武見敬三の発言 (予算委員会)
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○武見敬三君 日本という国も実際に厄介な時代状況に直面するようになりました。
まずは、外務大臣にお聞きしたいと思います。
この国、諸般の事情を見ていると、やはりあたかも十九世紀、富国強兵、軍事力強化というようなことに邁進するような国がまだあって、そして引き続き二十世紀型のパワーポリティクスでその軍事力を強化して、そしてその影響力の拡大を図ろうとするような、そういう国がいたり、あるいは、ミサイルを発射して、そして近隣諸国に脅威を与えてその代償を得ようとするような国があったり、誠にもって古くさいタイプの国際政治にもきちんと対処しなければ、我が国というものの国民の生命とそして主権国家としての領土が守れない。そのためには、今後、我が国が、集団的自衛権の解釈、これを改めて変更したり、あるいは、今後一定程度はその軍事力を強化するということもやむを得ない状況になってくるということを私はおおよそ予測はしております。
しかし、他方で、この二十一世紀という国際社会は、人、物、金、情報というものが国境を越えて行き交っている。そして、相互依存関係がどんどんどんどん膨れ上がって、それによって国境を越えた共通の問題というものが噴出する世紀になってきた。これはもう保健医療であれば鳥インフルエンザ、こんなものはまさに国境を越えてどんどん飛んできちゃうわけで、これは国同士が協力して解決しなきゃ解決できない。エネルギー資源もそうでしょう。そして、環境といったような問題、これもみんなそういう国際社会共通の課題です。
こういった国際社会共通の課題というものをきちんと解決をして、まず自国内で、そして自国内できちんと解決をした上でそれを国際社会の共通課題としてほかの国とともに国際社会の中にそれを解決するルールを作って、そして一緒になって解決するイニシアチブを取れる国が、二十一世紀になりますと新しいその分野における影響力のある国として台頭するという時代に入りました。これは二十一世紀型の新しいパワーポリティクスです、実は。
そして、日本は、そういう国際社会共通課題についてほかの国に比べて比較優位な分野がたくさんあります。しかし、それは今まで国内の問題としてしか扱われてこなかったけど、そういった問題を解決する能力を国際的に解決するために新たに外交的に活用できるようにしますと、日本は確実にこの二十一世紀型のパワーポリティクスの中で幾つもの分野で影響力のある国となれて、その結果として自国の影響力を確実に拡大することができます。
こうした形で、二十世紀型の古くさい地政学的な対応もきちんとやりながらこういう二十一世紀型のパワーポリティクスにもしっかりと対応していく、そしてその組合せの中で日本という国の懐の深いそうした外交を組み立てていくことが、日本という国がこれから生き延び、かつまた繁栄していくための基本だろうと思います。
しかも、このような国際社会共通課題を解決するということの基本理念として、我が国は小渕内閣以来、人間の安全保障という考え方を一つの考え方としてとらえて、そしてそれを踏まえた形で、ある意味での未来志向の現実的な平和主義として我が国のそうした考え方を具体的に展開していく。二十一世紀型のパワーポリティクスではありますけれども、しかしそれは同時に、我が国にとってみれば未来志向の平和主義に基づいた、そして普遍的なきちんとした価値に基づいたそうした外交として国際社会の中でも評価され、そして我が国の影響力は確実に広がっていく。他方で、二十世紀型のパワーポリティクスで影響力を拡張しようという国に対する評価は、二十一世紀は確実に落ち、そして我が国と対比された場合に明らかに我が国は優位な体制を国際政治上確保することができます。
私はこういうふうな考え方を持っておるのでありますが、外務大臣の所見をお伺いしたいと思います。