兆円の市場があるというふうに言われております。
 このような社会的背景がございまして、我が国といたしましては、高度経済成長期に公害問題に直面をしておりましたが、その公害問題を短期間で解決した技術、ノウハウというのを有しておりますので、この技術、ノウハウを活用して世界の衛生問題の解決、あるいは水ビジネス市場の成長の取り込み、こういうのを目指しているところであります。
 二ページ目を御覧いただきたいと思いますが、下水道として我が国が世界に貢献できる分野はどういうものがあるかということをまとめてございます。
 下水道はほかのインフラとは異なっておりまして、施設建設とか、あと資源利用、そういう様々な分野での貢献が可能でございます。
 まず一つ目は建設ということでありますが、これはまさしく汚水処理施設の整備でありますとか都市浸水対策などに貢献ができるものであります。それから、下水道が持つ資源の利用ということで、新たな水資源の提供でありますとか、省エネあるいは創エネ、そういうものに貢献ができます。それからもう一つ、老朽化対策であります。つまり、既に下水道施設を建設しておられる国において、その後、持続可能な下水道サービス、それの維持をしていかなきゃいけませんが、それに貢献ができるということで、このような分野での貢献が可能というふうに考えているところでございます。
 次の三ページ御覧いただきますと、では、どのような戦略を持って下水道分野の海外展開を図っているかということでありますが、大きく六つの戦略を持って今対応しているところであります。
 一つ目は、行政間の協力関係の強化ということでありまして、相手国の中央の政府間、あるいは地方政府間での協力体制の構築を進めております。また、トップセールス等を通じてプロジェクトのセールスも行っているということであります。そこにベトナムの例を挙げておりますが、ベトナムでは、まずやはり国と国とで協定を結んで、具体的には地方公共団体が相手国の公共団体とプロジェクト形成を図っていく、こういうことを進めております。
 それから、二つ目でありますが、下水道事業全体をパッケージとして事業展開をしようということでございまして、施設の建設だけではなくて計画から始めて、設計、運営管理、そういうものを全部含めたパッケージとして事業を展開をしたいという戦略を持っております。
 それから、四ページでありますが、三つ目としまして、官民が連携した取組ということであります。これは、官民がそれぞれのノウハウを生かして互いに連携をした上でプロジェクトを実施しようというものでありまして、官民それぞれ得意分野がございます。官の方では、法制度だとか財政制度、あるいは下水道事業の運営管理のノウハウというものがございますし、民の方は、相手国における政策的課題を解決するために幅広いビジネスノウハウを持っておりますし、有用な技術とかあるいは資金調達の面でいろいろ協力ができる、こういうことでありますので、お互いの得意分野を互いに連結をして取り組もうというふうな形で進めております。
 それから、四つ目が、国際標準化を活用した海外展開戦略ということでございまして、これも非常に重要な戦略だと思っております。
 我が国の優位な技術がいろいろあるんですが、それを確固たるものとして海外に展開するために、戦略的に国際標準化活動を実施をしております。
 一つは、国際標準化機構、ISOの規格。例えば、そこに例を挙げてございますが、下水再生水のかんがい利用だとか上下水道のサービス、そういう規格策定の活動に今積極的に参画をしております。それから、アジア諸国と連携して規格を策定しようということをやっておりますし、また、二国間、インドネシアと今、再生水の水質基準の検討をしているんですが、こういう二国間で標準規格を決めていこう、こういうことも実施をしている次第であります。
 それから、五ページでございます。
 五つ目としまして、優れた技術の提供とそういう技術の強化を図っていこうということであります。我が国の誇る下水道技術の例を挙げてございますが、一つは膜処理技術に代表される高度処理技術とか、それからあと、資源・エネルギーを再生する技術、それから、こういう管渠の非開削、いわゆる開削をしないで管渠を造る技術、それから、こういう簡単なユニット型の水処理技術、こういうのを持っておりまして、こういう優れた技術を今後提供できるということでありますし、そこの下に下水道革新的技術実証事業の実施と書いてありますが、これは最新の技術を実規模レベルで活用できるようにしようということで、これは実は国の方が中心になってこういう実証事業というのもやっております。
 それから、最後の六つ目が人材育成でありまして、こちらは、セミナーを開催をしたり、それから我が国の技術の施工を相手国に行ってデモ施工を実施をしたり、あるいは国内に研修に来ていただいた方にいろいろショーケース的な施設を視察していただいて我が国の技術を見ていただく、そんな対応も実施をしているところであります。
 六ページが主な取組状況を取りまとめてございます。
 ここにありますように、いろいろな国々で様々な協力を実施しております。例えばベトナムを御覧いただきますと、ベトナム国とは技術の覚書を政府間で結んでおりまして、北九州市でありますとか大阪市、あるいは神戸市と協力をしながら定期的な政府間協議を開催をしたり、先ほど言いました管渠の推進工法の研修を行ったり、それからホーチミン市で浸水対策、あるいはフーコック島、これ観光の名所なんですが、上下水道整備、そういうのに取り組んでおりまして、そのほか、インド、インドネシア、サウジアラビア、南アフリカ、マレーシア、ブルガリアと、こういうところでいろんな取組を実施をしているところであります。
 次の七ページでありますが、今御説明しましたいろいろなプロジェクトを世界地図に落としておきました。御参照いただければと思います。
 それからあと、参考までに、八ページにはアジアでの下水処理場整備の実績の例をお付けしてございます。
 それから、次の九ページには、MBR、下水の膜処理技術の海外展開の実績例であります。
 それから、十ページが下水道管渠の推進工法の海外展開の実施例。
 それから最後に、管渠の更生工法といいまして、老朽管渠をリハビリをする工法の実績例を挙げておきました。御参照にしていただければと思います。
 説明は以上でございます。

発言情報

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発言者: 岡久宏史

speaker_id: 7334

日付: 2013-03-13

院: 参議院

会議名: 国際・地球環境・食糧問題に関する調査会