若井康彦の発言 (内閣委員会)
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○若井委員 今のお話はよくわかります。国がもう一度前に出ていくんだ、そして地域と一緒に国ぐるみで事業をしていくんだというお話だと思うんですが、私は、これまで、例えば総合特区等を見ておりまして、結局、今の時代背景というものが、なかなか国が前へ出て引っ張るという方式ではうまくいかない。ですから、ある意味でいうと、言葉はよくないかもしれませんけれども、馬は馬なり、それぞれの馬に個性があるから、走りやすい状況をつくって、そのエネルギーを総力を挙げて全国で活性化をしていきたい、こういうシナリオに行き着いていた結果だと思っております。
特区というか拠点をつくって経済開発をしていこう、そういう歴史は大変長いわけで、これは大臣、御存じのとおりだと思うんですけれども、まさに日本の現代史そのものだと言ってもいいくらいの蓄積もありますし、成功の歴史もありますし、あるいは失敗の歴史もたくさんある。そういう経験の上に、今回のこの御提案があるんだと思うんです。
戦後の復興を考えてみましても、全てを失った戦後、戦災復興を行い、あるいは傾斜生産拠点というんですか、石炭をつくったり、鉄鋼をつくったりするところに全ての資源を集中して、大変に乏しい資源だったんだと思うんですけれども、やっとここまで来たんだと。これをもう少し計画化をして、全国総合開発計画というような経緯もたどってきたわけですけれども、その中で、実は、今回の国家戦略特区のようなプロジェクトというのも私はかなり行われてきたんだというふうに思います。例えば、この二十年をとりましても、一九八三年にテクノポリスという提案がございました。それから、頭脳立地というような話もあったし、新事業創出促進、メジロ押しでこうした事業を重ねてきたわけです。
しかし、ある程度の成果は生んだものの、なかなかこれといった決め手にならないまま、一九八三年のテクノポリスからちょうど二十年、先ほど大臣がおっしゃられた、日本の停滞の歴史とまさに重なっているわけです。
なぜ、さまざまな英知を結集して国が全力を挙げて行ってきたこうした拠点の開発整備といいますか、それがうまくいかなかったのかということをもう一度振り返りながら、この国家戦略特区というものを前へ進めていく必要があるんじゃないか、私はこのように感じております。
例えば、テクノポリスはさまざまな背景があるわけですけれども、これは私は大変にすばらしい御発想だと思っております。かつての大平正芳総理が田園都市国家構想という御提言をし、それが三全総という形で、国の地域開発といいますか、国づくりの基本的な方針になった、これを下敷きにしてテクノポリスというものも提案をされているんですが、その背景等を見てみますと、まさに今の時代と非常に似ているように思います。
国家財政依存の公共事業が困難になった、あるいは重厚長大の既存の産業が全て構造不況になってしまった、次の出口はどこにあるんだ。それで、エレクトロニクスとかメカトロニクスとか、その当時からすれば最先端の企業の芽をどうやって育てるかということで、これは、そうした企業は当然シーズはたくさんあったわけですから、それに後押しをするという形でこうしたものが出てきたんだと思います。
それで、大臣、これも大変におもしろいんですけれども、一次に承認された地区が九地区あります。結局、五、六年かけて、これが二十六地区に膨らみました。今回、この国家戦略特区を何地区つくられるかというのは私が一番関心のあるところですけれども、スケールが非常にこれに似ていると思うんですね。(新藤国務大臣「総合特区のことですか」と呼ぶ)済みません、テクノポリスですね、二十年前の、国の、まさに経済開発のための拠点事業ですね。
ところが、実際、事業を進めてみますと、結局のところ、ある意味でいうと、既存の集積、例えば人口集積であり、例えば社会的なインフラであり、例えば人的な交流ができるような条件が整っているところであり、そうしたところに結局この指定が集中していく、そういう経路をたどったわけであります。
こうした経緯も見ながら、今回この戦略特区についても考えていかなきゃいけないと思うんですけれども、いずれにしても、こうしたさまざまな国が前へ出てつくっていくというプロセスでつくられた事業が、なかなか所期の目的を果たせなかった。これは、先ほど、最初に申し上げたとおり、このテクノポリスが突き当たったさまざまな困難な条件、これと同じ条件を克服していかなきゃいけない、そういう状況になっている。
いずれにしても、馬は馬なりで走らせる、こういう方法しかなかなか活性化ができない、そういう社会的な背景ですね。人口の問題もございますし、社会的なインフラが今かなり整備が進んだけれども、これ以上なかなか飛躍的な投資ができないということもあります。
そういう中で、改めて国が前へ出るという御決意ですから、そうした条件を克服して前に出られるという見通しをお持ちだと思うんですけれども、それは一体何なんでしょうか。ちょっと回りくどい質問ですが、よろしくお願いいたします。