瀬谷俊雄の発言 (国家安全保障に関する特別委員会)

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○参考人(瀬谷俊雄君) それでは、瀬谷でございますが、この法案につきまして所見を申し上げたいと思っております。
 いろいろな利害というものがそれぞれのレベルにあってあると。企業には企業の利害がありますし、個人には個人のもあると。もっと突き詰めていきますと、省益があり、あるいは国益というやつがあると。そうすると、例えば今の国際的な緊張の問題、あるいはTPPにおいて議論が非常に厳しくなっております国際間の通商問題と、いろんなレベルでそういったものがあり得るんだと。それはやはり一つの、国家間の駆け引きといったらなんでございましょうけれども、そういうタクティクスの問題であると。したがって、こういう問題に携わる者は、非常に高度なレベルの国家としての機密を保たなくてはいけないと。もうこの辺につきましては、先生方も一様に御理解いただけているんだろうと思います。
 そういう意味合いにおきまして、本来この問題はわざわざこういう法案を作らなくてもいいんではないかと思うところもありますけれども、これだけいろいろな意味での外圧が強まっている中、やはりこれに対するペナルティーといいますか、秘密を守っていくということに対して規制が掛かってくるのはやむを得ないのではないかと。
 ちなみに私は、五回目ぐらいかな、もう参考人として出ておるんですけれども、ほとんどが金融経済あるいは金融に関する問題でございまして、今回の問題は全く言わば門外漢ではございますが、ただ、私は一市民として、一国民として発言の場があるならばそれは申し上げようと思っていたんですけれども、たまたま今日こういう機会を得たので申し上げている次第でございます。
 それで、この問題を深く掘り下げていきますと、結局は程度問題になってくるのではないのかなと。例えば、民間といえども、そういう重大な国家機密に関与する場合もあり得ないわけではないと。まあ余り具体的な例を挙げるのはどうかと思いますけど、例えば防衛産業に携わる社員さん、ここの会社は今我が国軍の使っている最新鋭のミサイルなんかやっているんだと、その設計に携わっていると。あるいは、もうちょっと分野を超えていいますと、今大変問題になっております原子力発電の問題につきましても、そのトップの技術者というのは、ある意味において非常に、何といいますか、私企業の一つの企業機密だろうけれども、それが結局国益と重なる部分が随分出てくるんではないかと、こういう感じがいたしております。
 そういう意味におきまして、その与件の変化といいますか、戦後何十年、私は今年七十七になりますから、年のことを言ってもしようがないんですけど、戦後の混乱とか、日本が占領された時代から現在まで考えますと、今までは日本というものの国の権益がやっぱり日米の傘の下に必要以上に保護されておったという感じがしないでもないと。じゃ、その弊害といいましょうか、そういう形として、やはりその国益、ナショナルインタレストに対して随分鈍感な国になっちゃったんじゃないかなという、そういう感じも実はいたしておるわけでございます。そんな意味で、今回そういうものを引き締めるためにこういうものはできてきたということはある程度時代的な流れかなと。
 ただ、先ほど程度問題と言ったのは、どこまでやるかということにつきましては、例えば国家権力によりまして我々民間の企業に携わっている分野、ものまでがそういうものの処罰の対象になり得ると、そういうことはどうなのかなと私は疑問を持っています。
 私は銀行員でございますから、銀行員の場合には、取引上知り得たお客さんの秘密、幾ら預金持っているとか、不良債権が何ぼあるとか、こういう問題は、これはもちろん現役の時代はお話も何もできませんし、退職後といえどもこの問題は守るべきだと。じゃ、これは、法律といえば法律なのかというと、そうじゃなくて、これは企業倫理の問題なんですよ。だから、その倫理でもって律しているんだと。それで、今まで何年かやってきまして、さほど大きな問題は起きないと。最近、都市銀行で反社勢力におきましてある問題が起きまして、やっぱりこの辺で何か呼ばれて参考人質疑があったようでございますけれども、ちょっとこれとはまあ別になりますけれども。
 結局、我々とすれば、そういうものは一つの企業の行動原理としてそれを律してきてやっているんだと。もしそれが毀損されると、いや応なしにその企業はお客さんから取引をやめられちゃうとか逃げられちゃうと、そういった意味の実質的なペナルティーを受けると。そこはあえて懲役何年なんという、そんなものまで設けてやる必要はないんではないかなと、そういうふうに思っております。
 ですから、私の方を見てうなずいていらっしゃる先生もいらっしゃるので大変心強いのでございますけれども、まあ私はこの問題についてはそれ以上でも以下でもないと。したがって、この法案に該当するそのナショナルインタレスト、それに該する範疇を極力絞って、そこに集中的に適用されたらよろしいんではないかと、このように思っております。
 私の意見は以上でございます。御清聴ありがとうございました。

発言情報

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発言者: 瀬谷俊雄

speaker_id: 12085

日付: 2013-12-03

院: 参議院

会議名: 国家安全保障に関する特別委員会