安倍晋三の発言 (予算委員会)
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○安倍内閣総理大臣 消費税については、我が党では、随分長い間、議論をしてまいりました。
既に我が国は累積債務を相当多く抱えているわけでありますし、毎年伸びていく年金や医療や介護、そして子育て、社会保障費があります。この社会保障費に対して、特に年金と医療と介護、これは毎年伸びていくわけでありまして、これに対するしっかりとした対応が必要であるわけであります。
もちろん、日々改革を行う、見直しを行う、合理化を行うことは大切でありますが、サービスの水準を落としてはならないと思いますし、それは多くの国民は望んでいない。その財源を安定的なものにしていかなければ、社会保障制度自体を安定的に次の世代に引き渡していくことはできないわけであります。
一方、既にある累積債務に対応する上において、国の信認を確保しながら、同時にしっかりとそうした社会保障のニーズに応えていくことが重要であります。さらには、子育てに対する施策も拡充をしていく必要があるでしょう。それを行っていくためにはやはり新たな税の負担をお願いするしかないということでございまして、当然、全て、消費税引き上げ分は全額社会保障費、社会保障の財源として使うわけでありまして、それを例えば経済対策に回すということは、一銭たりとも回すということはありません。全てを回していく、これははっきりさせておきたい、このように思います。
そして、それは、具体的には、基礎年金の国庫負担を三分の一から二分の一にしていくものに振り向けてまいります。さらには、待機児童解消加速化プランの推進を初めとする子育てへの支援であります。そして、在宅医療や在宅介護サービスを充実してもらいたいというのは相当大きな要望があるわけでありまして、これも、今回の消費税引き上げによってそれが可能になっていくわけでありますし、低所得者の方々の保険料のさらなる軽減も行ってまいりますし、また、難病対策も充実をしてまいります。
こうしたさまざまな社会保障制度を充実するとしておりまして、消費税財源という安定的な財源によって、国民が安心できる社会保障制度、体制を構築、維持していきたい、このように思います。
そして同時に、一九九七年、橋本内閣のときに消費税を三から五に上げ、あれ以来ずっと日本はデフレ経済に落ち込み、景気は低迷したではないか、税収もそれからふえていないではないかという指摘があります。
そこで、私たちも、あの後の日本のいわば経済の状況をマクロ的にもしっかりと分析をしながら、今回は二度と同じ道を進まないようにしようということに一番これは気を配ったわけでありまして、だからこそ、有識者の方々、六十名の方々にお集まりをいただいて、集中的な検討を加えていただきました。
何人ものマクロ経済学者に集まっていただいて、さまざまな議論をしていただいた結果、九七年四月の消費税率引き上げ以降、個人消費は、駆け込み需要の反動減が見られたものの、七—九月期には増加に転じ、短期間で回復はしていますが、その後の、同年七月以降のアジア通貨危機や十一月の金融システムの不安定化という他の要因もあり、景気は後退に向かったものと、今委員御指摘のようなこういう事情については、承知をしております。
一方、現在の我が国経済について見ると、不良債権処理を初めとする構造改革の進展などにより、九七年当時と比べて、金融システムはまず安定をしているということであります。そして、企業の財務体質も相当強化されているということであります。さらに、三本の矢によって大胆な金融政策を行っている。そして、機動的な財政政策も行っているということでありまして、これはまさに、あの後陥ったデフレマインドを払拭するためでありますが、これも大きな違いであります。日本銀行と政府が二%という物価安定目標について合意をしている、これも全然大きな違いと言ってもいいんだろうということであります。
そして、今回の引き上げの判断に当たっては、五兆円規模の経済対策の策定や、一兆円規模の投資減税等を含む経済政策パッケージをあわせて策定しまして、引き上げによる反動減を緩和して景気の下振れリスクに対応するとともに、その後の経済の成長力の底上げを実現していくこととしております。
つまり、来年の四月から消費税が三%上がるわけでありますが、その反動減を緩和しながら、その後、今進んでいる成長軌道に、またもとに戻すような、そういう対策を打っているということでありまして、いわば、その場しのぎの経済対策ではなくて、成長力を維持するための対策を今回は打っているということであります。