前川清成の発言 (予算委員会)

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○前川清成君 総理、若干論点がかみ合っていないと思います。私も憲法改正に当たって国民投票を否定するつもりはありません。もちろん、国会が発議をして、その後国民投票が行われる、その国民投票において国民の憲法に対する意思が表明されると、ここは一切否定していません。
 しかし、その前提として、発議の要件として本当に二分の一でいいんですかということを申し上げているんです。三分の二というのがそんなに高いハードルなのか、何でもかんでも二分の一で決めてもいいのですかと、その根源的なところをお聞きしました。その点について総理からも、いや、何でもかんでも二分の一で決めていいわけじゃないんだと、こういう御発言がありましたので、そこは価値観を共通できていると思います。
 そこで、ちょっとパネルをお出しいただきたいんですが、日本に限らず、憲法改正に当たって法律の改正よりも厳しい要件を課していると、これは言わば世界の常識であります。これを硬性憲法といいます。理屈を言うわけではありませんが、最高法規であることの論理的な帰結として硬性憲法が導かれます。なぜならば、法律の改正と同じ要件であれば憲法が法律と区別できなくなってしまうと、だからどこの国にあっても厳しい要件を決めています。
 もし二分の一になってしまうと、この法律との区別が余り付かなくなってしまうんじゃないのか。この点で、自民党の憲法改正推進本部長代行をしておられる船田元衆議院議員、長らく憲法改正の問題に真摯に取り組んでおられて、私も尊敬させていただく政治家のお一人でありますが、その船田議員も四月三十日の毎日新聞のインタビューで、二分の一だと一般法と余り変わらなくなってしまうと、こういうふうな危惧をお示しになっておられます。
 憲法典を持つ国々において硬性憲法であるということは世界の常識だと、こういうふうに申し上げたんですが、例えば明治憲法、これも七十三条の二項で両院の三分の二を必要としておりました。
 今パネルをお示しをいたしましたが、日本と同様に第二次大戦の敗戦国でありますドイツ、ここにおいても両院の三分の二の賛成を必要としています。しかし、戦後五十九回憲法を改正しています。アメリカ、これも両院の三分の二とさらには州議会の可決も必要ですが、戦後だけで六回改正をしています。お隣の韓国、これは一院制ですけれども、やはり国会の三分の二の多数、しかし戦後九回改正をしています。
 まだまだ例はあるわけですが、御理解をいただきたいのは、現行憲法が憲法の改正に三分の二以上の多数と定めているのは別に不思議なことではなくて、ほぼ世界の大勢だと、こういうことであります。先ほども申し上げましたが、国民にとって、王様でも奪ってはならないこと、多数決でも奪ってはならない自由や平等を保障している憲法である以上は、二分の一の賛成だけでは憲法を変えてはならない、これは論理的な帰結だと私は考えます。
 そこで、総理にお尋ねをしたいんですが、アメリカやドイツや韓国でそれぞれ六回、五十九回、九回、憲法が改正されています。日本で戦後七十年憲法が改正されなかったその理由は、憲法九十六条があったからでしょうか。

発言情報

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発言者: 前川清成

speaker_id: 22257

日付: 2013-05-14

院: 参議院

会議名: 予算委員会