西村康稔の発言 (国民生活・経済・社会保障に関する調査会)
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○副大臣(西村康稔君) 内閣府副大臣の西村康稔でございます。
それでは、座ったままでございますけれども、緊急経済対策等による経済財政運営の基本方針について、私から説明をさせていただきます。
お手元に資料をお配りをいたしております。内閣官房・内閣府、今日の日付が付いております。国民生活・経済・社会保障調査会提出資料という資料、横書きで、横紙でございます。その二ページをお開きをいただければと思います。
まず、先月閣議決定をいたしました緊急経済対策につきまして御説明を申し上げます。
この本対策の特徴、上のところにございます、申し上げたいと思います。日本経済再生のため、長引く円高・デフレ不況から脱却をし、雇用と所得が拡大する力強い経済を目指すということでありまして、このために三本の矢という言い方をよくしておりますけれども、大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略、この三つの矢を一体として実行してまいります。
本対策は、そのための政策パッケージの第一弾でございます。景気の底割れを回避し、持続的成長を生み出す成長戦略につなげるために、補正予算措置のみならず、あらゆる政策を動員をしております。日本経済再生本部と経済財政諮問会議を司令塔といたしまして、府省の壁を越えて、スピード感を持って間断なく政策を実現、実行していく所存でございます。
本対策における日本経済再生に向けての考え方といたしましては、下のところにありますけれども、三つの柱がございます。
まず、復興の加速を最優先をしまして、それと同時に事前防災、減災のための国土強靱化を進めてまいります。また、機動的な経済財政運営のために、二つ目のところですけれども、いわゆる十五か月予算との考え方で補正予算と二十五年度予算を合わせて、切れ目のない経済対策を実行してまいります。また、政府と日本銀行の連携を強化し、日本銀行が大胆な金融緩和を推進することを期待しております。物価目標については、日本銀行が一月二十二日に二%の物価安定目標を設定し、これをできるだけ早期に実現することを目指すとしたところであります。貿易立国と産業投資立国の双発型エンジンが互いに相乗効果を発揮する、いわゆるハイブリッド型、ハイブリッド経済立国を目指すなど、成長のための戦略を実行、実現してまいります。
三ページ目を見ていただきますと具体的施策が並んでおりますけれども、ポイントだけ申し上げたいと思います。
三つの柱がありますけれども、一つ目が、復興・防災対策として、東日本大震災の被災地の復興を加速させることを最優先するとともに、全国各地のインフラについて、命と暮らしを守るために緊急に必要とされるものを厳選し、老朽化対策、事前防災・減災対策を適切に行ってまいります。
二つ目の、成長による富の創出として、先端設備投資の補助など将来の成長を先取りする分野への投資やイノベーションの促進を強力に進めると同時に、企業の海外展開の支援、ものづくりを行う中小企業支援、人材育成、雇用対策など、日本経済の成長力を強化する施策を盛り込んでおります。
三つ目の、右側のところですけれども、暮らしの安心、地域活性化として、暮らしの安心確保のため、子育て支援のための保育士の人材確保、あるいは通学路の安全対策、こうしたことを行うと同時に、地域活性化を図るために、観光振興、農業の体質強化、地方都市のリノベーション、コンパクトシティーの推進などの取組を盛り込んでおります。
また、潜在力の発揮を可能とする規制改革や為替市場の安定に対する施策も盛り込んでおります。
四ページ目を御覧いただきますと、本対策の規模と効果でございますけれども、規模は、財政支出、国の支出が十・三兆円程度、地方、民間の負担も合わせた全体の規模を表す事業規模は二十・二兆円程度であります。
また、この予算措置による経済効果を現時点で機械的に計算をするわけでありますけれども、押し上げの効果、実質GDP押し上げ効果はおおむね二%、雇用創出効果は六十万人程度と試算をしております。このほか、本対策に盛り込まれました規制改革、税制改正、金融資本市場の活性化等の施策やイノベーション促進、研究開発を始めとする成長戦略がこれから具体化をしていくわけですけれども、それによって民間投資や消費が喚起をされ、競争力の強化、所得、雇用の増大に伴う経済成長を期待しているところでございます。
緊急経済対策の説明は以上でございます。
続きまして、五ページ、白いところに表紙がありますが、我が国経済の持続可能性につきまして、基本的な考え方についてお話をしたいと思います。
六ページのところにありますけれども、中期的な経済財政運営の基本的な考え方でありますけれども、安倍内閣におきましては、そこにありますように、強い経済の再生なくして財政の再建も日本の将来もないという考え方に立ちまして、先ほど申し上げた三本の矢、大胆な金融政策、そして機動的な財政政策、それから民間投資を喚起する成長戦略というこの三本の矢を一体として実行していくこととしております。
また、中期的には、二つ目の丸のところですけれども、企業の積極的な投資が雇用と所得を拡大するという好循環を実現すると同時に、あわせて、財政再建の意思をしっかりと示していくということが重要と考えておりまして、経済再生と持続可能な財政構造の双方を実現する道筋につきまして、今後、経済財政諮問会議で検討を進めてまいることにしております。
七ページを御覧いただきまして、この持続的な経済成長を実現していくための取組といたしまして、そこにありますように、あるべき社会像として、世界中から投資や人材を引き付け、若者もお年寄りも、年齢や障害の有無にかかわらず、全ての人々が生きがいを感じ、何度でもチャンスが与えられる社会、また、働く女性が自らのキャリアを築き、男女が共に仕事と子育てを容易に両立できる社会、中小企業、小規模な事業者が躍動して、農山漁村の豊かな資源が成長の糧となる、そうした地域の魅力があふれる社会、こうしたあるべき社会像を確かな成長戦略に結び付けることによって強い経済を取り戻してまいりたい、こういう方針でございます。
財政につきまして、次の丸ですけれども、平成二十五年度予算編成の基本方針におきまして、二〇一五年度までに国と地方のプライマリーバランスの赤字を対GDP比二〇一〇年度の水準から半減をする、また二〇二〇年度までにそれを黒字化するという財政健全化目標を実現する必要があるとしております。平成二十五年度予算におきましては、財政健全化目標、この目標を踏まえまして、公債発行額をできるだけ抑制するということにしておりまして、税収額よりも国債発行額を少なくしたところでありますけれども、中長期的に持続可能な財政構造を実現していくこととしております。
八ページを御覧いただきますと、これまでの平均成長率と潜在成長率の数字等がございます。御案内のとおり九〇年代に入りましてバブル経済が崩壊をいたしまして、九〇年代以降は物価が下落、いわゆるGDPデフレーターでありますけれども、下落基調にあると。その中で実質GDPの成長率も更に低下をしております。
潜在成長率は経済全体の平均的な供給能力の成長経路を示す指標でありますけれども、九〇年代以降に潜在成長率が低下した要因を見ますと、労働時間の短縮、それからそもそもの労働力人口の減少、こうしたものを背景とした労働投入の減少、それから資本投入の伸びの鈍化、投資が少なかったわけでありますけれども、それからTFP、いわゆる生産性でありますけれども、全要素生産性の上昇率の低下が大きく寄与しておりまして、全体として低いものになっております。
こうした要因を背景としまして、近年の我が国の潜在成長率は一%を下回る、二〇〇〇年代後半は〇・六と出ておりますけれども、そういう数字になってきておりまして、今後、持続的な経済成長を生み出していくために、若者、女性、高齢者の労働参加率の向上等を通じて労働投入の減少に歯止めを掛けるということと同時に、大胆な規制改革やイノベーション、IT政策の立て直し等によって生産性の向上をもたらして、生産性の向上が新たな民間投資を促進するという好循環を確立することが必要と考えております。
日本経済は成長するという確かな期待を持てるような成長戦略を今年の夏までに取りまとめる予定にしておりまして、戦略の進捗とフォローアップを徹底し、政府が戦略の実行にしっかりとコミットすることによって持続的な成長の実現を図ってまいりたいと考えております。
最後に、九ページを御覧いただきますと、各国の財政比較がございます。
左側の基礎的財政収支、対名目GDP比でありますけれども、これを御覧いただきますと、九〇年代後半に財政収支を改善をさせてきたほかの国、他の主要国とは対照的に、二〇〇〇年代の初めの時点において、日本は対GDP比で見まして大幅な赤字を計上しておりました。その後、我が国の基礎的財政収支は改善傾向にあったわけですけれども、残念ながら二〇〇八年のリーマン・ショック以降の世界金融危機の影響によりまして、足下では再び悪化をしておるという状況であります。
右側の債務残高、対GDP比を御覧いただきますと、基礎的財政収支が改善傾向にあった二〇〇〇年代半ばに増加ペースが一旦緩やかになりましたものの、世界金融危機以降再び増加傾向を強めまして、債務残高、対GDP比は、主要先進国と比較をいたしましても際立って高いという状況が続いております。
このように我が国の財政は極めて厳しい状況にあり、今後債務残高が増大し続けた場合、国債費の増加による政策の自由度の低下など、様々な要因を通じて我が国の経済や国民生活に重大な影響を与えかねないわけであります。財政健全化の取組は極めて重要でありまして、中長期的に持続可能な財政構造を実現し、我が国財政に対する信認を確保することが必要というふうに考えております。
私からの説明は以上でございます。ありがとうございました。