ツルネンマルテイの発言 (本会議)

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○ツルネンマルテイ君 民主党のツルネンマルテイです。
 私は、民主党・新緑風会を代表して、安倍総理の所信表明に対し、質問させていただきます。
 私が安倍総理に質問するのは今回で二回目です。一回目は、第一次安倍内閣のとき、平成十九年五月二十二日でした。外交防衛委員会で、日米同盟について質問させていただきました。国民の安全を守ることは極めて重要なことであり、その責任を果たすためには、外交と専守防衛は欠かせない手段であります。
 私の母国フィンランドには徴兵制があり、私も来日する前には一年間徴兵の義務を果たしました。ですから、自分の経験でも、国を守ることの重要性を分かっているつもりです。
 そこで、まず防衛についてお聞きします。
 自民党は、昨年春にまとめた憲法改正草案で、自衛隊を国防軍とするとしています。国の防衛は自衛隊のままでも十分果たせると私は思いますが、なぜ国防軍に変える必要があるのですか。総理は国民に分かりやすく説明してください。
 次に、原発のない世界の実現の可能性について伺います。
 世界から全ての原発がなくなること、これが私の夢です。その夢に一歩近づくためには、まず日本が率先して原発のない社会を実現すべきです。すなわち、日本からエネルギー革命を引き起こすことです。これは決して実現不可能な夢ではありません。
 一昨年の原発事故の後、大半の国民が原発のない日本を理想としています。さらに、原発に代わるエネルギー源が既に多く開発されています。また、新しいエネルギー源の開発も早いスピードで進んでいます。ですから、国家プロジェクトとして、再生可能エネルギーと他の国産のエネルギーを増やせば、国民も電気料金などが当面少し高くなってもこの目標を達成するためには協力してくださるはずです。
 しかし、この目標への道のりは簡単ではありません。
 民主党政権では、原発ゼロ社会の実現をするためには乗り越えるべき課題を十一項目挙げていました。すなわち、省エネルギーへの大胆な取組、再生可能エネルギーの飛躍的導入、化石エネルギー、電気料金、電力システムの改革、経済、雇用への影響、原発技術・人材の確保、国際機関、米国との関係、核燃料サイクル、最終処分、原発立地地域、地球温暖化、以上のような課題を解決しながら、民主党政権では二〇三〇年代の原発ゼロの実現に向けてのロードマップができました。
 しかし、民主党が野党になった現在、同じ目標を目指している他の政党の協力が以前にも増して不可欠になっています。しかし、原発ゼロの先には夢の社会を展望できます。
 安倍総理は、原発ゼロ社会は少なくとも近い将来実現不可能な夢であると考えているようですが、もっと遠い将来の夢として可能かどうかについて、率直な見解を聞かせてください。
 民主党政権では、原発ゼロ社会実現のためには再生可能エネルギーの割合を二〇三〇年までには三〇%に上げることを挙げていました。
 御存じのように、日本では、水力を含めた再生可能エネルギーの割合は一〇%弱しかありません。しかし、それを二〇三〇年までには三〇%に上げることは可能であると思います。
 ドイツでは、再生可能エネルギーの割合を二〇三〇年までには何と八〇%に上げる計画を立てています。ドイツでできることは、日本でもできるはずです。また、原発推進のフィンランドでも三〇%の割合を目指しています。
 原発が二基しか稼働していない現状では、日本の電力の九割を化石エネルギーに依存しています。一日も早くこの状況を脱却するためにも、再生可能エネルギーの普及に努めなければならないと思います。
 自公政権では、いつまで、どの割合まで普及することを目指しているのか、総理に伺います。
 次に、再生可能エネルギーの中でも地熱発電の普及について伺います。
 日本はもっと地熱発電の活用をするべきだ、これは米国の環境学者レスター・ブラウン氏の提言です。ブラウン氏の提言の背景には、地熱発電に対する日本の消極的な姿勢があります。日本国内には現在十八か所の地熱発電所がありますが、年間発電量の〇・二%を賄っているにすぎません。
 地熱発電が普及しない理由としては、地熱資源の八割が国立公園内に存在していることや、温泉所有の観光業者らが強く反対していることが挙げられますが、それでも、世界有数の地熱資源大国でありながらその利用が滞っているということは、誠にもったいない話です。
 ちなみに、地熱発電のCO2排出量は火力発電のおよそ二十分の一であり、環境に優しいエネルギーです。専門家の推定では、日本で開発可能な地熱エネルギー量は年間二千三百四十七万キロワットで、全電力の八・六%を賄うことができ、更に深部の地熱資源を利用できる技術を開発すれば二二・七%に上がります。
 地熱発電は、太陽光発電や風力とともに純国産のエネルギーであり、なおかつ枯渇の心配もないので、もっと積極的に普及させていくべきエネルギーです。
 安倍総理は、地熱発電普及に関する御所見を聞かせてください。
 次に、世界的にも注目されているメタンハイドレートについて伺います。
 日本近辺の海底に眠っている資源の一つは、メタンハイドレートがあります。メタンハイドレートとは、メタンを中心にして周囲を水分子が囲んだ形になっている包接水和物のことです。氷結した状態で存在するので、燃える氷とも呼ばれています。メタンは、石油や石炭に比べて燃焼のときのCO2排出量がおよそ半分であるために、地球温暖化対策としても有効な新エネルギー源であると言われています。ただ、メタンハイドレートは、化石エネルギーの一種なので、再生可能エネルギーではありません。
 次世代のエネルギー源として注目されるメタンハイドレートが、日本近海の広い範囲で、しかも極めて浅いところで見付かったことで、比較的に容易に採掘でき、経済的にも回収できる可能性が出てきました。最近発見されたのは、北海道網走市沖のオホーツク海、さらに、秋田、山形、新潟各県の日本海の海底で、沖合三十キロから五十キロ程度の場所で、日本の排他的経済水域範囲内です。
 先ほどの地熱発電を含め、太陽光、風力、バイオマスなどの再生可能エネルギーの普及を進めていかなくてはなりませんが、エネルギーの大半を賄うまでには時間が掛かります。そこで、新しい国産のエネルギー源としてはメタンハイドレートが注目を浴びています。資源の乏しい日本にとって、メタンハイドレートは未来のエネルギー源として、また国産の化石エネルギーとして期待されるエネルギー源であります。
 メタンハイドレートは、国産のエネルギー源である上、技術面でも商業生産が可能になりつつあるため、原発のような不自然なエネルギーにしがみつくことはもはや時代遅れのことであると思うのは、私だけではないと思います。
 安倍総理に、メタンハイドレートの可能性について見解を求めます。
 次に、TPPについて伺います。
 TPP、すなわち環太平洋連携協定の参加の是非について、民主党でも自民党でも賛否が大きく分かれていることは事実です。安倍政権にとっては、参加の是非を決めるのは難しい課題であるはずです。
 JAを始め農業関係団体のほとんどが参加阻止に懸命のようです。農業や食料の保護にかかわっている団体のみでなく、医療、保険、金融などの分野でも参加のデメリットを懸念する声が極めて大きくなっています。私自身も、超党派の多くの議員たちとともに参加すべきでないと考えています。
 さらに、一般国民の中でもTPP参加へのメリットやデメリットが今になっても分かっていない人が多くいます。その大きな理由の一つは、参加条件が公開されていないことにあると思います。
 一方、十分な情報がないままでも経済界のリーダーたちが参加を強く要求しているし、アメリカからの参加要望も強く促されています。
 全品目の関税撤廃がTPPの原則でありますが、自民党は衆議院選挙の公約では、聖域なき関税撤廃を前提にする限り交渉参加に反対するという方針を打ち出していますが、それはTPPの原則と大きな隔たりがあります。
 安倍総理は、目下の状況ではTPPへの参加をどのように考えているか、伺います。
 次に、食品リサイクルについて伺います。
 平成二十一年度の推計によれば、我が国においては年間千七百八十八万トンに上る食品由来の廃棄物が排出されており、そのうち事業系廃棄物が七百五十六万トン、家庭系廃棄物が千三十二万トンとなっております。このうち、廃棄物の飼料化や肥料化、エネルギー利用などへの再生利用については、事業廃棄物では三百二十三万トンが振り向けられて四割を超える水準となっております。家庭系廃棄物では五十八万トンと一割にも満たない状況です。
 本年は、改正法施行後五年を経過し、政府においては施行状況の検証と法の見直しが検討されていると伺っております。食品廃棄物の再生利用については、焼却処分の方がコスト的には安価であるとか、現場の市町村では廃棄物処理部局とリサイクル部局との連携不足があるなどと指摘されております。
 そういった課題の解消とともに、食品廃棄物の過半を占める家庭系廃棄物のリサイクル率を上げていかなければ、食品リサイクルの向上は望めません。このため、これまで余りにも進められてこなかった家庭系廃棄物の再生利用を円滑に促進していく手法を、法整備も含めて検討していくべきであると考えます。
 これまでの家庭系廃棄物の再生利用の具体的な取組について伺うとともに、今後、国としてはどのような取組を進めようと考えているのか、環境大臣の所見を伺います。
 最後に、有機農業について伺います。
 有機農業については、私もかかわり、平成十八年、議員立法により有機農業の推進に関する法律が成立し、翌十九年には、同法律に基づき有機農業の推進に関する基本的な方針が制定されました。これにより、有機農業という栽培手法が農業関係者のみならず国民にも認識されたものと喜んでおります。
 有機農産物に取り組む農家数は、十八年度八千七百六十四から二十二年度の一万一千八百五十九と堅調に増えておりますが、国内の全ての農産物の生産量のうち、有機農産物の占める割合は二十二年度では一%にも満たないという課題もあります。
 環境及び生態系に優しい有機農業や環境保全型農業は、今後は更に拡大していくべきものと考えます。既に我が国も有機農産物に関し有機JAS規格を設けて表示制度を導入しておりますが、諸外国に目を転じれば、韓国では親環境農産物、中国でも有機食品、緑色食品としてその生産に力を入れております。ヨーロッパの多くの国でも有機農産物の割合が一〇%を超えています。有機農産物の輸入品に関しては競争力を確保していく必要がありますが、新政権では攻めの農業を標榜されており、有機農業の推進はこの実現に向けて大きな手段となります。
 十八年の法成立以来六年が経過し、これを契機に有機農業の推進体制の強化や施策の拡充を求める声が上がっています。法律第三条の基本理念には、有機農業の推進は、有機農業が農業の自然循環機能を大きく増進し、かつ、農業生産に由来する環境への負荷を低減するものであることに鑑み、農業者が容易にこれに従事することができるようにすることを旨として、行われなければならないとされております。
 なお、全国農業会議所が開催した就農相談会でのアンケートでは、およそ三割の就農予定者が有機農業を希望しているとの調査もあります。
 こうしたことを踏まえて、国としても有機農業をこれまで以上に推進していくため、基本方針の見直しや支援体制、施策の充実を図るべきではないでしょうか。農林水産大臣の見解を伺います。
 フィンランド語にはルオムという言葉があります。ルオムとは、自然に従う生き方、自然に従う農法という意味です。原発を使わないエネルギー、農薬を使わない農業、そういった社会で日本人が一刻も早く自然に従う生き方、ルオム的生き方ができることを祈って、私の質問を終わりにします。(拍手)
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 118315254X00320130201_021

発言者: ツルネンマルテイ

speaker_id: 15246

日付: 2013-02-01

院: 参議院

会議名: 本会議