国家安全保障に関する特別委員会

2013-12-03 参議院 全107発言

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会議録情報#0
平成二十五年十二月三日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十二月二日
    辞任         補欠選任
     荒木 清寛君     新妻 秀規君
     山田 太郎君     真山 勇一君
     井上 哲士君     山下 芳生君
 十二月三日
    辞任         補欠選任
     牧山ひろえ君     田中 直紀君
     清水 貴之君     中野 正志君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         中川 雅治君
    理 事
                佐藤 正久君
                島尻安伊子君
                西田 昌司君
                芝  博一君
                福山 哲郎君
                石川 博崇君
    委 員
                猪口 邦子君
                岩井 茂樹君
                宇都 隆史君
                江島  潔君
                北村 経夫君
                上月 良祐君
                佐藤ゆかり君
                二之湯武史君
                松山 政司君
                三宅 伸吾君
                大野 元裕君
                神本美恵子君
                田中 直紀君
                白  眞勲君
                藤田 幸久君
                牧山ひろえ君
                新妻 秀規君
                山本 香苗君
                小野 次郎君
                真山 勇一君
                仁比 聡平君
                山下 芳生君
                中野 正志君
                福島みずほ君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        五十嵐吉郎君
       常任委員会専門
       員        矢嶋 定則君
   参考人
       東邦銀行相談役
       元全国地方銀行
       協会会長     瀬谷 俊雄君
       弁護士
       日本弁護士連合
       会秘密保全法制
       対策本部本部長
       代行       江藤 洋一君
       新聞記者
       日本新聞労働組
       合連合中央執行
       委員長      日比野敏陽君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○特定秘密の保護に関する法律案(内閣提出、衆
 議院送付)
○委員派遣承認要求に関する件
    ─────────────
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中川雅治#1
○委員長(中川雅治君) ただいまから国家安全保障に関する特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日までに、山田太郎君、荒木清寛君、井上哲士君及び清水貴之君が委員を辞任され、その補欠として真山勇一君、新妻秀規君、山下芳生君及び中野正志君が選任されました。
    ─────────────
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中川雅治#2
○委員長(中川雅治君) 特定秘密の保護に関する法律案を議題といたします。
 本日は、本案の審査のため、三名の参考人から御意見を伺います。
 御出席いただいております参考人の方々を御紹介いたします。
 まず、東邦銀行相談役・元全国地方銀行協会会長瀬谷俊雄参考人でございます。
 次に、弁護士・日本弁護士連合会秘密保全法制対策本部本部長代行江藤洋一参考人でございます。
 次に、新聞記者・日本新聞労働組合連合中央執行委員長日比野敏陽参考人でございます。
 この際、参考人の方々に委員会を代表して一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、御多忙中のところ当委員会に御出席いただき、誠にありがとうございます。
 参考人の皆様から忌憚のない御意見を拝聴し、今後の審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。
 議事の進め方について申し上げます。
 まず、お一人十五分程度で、瀬谷参考人、江藤参考人、日比野参考人の順に御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。
 また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度、委員長の許可を受けることとなっておりますので、御承知おきください。
 なお、参考人の御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、まず瀬谷参考人にお願いいたします。瀬谷参考人。
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瀬谷俊雄#3
○参考人(瀬谷俊雄君) それでは、瀬谷でございますが、この法案につきまして所見を申し上げたいと思っております。
 いろいろな利害というものがそれぞれのレベルにあってあると。企業には企業の利害がありますし、個人には個人のもあると。もっと突き詰めていきますと、省益があり、あるいは国益というやつがあると。そうすると、例えば今の国際的な緊張の問題、あるいはTPPにおいて議論が非常に厳しくなっております国際間の通商問題と、いろんなレベルでそういったものがあり得るんだと。それはやはり一つの、国家間の駆け引きといったらなんでございましょうけれども、そういうタクティクスの問題であると。したがって、こういう問題に携わる者は、非常に高度なレベルの国家としての機密を保たなくてはいけないと。もうこの辺につきましては、先生方も一様に御理解いただけているんだろうと思います。
 そういう意味合いにおきまして、本来この問題はわざわざこういう法案を作らなくてもいいんではないかと思うところもありますけれども、これだけいろいろな意味での外圧が強まっている中、やはりこれに対するペナルティーといいますか、秘密を守っていくということに対して規制が掛かってくるのはやむを得ないのではないかと。
 ちなみに私は、五回目ぐらいかな、もう参考人として出ておるんですけれども、ほとんどが金融経済あるいは金融に関する問題でございまして、今回の問題は全く言わば門外漢ではございますが、ただ、私は一市民として、一国民として発言の場があるならばそれは申し上げようと思っていたんですけれども、たまたま今日こういう機会を得たので申し上げている次第でございます。
 それで、この問題を深く掘り下げていきますと、結局は程度問題になってくるのではないのかなと。例えば、民間といえども、そういう重大な国家機密に関与する場合もあり得ないわけではないと。まあ余り具体的な例を挙げるのはどうかと思いますけど、例えば防衛産業に携わる社員さん、ここの会社は今我が国軍の使っている最新鋭のミサイルなんかやっているんだと、その設計に携わっていると。あるいは、もうちょっと分野を超えていいますと、今大変問題になっております原子力発電の問題につきましても、そのトップの技術者というのは、ある意味において非常に、何といいますか、私企業の一つの企業機密だろうけれども、それが結局国益と重なる部分が随分出てくるんではないかと、こういう感じがいたしております。
 そういう意味におきまして、その与件の変化といいますか、戦後何十年、私は今年七十七になりますから、年のことを言ってもしようがないんですけど、戦後の混乱とか、日本が占領された時代から現在まで考えますと、今までは日本というものの国の権益がやっぱり日米の傘の下に必要以上に保護されておったという感じがしないでもないと。じゃ、その弊害といいましょうか、そういう形として、やはりその国益、ナショナルインタレストに対して随分鈍感な国になっちゃったんじゃないかなという、そういう感じも実はいたしておるわけでございます。そんな意味で、今回そういうものを引き締めるためにこういうものはできてきたということはある程度時代的な流れかなと。
 ただ、先ほど程度問題と言ったのは、どこまでやるかということにつきましては、例えば国家権力によりまして我々民間の企業に携わっている分野、ものまでがそういうものの処罰の対象になり得ると、そういうことはどうなのかなと私は疑問を持っています。
 私は銀行員でございますから、銀行員の場合には、取引上知り得たお客さんの秘密、幾ら預金持っているとか、不良債権が何ぼあるとか、こういう問題は、これはもちろん現役の時代はお話も何もできませんし、退職後といえどもこの問題は守るべきだと。じゃ、これは、法律といえば法律なのかというと、そうじゃなくて、これは企業倫理の問題なんですよ。だから、その倫理でもって律しているんだと。それで、今まで何年かやってきまして、さほど大きな問題は起きないと。最近、都市銀行で反社勢力におきましてある問題が起きまして、やっぱりこの辺で何か呼ばれて参考人質疑があったようでございますけれども、ちょっとこれとはまあ別になりますけれども。
 結局、我々とすれば、そういうものは一つの企業の行動原理としてそれを律してきてやっているんだと。もしそれが毀損されると、いや応なしにその企業はお客さんから取引をやめられちゃうとか逃げられちゃうと、そういった意味の実質的なペナルティーを受けると。そこはあえて懲役何年なんという、そんなものまで設けてやる必要はないんではないかなと、そういうふうに思っております。
 ですから、私の方を見てうなずいていらっしゃる先生もいらっしゃるので大変心強いのでございますけれども、まあ私はこの問題についてはそれ以上でも以下でもないと。したがって、この法案に該当するそのナショナルインタレスト、それに該する範疇を極力絞って、そこに集中的に適用されたらよろしいんではないかと、このように思っております。
 私の意見は以上でございます。御清聴ありがとうございました。
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中川雅治#4
○委員長(中川雅治君) ありがとうございました。
 次に、江藤参考人にお願いいたします。江藤参考人。
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江藤洋一#5
○参考人(江藤洋一君) 弁護士の江藤洋一でございます。
 本日は、一党一派のみならず、また選挙区のみならず、全国民を代表する先生方の前でこのようなお話をさせていただく機会を与えていただきまして、本当にありがとうございました。
 私は、法律家の立場からこの法案の問題点を指摘させていただきたいと思います。既に衆議院で修正されておりますので、そのことを前提の議論とさせていただきます。
 まず私は、国民の知る権利の重要性ということを強調させていただきたいというふうに思っております。
 この国民の知る権利と申しますものは、既に昭和四十四年十一月二十六日のいわゆる博多駅前事件の最高裁の決定において認められております。そこでは、憲法上認められている報道の自由、取材の自由が、この知る権利に奉仕すると明言されております。したがって、この国民の知る権利は、憲法上尊重されなければならないことは言うまでもございません。下級審の裁判例の中には、この知る権利は憲法上の権利であるとまで明言したものが散見されるほどでございます。
 いずれにいたしましても、国政の運営に当たりましても最大限の尊重をさせていただかなければならないと、このように考えております。
 ところが、この法案を見ますと、第二十二条、雑則のところに、国民の知る権利の保障に資する報道又は取材の自由に十分配慮すると、いわゆる配慮規定が入っているわけでございますが、いささかこの扱いが私は軽きに失しているのではないかというふうに考えます。まず第一条で、この知る権利こそ大事だ、この知る権利と国の安全保障上の秘密をどういうふうに調整させるかということが、まず述べられなければならないのではないかと、こういうふうに思うわけでございます。
 したがって、この知る権利と特定秘密の指定とのバランスを考えなければならない法案であるにもかかわらず、どうも特定秘密の保護の必要性が過剰に強調されているのではないかと、こういう懸念を持っております。
 政府の保有する全ての情報について国民がアクセスすることができ、秘密指定による制限はむしろ例外的なものであるということが、まず確認されなければならないのではないかというふうに考えております。実は、この点に関し、この六月、ツワネ原則というものが発表されまして、人権保障と安全保障上の秘密の保護との調整を考慮した国際水準の法原則として提起をされております。これは本当に尊重に値するものではないかなというふうに私ども考えております。それを直接この場で法案に盛り込めという趣旨ではございませんが、その趣旨は十分に生かされるべきであると、こういうふうに考えております。
 そこで、この国民の知る権利と特定秘密保護の必要性とのバランスの問題でございますが、先ほど瀬谷参考人からもございましたように、特定秘密の保護が我が国の安全保障上必要だということはそうかもしれませんが、その安全保障の受益者は文字どおり国民にほかなりません。したがって、安全保障を理由とする秘密であっても、それは究極的に国民の利益を守るという大義がなければならないと、このように考える次第でございます。したがって、憲法上保障されている基本的人権、ないしこれと同等の保障を要する国民の権利の侵害に関する情報、ないしそのおそれのある情報は秘密にされてはならないと考える次第でございます。
 安全保障上の利益は国の利益であり、それは政府の利益ではなく、各省庁の利益でもなく、またお役人の利益でもございません。違法秘密は、言うまでもなく、このような政府の利益、省庁の利益、お役人の利益を秘密指定してはならないということがまず確認されなければならないのではないかと、このように思う次第でございます。秘密指定をしてはならない事項を義務規定として明文で定めるべきではないでしょうか。本法案には秘密指定の禁止に関する義務規定が一切含まれておりません。行政機関に対する権限付与規定のみが突出しており、非常に均斉の取れていない法案となっているという気がいたします。
 秘密指定の方法とその有効期間についてでございますが、法案第三条に定める指定方法は、まず別表が広きに失し、特定性に欠けるのではないかと考えます。また、指定要件である我が国の安全保障に著しい支障を与えるおそれがあるため特に秘匿をすることが必要ということも、これまた抽象的であり、判断権者の恣意的な運用を免れないというふうに思います。
 指定の有効期間は六十年まで延長することができることとなっております。それ自体長きに失し、そもそも秘密指定の必要性すら疑わせる事態と考えられるところでございます。しかも、例外的に六十年以上秘密にできる事項がございますが、その中を子細に見ますと、第五号暗号を除き、むしろ悪用や弊害の懸念があるというふうに考えられます。
 秘密指定の解除に関しましても、単に要件を欠くに至ったときと定められておりますが、元々の要件が曖昧である以上、この解除もまた恣意的にならざるを得ないと考えられるところでございます。
 さて、そうはいいましても、この秘密指定されましたら、その秘密について保護措置が取られなければなりません。この秘密指定の保護に関し、法案では、秘密を取り扱わせる職員の範囲を限定し、それ以外には秘密指定、特定秘密の保護に関し必要なものとして政令で定める措置を講ずると定めているにすぎないのであります。特定秘密の物的管理こそ秘密保護の要であるのに、これを政令に任せ、しかも白紙委任しており、物的管理に関し極めて責任感の希薄な法案となっております。
 平成二十三年八月八日に提出された「秘密保全のための法制の在り方について」と題する報告書がございますが、その中で立法事実とされた各種漏えい事件がございますが、いずれも秘密を扱う職員以外の者による漏えいでございました。つまり、秘密を扱う職員以外の者が容易に持ち出したことによって漏えいされたのであります。ならば、この管理こそ厳重であってしかるべきであるのに、この点の問題意識がこの法案には全く欠けていると言っても過言ではございません。
 最も大事な物的管理をなおざりにし、重罰により国民を威嚇する内容のこの法案は余りにも旧態依然としたものではないでしょうか。
 この物的管理の問題とともに、公務員の業務の過程で作成された文書やメール等の電子媒体の保存につき義務規定を設け、文書等の破壊行為を禁じる旨の明文の規定を置くべきであると考えます。そうしなければ、例えば相手国において開示されながら、我が国においては文書が存在しないので開示できないという主張が堂々とまかり通ってしまうことがございます。その危険を感じるわけでございます。
 なお、管理を行う職員についての適性評価に関しては、その適用範囲が余りに広過ぎ、プライバシー侵害や思想調査による思想介入が懸念されるところでございます。
 この特定秘密につきましては、これを提供できることとなっておりますが、その二つの場合について少しく意見を述べさせていただきたいと存じます。
 特定秘密を提供できる場合につき、外国政府に提供できる場合と国会に提供できる場合、九条と十条に記載ございますが、この外国政府に提供できる方が要件が軽く、いかにも国会軽視の感を否めないという気がいたします。国民に提供されない情報が外国政府にやすやすと提供されるということ自体、国民主権を空洞化させかねない危険をはらんでいると考えるところでございます。
 また、外国政府に対する場合も国会に対する場合も、いずれの場合も行政の恣意的判断を排除できていないということが問題でございます。とりわけ国会との関係では、秘密保護に関し行政優位の姿勢が保たれており、憲法の想定する統治機構の在り方をゆがめているのではないかとの懸念を払拭できません。後に述べるように、国会の行政に対する監視機能を強化すべきであるというふうに考えます。
 そこで、秘密指定の適法性、妥当性の検証について意見を申し述べさせていただきます。
 この秘密指定の問題点は、指定された秘密が果たして適法、妥当なものか否かが国民には分からないという点にございます。知らしむべからず、よらしむべしの姿勢は現代の民主主義国家にそぐわないものでございます。そこで、その検証が適切に行われなければならず、その手だてについて申し述べさせていただきます。
 まず第一に、検証のための第三者機関を新たに設けることが考えられます。第三者機関と言えるためには、完全に独立した第三者性が保持されなければなりません。したがって、内閣や行政庁の中に設けられたいかなる機関も第三者機関とは申せません。
 第二に、国会の国政調査権の拡充が考えられます。法案の第十条一項一号では不十分であります。そこでは提供する場合の要件も定めておりますが、それ以前の問題として、そもそも秘密指定したことの適法性、妥当性が問われなければなりません。行政が我が国の安全保障に著しい支障を及ぼすおそれがないと認めたときに情報提供できることとなっております。
 しかし、そのような情報など元々秘密にする必要などなかったものでございます。これは三条一項を見れば明らかでございます。つまり、第十条一項一号の文意は、行政から見ますと、元々秘密指定したのは安全保障上著しい支障があるからであって、そうである以上、国会にも提供できないと言っているにすぎません。この条項によって国会に提供できる場合とはいかなる場合か、私考えてみましたところ、恐らく、我が国の安全保障に著しい支障がなくなったにもかかわらず、いまだ秘密指定が解除されていないものに限られると、こういうことになろうかと思います。無条件で提供するのでない限り、国会の監視機能もおぼつかないものになるのではないかというふうに考えます。
 第三に、国民による直接の検証、監視が考えられます。そのために情報公開法がございますが、残念ながらその内容は必ずしも十分なものではございません。最低限、裁判所におけるインカメラ審理は不可欠であると考えます。また、公益通報者、内部告発者の違法秘密の通報、告発に対しては適切な法措置が講じられなければならないというふうに考えます。
 最後に、罰則のもたらす影響について一言申し述べさせていただきます。
 罰則による威嚇には大変甚大なものがあり、雑則に抽象的な配慮規定を挿入した程度では解消されません。また、第二十二条二項は、専ら公益を図る目的以外のものは正当の業務ではないと言っているに等しい状態になっております。専ら公益を図る目的というだけでは余りにも狭過ぎ、つまり処罰範囲を広げた結果になり、かえって萎縮効果を強めているのではないかということが懸念されます。
 刑事責任は、犯罪の構成要件該当性、違法性、有責性の三つがそろって初めて問えるものでございます。このうち、正当業務行為と申しますものは、このうちの違法性の阻却事由とされております。構成要件該当性まで阻害されることにはならないわけでございます。ところが、実際の司法の実務のレベルでは、この構成要件該当性のレベルで逮捕状、勾留状、捜索差押令状が発付されることが予想されます。秘密指定の要件そのものも曖昧でございますが、この刑罰規定も曖昧かつ広過ぎ、罪刑法定主義に反するのでないかが更に懸念されるところでございます。
 また、第二十五条に言う共謀、教唆はいわゆる独立犯でございます。刑法上の共謀、教唆とは異なり、本犯の実行行為がなくとも、それだけで独立に処罰の対象となる。加えて、未遂、過失が処罰されることとなっており、処罰の範囲の広がりが途方もなく、そのことだけでも計り知れない萎縮効果を与えるのではないかということが懸念されるところでございます。
 第二十四条の特定秘密の取得行為に目的を加え、目的犯としたことは半歩の前進であろうとは思います。しかし、そもそもの管理侵害行為なるものが曖昧であり、拡張的な運用が懸念されるということについては変わりございません。いずれの場合も実際の捜査段階ではほとんど顧慮されることなく令状が発付される可能性を否定できません。
 したがって、裁判において無罪になれば事足りるということではなく、逮捕、勾留され、あるいは捜索、差押えを受けるというそのこと自体が大変な不利益であり、しかもその損害は回復し難いものがございます。あるいは、さらに、逮捕や捜索さえ必要なくなる危険があります。逮捕するぞ、捜索するぞという文字どおりの威嚇が国民を黙らせ、萎縮させることになるのではないかということを恐れるところでございます。
 先日の自民党の石破幹事長のテロ発言は、第十二条に定めますテロリズムの定義の規定と関係しております。このテロリズムの定義をお読みいただけば分かりますが、単なる自分の意見を人に強要することが目的ではなく、それ自体がテロリズムというふうに読めるような文意、文章構造になっております。そうではないと森大臣は答弁はされておりますが、文章そのものを見ると、句読点の付け方を見ると、文字どおりそのように読める。政府はそうではないと、大臣はそうではないとおっしゃられますが、石破先生の御発言に沿った解釈がなされる以上、この法律が言論弾圧、政治弾圧に利用される可能性を示唆しております。
 以上の次第でございますので、私は、この法案は小手先の修正では是正できない重大な欠陥を有しており、廃案にすべきと思料するところでございます。
 御清聴ありがとうございました。
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中川雅治#6
○委員長(中川雅治君) ありがとうございました。
 次に、日比野参考人にお願いいたします。日比野参考人。
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日比野敏陽#7
○参考人(日比野敏陽君) こんにちは。日比野でございます。
 本日は、このような場に発言をする機会を与えていただきまして、誠に光栄であります。ありがとうございます。
 今日は、一新聞記者として、そして全国の多くの新聞記者が加盟する日本新聞労働組合連合の代表としてこの場に来ておるところです。日常的に取材、そして報道の仕事に携わる者として、この秘密保護法案には極めて問題が多く、国民の知る権利に奉仕する取材、報道の自由を大きく損なうものであるということを指摘させていただき、廃案にするように求めたいと思います。よろしくお願いいたします。
 まず初めに、この法案には、知る権利、取材、報道の自由が盛り込まれておりますが、その評価について述べたいと思います。
 法案第二十二条で、国民の基本的人権を不当に侵害することがあってはならず、国民の知る権利に資する報道又は取材の自由に十分に配慮しなければならないというふうにされております。当初の原案になかった知る権利への言及があり、政府答弁では、これで報道や取材が過剰に規制されることはないというふうに説明を受けておりますが、私にはとてもそうは思えません。
 同じ二十二条の二には、取材行為について、著しく不当な行為と認められない限りは正当な取材だとしております。この著しく不当な行為とは何でしょうか。極めて曖昧であります。
 これまでの政府の説明では、取材対象者の人格を著しくじゅうりんする、そういったものだと説明されております。また、森大臣は、衆院本会議で、単に酒席において情報を得る行為は不当な行為に当たらないというふうに答弁されています。しかし、こういった説明も極めて曖昧であります。著しくというのは何でしょうか。取材内容によっては私たち記者は、現実には、相手に対して厳しく迫る、言葉として厳しく迫ることは少なくはありません。また、単にというお酒の席とそうでないお酒の席があるのでしょうか。
 公務員の皆さんと、また関連の皆さんと、そして国会議員の先生方ともお酒を飲みながら取材をする、若しくは取材につながるようなお話をするということは、私にとっても、そして皆様方、先生方にとっても日本の中では普通にあることだと思います。新聞記者にとっても、そういったお酒の席というものは、単にだろうが単にではなかろうが極めて日常的なことであると思います。法案の内容や政府の説明は、こうした取材、報道の現場の事情からは極めて懸け離れた非常に非現実的な規定であるとまず指摘させていただきたいと思います。
 そもそも、この二十二条の配慮するというその主体は誰でしょうか。取材、報道する側の意向に関係なく捜査当局が配慮するわけですから、この規定は明らかに、捜査当局に配慮してもらうように取材中も自分でいい子になれ、規制しろと言われているというふうにしか思えません。
 率直に言って、私たちにとってどのような形で取材をするのか、その手法について当局にいろいろと指図される筋合いではありません。重要なことは、これは重要なことです、その取材によって国民、読者の知る権利にこたえられるかどうかであります。私たち新聞労連は、国際ジャーナリスト連盟、IFJに加盟しております。取材の手法について、このように言わば箸の上げ下げのように当局の介入を許すような法律は先進国ではほかにないというふうに聞いております。
 そもそも、知る権利、報道等、取材の自由が追加条項として盛り込まれたとしても、この法案が成立すれば、私たちの取材相手である、そして情報源でもある公務員の皆さんが、そして関連の皆さんがこれまで以上に萎縮して、国民そして読者に知らせるべき重要な情報も出てこなくなる、これは確実であると思います。報道の除外規定があったとしても、取材対象者が過剰に萎縮してしまう、それが全く機能していない、その例は既に個人情報保護法の施行によって明らかになっていると私は指摘をさせていただきたいと思います。
 二〇〇五年の個人情報保護法の施行以降、警察を筆頭に、全国で官庁の出す情報から個人名が消える傾向にあります。都道府県警は今、例えば交通死亡事故に関する発表で、AさんがBさんの乗用車にはねられて死亡したというような発表を当然のようにするようになっています。本当にこの事故があったのかというようなことも疑わざるを得ないような発表、情報提供が堂々となされているという実態が増えております。個人情報保護法には報道除外規定が入っております。しかし、情報を出す公務員が過剰に反応し、今やそれが当然のようになっている。それが様々な社会的支障を起こしていることは議員の皆様方も御存じのとおりではないかと思います。
 秘密保護法案は、秘密をもたらすよう教唆した人や扇動した人を処罰対象としております。これでは、実際には秘密情報を取得できなくても、そして報道に至らなかったとしても、秘密を取り扱っている相手に接触し、取材しようとしただけで教唆や扇動の罪が成立してしまう可能性が強く、重大な懸念を抱いております。また、形式的に犯罪に該当する、しかし、接触したことですね、公益目的、かつ正当な取材であれば許すというこの法案の構造自体が非常に問題であるというふうに指摘させていただきたいと思います。
 なぜなら、裁判で無罪になるかもしれないけれども、訴追はできるということであります。要するに、取材や報道の邪魔はすることが可能だということであります。ある問題の一番報道しなければならないタイミングでそういった圧力があれば報道はできません。そういったツールを時の権力が握るということになります。その恐ろしさを是非多くの皆さんに、議員の皆さんに自覚していただきたいなというふうに訴えたいところです。
 また、仮に記者、ジャーナリストが処罰対象にならなかったとしても、情報を記者に提供した人を逮捕、起訴してしまう、そして公判を維持しようとすれば、その記者は無関係ではいられないということです。捜査当局は、記者にどのような情報が提供されたのか立証するために、記者のメモや資料を押収したり、新聞社やテレビ局の捜索に入ることもあり得ます。こうなれば、仮に記者が逮捕されなくても、報道に対する事実上の弾圧が可能になるというふうに考えます。
 知る権利は、それを幾ら振りかざしても、国民、読者に伝えなければならない情報は出てきません。自動販売機にお金を入れれば缶コーヒーが出てくる、そのようなわけにはいかないのです。法案に国民の知る権利と報道、取材の自由を入れたら、国民にとって重要な情報が出てくるというわけではありません。これまでにも述べたように、取材、報道は、人間対人間の極めて泥臭い仕事であります。情報は人間から取るしかないのです。
 私は、こういった泥臭い新聞記者、ジャーナリストの営みが全国各地で行われているからこそ、日本の民主主義と民主主義の文化が成り立っているのだと思います。その意味で、この法案が成立すれば、主権者たる国民が正しい情報を得られず、正しい判断ができない、そして日本の民主主義を根底から脅かすものになると言わざるを得ません。
 秘密を取り扱う公務員と報道機関の接触に規範を設けるかどうかという議論についても考えを述べさせていただきたいと思います。
 結論から言いますと、このような倫理規程はどのようなものであっても不要だと指摘したいと思います。既に述べたとおり、取材や報道の現場は極めて個別そして具体的であり、人間くさい作業です。規程や規範を念頭に仕事をすることはあり得ません。規範などは取材現場に萎縮効果をもたらすだけだとここで強調させていただきたいと思います。
 また、新聞記者の立場として、同じ報道、表現に携わっているフリージャーナリストの皆さんの立場でも一言申し上げたいと思います。
 法案では、報道の業務に従事する者の取材行為については保護されるとなっております。報道の業務に従事するというのはどういった人なんでしょうか。誰が線引きをするのでしょうか。これも捜査当局になるわけです。今、日ごろは別の仕事をしながら取材活動を続けている、そういったフリージャーナリストはたくさんいらっしゃいます。新聞やテレビだけでなくインターネットメディアで様々な人が発信を続けているわけです。こういった人たちの中で一体誰が報道の業務に従事している者なのか、そういったことを常に捜査当局が監視するというようなことになるのは極めて不健全な社会になるのではないかなというふうに思わざるを得ません。
 健全なジャーナリズムは民主主義社会に不可欠な機能であります。私の尊敬する通信社のある記者は、最近の記事で、ジャーナリズムの本義は権力の監視にあると断言しておられます。そして、権力の不正に関する情報は外部からもたらされることはないんだと、内側にいて間違いを正したい、そういった内部告発者からこそもたらされ、それがジャーナリズムを機能させているんだというふうに指摘されております。
 全ての人や組織に矛盾があります。そのように、あらゆる権力も矛盾をはらんで必ず不正や腐敗があると思います。権力の内部にいる公務員の皆さんは時の権力に奉仕するわけではなくて国民に奉仕するわけですから、不正を通報するのは国民の義務としても当然ではないでしょうか。権力の内部で不正を告発する人の存在はジャーナリズムの健全な成長にとって不可欠なことであると思います。そして、それは民主主義社会にとって不可欠なものであると思います。秘密保護法案は、この民主主義社会にとって不可欠な存在を懲役十年の重い罰則で抑え込むことになる。これが日本社会と民主主義の健全な発展につながるとは到底思えないと指摘させていただきたいと思います。
 終わりに、国の政府の情報は誰のものかということに言及をさせていただきたいと思います。
 政府の情報は、主権者である国民のものであり、政治と政策に対し私たちが適切な意見を述べるためには、全てが公開されることが前提になっていると思います。私たち報道の仕事も主権者の判断に資することが重要な責務の一つだと考えております。もちろん、一定程度の秘密は一定期間は公開できない、そういったものがあることも現実であると思います。しかし、法案では六十年も秘密にできることになっている。六十年後では当事者の多くは生きておりません。それでは検証や、検証効果からより良い政治と政策を実現することも不可能になってしまうのではないかと思います。
 さて、自民党の石破幹事長は街頭デモをテロ行為と共通していると指摘されました。撤回をされましたが、事の本質が解決されたとは到底思えません。秘密保護法案ではテロリズムを、政治上その他の主義主張に基づく、国家若しくは他人にこれを強要するといったように定義しております。このとおりなら、新聞の社説やコラム、そしてあらゆるジャーナリストの原稿もテロ扱いされるのではないかという声が新聞記者仲間からも上がっております。まさに、この部分にこの法案の本質が隠れているのではないかと指摘せざるを得ません。
 この法案の審議を見る限り、私たち報道関係者の危機感は増すばかりであります。国会では、処罰対象となり得る取材方法について、質問に答える範囲でしか説明をされておりません。当局の恣意的な運用が起きることは確実だとほとんどの記者が考えております。政府・与党は今国会で成立を急いでおられますが、参議院は良識の府であります。衆議院のような強行可決は絶対に許されないと思います。
 このような問題が多過ぎる法案については廃案にすべきだと訴えさせていただきまして、終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
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中川雅治#8
○委員長(中川雅治君) ありがとうございました。
 以上で参考人の方々の意見陳述は終わりました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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江島潔#9
○江島潔君 おはようございます。自由民主党の江島潔と申します。
 今日は、三人の参考人の先生方に本当にお忙しい中御出席を賜りまして、御意見を拝聴させていただきまして、ありがとうございました。
 それでは、順に参考人の先生方に質問させていただこうと思います。
 まず、瀬谷参考人にお伺いさせていただきます。
 先ほど御意見御陳述された中で、日本が米国の傘の下で長い間守られてきた分、少し日本人はこの秘密というものに対して鈍感になっているのではないかという御意見を伺いまして、私は、ああ、それはすごくあるんだろうなということを感じたところであります。
 近年は、御案内のように、非常に隣国との領土に関するあつれきというか、いろいろな圧力が掛かってきているところでありまして、それに対しまして日本国としては領土をしっかりと堅持するための様々な対応を取っているわけでありますが、実態としてはこれは、しかしやはり米国との同盟関係なくしては全く恐らく歯牙にも掛けられないだろうなというのが悲しいかな現状でございます。
 こういう中で、やはりこの日米の同盟というのは非常に重要だなということを改めて感じたところでありますが、一方で、日本独自としてどういうことができるのかということに対して今まで余りにも考えてこなかったというのは、もう御指摘のとおりではないかと私も感じるところであります。
 一方で、瀬谷参考人は金融界で長らく御活躍をいただいたわけでありますけれども、私も存じ上げている範囲では、非常にこの金融界というのは、例えば内部情報に対しての少しでも漏れるということが物すごく厳しく律せられる、あるいは場合によっては罰せられる、インサイダー取引なんかではもうどんどん逮捕者が出ると、厳しい世界だなということを私も外部にいて感じているところでありますけれども、それだけやはり情報が漏れると誰々が特定の不当な利益を得るとか、あるいは別のグループが特定の不利益を被るということが非常に明確になる世界であろうと思いますし、また、だからこそこの明確なルールがあり、あるいは厳しい罰則があるんだと思うんですが。
 この一方で、国益を守るための情報というものに関しましては、例えば我が国の国益を守るべき防衛情報が漏れた場合に、即座にそれが不利益となって現れるというよりも、むしろじわじわとボディーブローというような形で効いてきて、何年かにかけて日本の防衛技術であり、あるいは防衛体制に対する対策を取って、結果的に日本の防衛力が有効に働かなくなるというような形で効いてくる。なかなか目に見えてすぐ、その情報が漏れるということがどれだけの不利益になるかというのが分からない世界でもあると思います。
 そういうものに対する懸念を、今回は、厳しい公務員を主とするこの情報管理をする集団に対する特定秘密保護法案というふうに私は理解をしているところでありますが、瀬谷参考人の御視点から見て、この金融界のいわゆる情報管理、そしてそれに伴う様々な罰則規定に比べまして、今回のこの特定秘密保護法案の罰則規定を設けるということに対しては、どういうふうにお考えでございましょうか。
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瀬谷俊雄#10
○参考人(瀬谷俊雄君) ただいまの江島先生の御発言は、誠に私は当を得たものであると。先ほどちょっと触れましたように、我々金融業というのは、今日から銀行を開きますといってオープンできるものじゃないと。必ずこれについては、許認可といいますか、我々とすれば金融庁の認可を得て仕事をしているし、業績についてもあるいは内部の不祥事件についてもあらゆる問題について管理監督を受けているわけでございます。もちろん銀行法という法規もございます。
 ですから、先ほど申し上げましたように、我々はその範囲内においてきちんと仕事を進めていって、もしよしんば何かそういった、今の秘密漏えいや何かにつきましては、先生おっしゃったように、法的に言えばインサイダーの問題もあり得ますし、あるいは再びの不祥事件もありますが、前者の場合には、いろいろな意味において、金融庁からの処罰という問題で業務改善命令なりなんなり出てきますし、物によってはこれは一つの刑法にも抵触いたしますので、そういうことで逮捕されると。もちろん新聞に報道されまして、レピュテーショナルリスクというものが大きく拡大すると。そういう意味で、何といいましょうか、そういうルールがうまくワークしていると私は思っております。
 ところが、今回のこの特定秘密、これは全く我々の民間のそういったビジネス上の問題とはジャンルが違うと。先生おっしゃったように、国益の問題にぶつかるわけです。じゃ、その場合、国益とは何ぞやと。国益と言えば全てがもう黙らざるを得ないほどあれなのかと。
 もう一つは、知る権利ということです。知るって、どこまで知りゃいいんだと。例えば、我々は何度か衆参両院の選挙をやらせていただいています。選挙は何だといったら、その政党が掲げる一つの政権運営に対する信任投票あるいは不信任投票であるかもしれないし、あるいは洗い替えかもしれないんですよ。そのとき、じゃ、どれほどまでの情報を全部開示しているかといったって、それは今の与野党、ここから先は少し言葉を差し控えますけれども。
 じゃ、そこのところは、例えば防衛に関する情報、あるいは今問題のTPPに対する、一センチ以上も譲れないとおっしゃっているその一センチの中身は何だと、こうおっしゃっても、それは政策当局は知っているけど、それをなぜ開示しないと。じゃ、それはマスコミの方々が一センチの中身をもっと開示しろと、せめて全部とは言わないけど九ミリぐらいまで開示しろとおっしゃるのかどうか。この辺の開示を迫る正当性とはどこにあるのだろうかと。つまり、だから知る権利というのは、一体何がどこまで、それを言わば当然知らしめて知るべきなんだろうかと、それが、そのルールが貫徹されなければその国はもう駄目なのかと、この辺について私は非常に疑問を持っております。
 あと、ついでに申し上げたいのは、今のお二方の参考人の御意見を拝聴していますと、やはり行政が、何というか、国政というか憲政に対する優越といいますか、やっぱり独走するんじゃないかと、そういう懸念といいますか、何というんですか、行政優位でどんどん事を運んじゃうと、それの懸念はあり得ると思います。そういう御懸念はあり得ると。このままこれが成立していくと、やはり場合によってはその恣意的な運用というものは出てきて、それがある種の弊害をもたらすかもしれないと。
 じゃ、私はこの日本のシステムというのは、政権というのは、まあ一つの政党が政権をお取りになってある政策を進められると。でも、それが何年か後には必ず衆議院の場合には解散総選挙となりますし、この良識の府といえども六年間たてば一応洗い替えが行われると。そこで、例えば今幾つか申し上げた、そういったTPPの問題にしろ日米安保の問題にしろ、もっと突き詰めて言えば沖縄というものの存在をどういうふうに定義付けるか、それをどう将来考えていくかと、この問題について私は十分過ぎる情報はもう開示されていると思う。それが不当に、何といいましょうか、抑圧されることはないと、こう思っております。
 だから、例えば、私は経済関係を主としてやってまいりましたから、いつも記者会見というのは日銀記者クラブでやるんですよ。日銀記者クラブというのは日銀の片隅にありまして、そこにマスコミの方が集まるのでございますけど、ここも実を言うとかなり閉鎖的でございまして、誰でも入れるわけじゃないんだ。その認めた人しか入れない。どうしてそうなっているか分からぬけどね、だから地元の秘書が来ても入れないというんですよ。なぜ入れないんだと言ったら、いや、そこはちゃんとそうなっている、全てがそうですと。全てがそうですということは、通産なら通産、大蔵なら大蔵でそういう記者クラブがあって、そこがそれなりのグループをつくっているから、そこが一つの、まあちょっと何というか、なれ合いみたいなところになっていてね、そこを声高にどうこう言いますけど、そんな問題はないと思う。
 だから、例えば言論の弾圧なんというのは、明治時代じゃあるまいし、そんなことで恐らく政府はもたないと、絶対もたないよ、いずれ潰れるんだから。だから私は、個々の問題があっても、最終的には選挙という洗い替えの制度がある以上、その点はもうちょっとおおらかに見ていいんではないかと。
 ただ、今諸先生がおっしゃったように、私も初めて耳にするお話がいっぱいあるんですけれども、これはやっぱりちょっと危ないなと。いや、決して笑い事ではない。だから、第三者機関設けるなら、俺も年だけど委員に立候補して出てみようかなと。
 そういう、何というか、要するにコモンセンスという枠で考えた場合に、私は、ちょっと瑕疵はあるだろうけど、まあいいじゃねえのかと、これは必要だよと。当然、この辺で、日本という国も少し情報音痴という面から独立して、日本としての主権をどう守るべきかということについてきちっとした対応をしたらいいと。
 例えば、中国が設定した例の領空の問題ですね。あれもかなり恣意的なお話でございまして、今日、総理と何かバイデンさんが話をするということらしいですけれども、あんなものもやっぱりこれは非常に許せない話でございますし、そういう事象が起きてくればくるほど、やっぱり我々としては、本来、国民が本当に知らなくちゃいけない問題、そういう問題の情報と、それから特殊なそういう防衛関係、外交関係、あるいは通商関係の情報については、その一部のところはやっぱりひとつシークレットにしておいていいんじゃないかと、こう思う次第でございます。
 ちょっと御質問の趣旨に沿ったかどうか分かりませんが、以上でございます。
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江島潔#11
○江島潔君 ありがとうございました。
 それでは、江藤参考人、日比野参考人に一つずつお伺いさせていただきます。時間の関係上で、もう簡潔なお答え聞かせていただければと思います。
 まず、江藤参考人には、弁護士の御専門の立場から大変にまた貴重な御意見いただきました。
 その中で、一点、六十年間というこの期間が長過ぎるという御意見ございましたのですが、これは私が今理解している限りでは、修正協議の中で、最長三十年、そこから先は五年ごとに時の内閣が延長するかどうかを調べながら、それでもマックス六十年。それで、六十年とした理由というのは、やはり人的情報になりますと、例えば二十歳のときにかかわった人が三十年だとまだ五十歳で十分存命なので、そういうものに関しましては非常に特殊な例として三十年延ばすという、私はこれに関しては非常に納得をしているところなんですが、この点に関して、この六十年というのは、私はある程度納得しているんですが、それに関しての御所見をお伺いできればと思います。
 それから、日比野参考人におかれましては、マスコミの立場から取材の正当性、そして民主主義の成り立ちが、そこが立脚しているというのは本当に私もそれは感銘を受ける御意見でございました。その中で、この取材の方法というのが、いわゆるその通常のというところなんですが、恐らく今回想定しているのは、通常というんじゃなくて、いわゆる飲ませ食わせとか、あるいは色仕掛けとか、そういうものも絡めた、おかしな、常軌を逸した取材というものを想定しているのか、そこの点に関してはどういう御所見でございましょうか。
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江藤洋一#12
○参考人(江藤洋一君) 確かに先生のおっしゃるような事態はあるとは思うんですが、そこだけを取り出すと確かにそういうふうに見られるかもしれませんけど、規定の運用の仕方、在り方から見ると、六十年というのはいかがかという意味で先ほど申し上げました。
 さらに、もう一つ言わせてもらえば、その例外の中を見ていただくとお分かりのように、結構たくさんありますよね、六十年を超えるものもあるということで、これは果たしてそれほどのものなのかどうなのかが国民に分からないままであるということの危険性ということを申し上げたわけでございます。
 例えば、外国政府との約束でそういうふうに言われたものと申しましても、例えばですよ、じゃ、そういうふうに、そういう提供の仕方をしてくれと言えば恣意的にそれが運用されるというのは幾らでも可能なわけでございます。つまり、ある種の黒船論のような話でございまして、外国から言われています、だから出せませんと。でも、その外国へ依頼したのはどなたですかということは分からないし、それが本当にそんなものなのかどうかというのは分からないというのが、根本に私は疑問があるというふうに思っております。
 その中で考えますと、確かに今言った、先生がおっしゃった例は、個人的な存命の期間にそういうことが明らかになる、それはそうでしょう。だけど、そこに書かれていることが全てがそうなるとは限らないし、むしろ危険の方が大きいのではないかという趣旨で申し述べさせていただきました。
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日比野敏陽#13
○参考人(日比野敏陽君) ありがとうございます。
 取材の方法、手法について、常軌を逸したもの等についての御質問でありましたが、取材の手法、形というのは、何が常軌を逸しているのか、何が正当なのかというのは、やはりその時代によっても違いますし、その人の判断によっても違いますから、そういった取材の手法が問題にされるのではなくて、結果的にどんな手法であろうと国民に伝えるべき、本来伝えるべき、つまり、ある種の権力によって恣意的に隠されているような情報については伝えるべきものを伝える、その伝えるべきものが、その伝えたものが国民の知る権利に資していればそれは全然問題がないというふうに思いますし、そういった取材の形で判断されるということは本来あってはならないというふうに思います。
 何が常軌を逸しているのか、そもそも何が常軌を逸しているのか逸していないのかを誰が判断するのかというのは、この法案では捜査当局になるわけですから、それは私たちの立場としては到底受け入れられないというふうに言わざるを得ないというふうに思います。
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江島潔#14
○江島潔君 どうもありがとうございました。
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白眞勲#15
○白眞勲君 おはようございます。民主党の白眞勲でございます。
 今日は、お三方に来ていただきまして、本当にありがとうございます。早速でございますが、質問の方させていただきたいと思います。
 江藤参考人、日比野参考人は、それぞれ廃案に、この法案についてすべきだというお話をされました。また、瀬谷参考人は、今のお話を聞いていますと、今のお二人の参考人の話を聞いていて、ちょっと危ねえなと思ったよというお話をされたと思うんですね。
 つまり、やっぱり私、そこが本質だなと思っているところがありまして、この法案の重要性とか、この、今まさに瀬谷参考人がおっしゃいましたように、危ねえなとみんな思っているんですよ。秘密を国が持つのは当たり前じゃないかと、その管理する法律については当たり前じゃないかというのは、我々民主党でも、恐らくここにいる議員の皆さん、あるいは傍聴人の皆さん、見ていらっしゃる皆さん、みんなそれは思っていらっしゃる。しかし、内容的にはもっともっと議論をしなければいけないんじゃないのかという部分、そしてまた、国民の皆様がそれをしっかりと把握して判断をしていただくような議論をしていかなきゃいけないというふうに私は思っているんですね。
 そういうことの中で、瀬谷参考人にちょっとお聞きしたいことがあります。この前、福島の公聴会で七人の、御存じのように意見を述べられた方の中、賛成者、この法案についての賛成者は一人もいらっしゃらなかったと。慎重に国民のために議論を尽くすことが大切だとか、あるいは原発事故の経験の関係で、一番大切なのは情報公開だというふうに語った方もいらっしゃったということでして。ところが、その翌日に衆議院ではもう可決をされてしまったんですね、我々は強行採決と言っているわけなんですけれども。
 つまり、福島の公聴会は単なる儀式にすぎなかったんじゃないか、こういう非常に厳しい意見も相当あるわけなんですけれども、瀬谷参考人は福島との御関係も非常に深いわけですし、それからまた、第二次世界大戦も御経験されているという、戦前のそういう日本の状況もよく御存じの中で、やはりこういう議論というものについてどういうふうにまずはお考えになっているのかをお聞きしたいと思います。
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瀬谷俊雄#16
○参考人(瀬谷俊雄君) 私も、この問題については非常に遺憾に思っています。普通、何かいろんな問題があって、例えば消費税導入のときもそうでございましたけれども、各界からパブリックオピニオンを募って意見を聞くんですよ。私は、消費税のときにはそれをやりまして、そのときは、それの元請と言っちゃなんですけれども、どんな人を選んでどんな意見を開陳すべきかと。私は、単に銀行という立場を離れて、何というんですか、福島の一つの識者として委託されたと思って、一生懸命選びました。大体それで、賛否両論では半々に分かれましたね。それはもちろん、お願いするときからある程度予期しているわけです。
 ところが、今回の問題は、全然私の知らぬことに、誰が決めたか知らないけれども、私は関与していないんですよ。それで、こうなっちゃったんで、某先生に申し上げたんです。あれは一体何ですか、あの問題は。少なくとも、県民二百万いたらば、その中でこの問題についてどうこうといろいろ賛否両論あってしかるべきだ、それが全く全部反対になっちゃったと。その翌日に、先生おっしゃるように強行ですかね、あれはね、採決が行われて、ああなっちゃった。私自身も非常にこの問題については違和感を持っております、これは率直なところ。
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白眞勲#17
○白眞勲君 ありがとうございます。
 瀬谷参考人は、秘密については、これは重要性な部分というのはあるんだというふうにおっしゃっておりますけれども、やはり国益と知る権利が、何がどこまで、国民の知る権利と国益との関係について疑問を持っているんだということを、今おっしゃった中での、行政が独走する懸念というものを今御指摘されました。まさに私はその部分が今回非常に重要な部分でして、今、民間の銀行としてのその倫理、銀行員の倫理というのはこれは大したものだということをおっしゃいましたけれども、あえて言わせていただければ、公務員の皆さんの倫理も非常に高いものが私はあると思っております。ヤジ
 ええ、私、日本は世界一だというふうに瀬谷参考人おっしゃっていただきましたが、まさにそのとおりで、そしてまた、今も特別管理秘密という形できちっとそういうものを管理されているという中で、そういう部分ではほとんどは大丈夫だという中で、あえてここでこういったまた厳しい刑罰を処すというものについての御意見がもしありましたら、瀬谷参考人、お聞かせいただきたいと思います。
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瀬谷俊雄#18
○参考人(瀬谷俊雄君) 先生の御指摘はもうごもっともでございます。
 ついでに、不祥事件が多いというのは、広い金融界で、金融証券で、証券業も結構多いんですよ。私は、何年か前に頼まれまして、日本証券業協会の下に倫理委員会というのがあるんです、英語に直すとコード・オブ・コンダクトというんですけれども、それを何年やりましたかな。例えば、金融庁の検査とか、そこで発見された事犯とか、こういうのは非常にレベルが低い話だと、やっぱり、それは皆さん、証券業界としてこういう不正な取扱いはいかぬということを一つの倫理規程として厳しく縛らないといかぬということで、締め付けをしたわけですね。これは非常に有効に私は機能していると思います。
 それと同じように、今先生御指摘のとおり、日本の場合には、自衛隊法もあったかな、いろいろ各省ごとに法律ありますけれども、かなり厳しいそういう縛りがあると。にもかかわらず、なぜこの場に及んでこういうものを出してきたかと。それは、やっぱり一つは状況の変化だろうと思います。
 状況の変化というのは、国際的な緊張であるとか、あるいはいろいろな、例えばテロ行為に結び付きかねないような、例えば原発関係の機密情報とか、こういうものをどうにかされてしまうというリスクというのはやっぱり潜在的に高まっているんじゃないかと。ですから、平和日本として戦後何十年やってきたとき、高度成長の時代は誰もそんなこと考えなかったと。でも、ここへ来てそれがどうやら現実の問題になりかねないという危惧の念があるから、やはり政府としてはそれを急いだんではないかと、こう思われますけれども。そんなことでございます。
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白眞勲#19
○白眞勲君 ありがとうございます。
 瀬谷参考人も御存じだと思うんですけれども、原発については、警備状況については特定機密には入るけれども、原発自体は秘密には入りませんというふうに森大臣おっしゃっているんですね。ただ、我々としては原発も入れるのではないんだろうかという懸念を持っておりまして、そういった部分でもっともっと慎重にその辺りはきちっと審議をしていかないと、国民に本当の意味でのこの法案の意味というのが分かってこないのではないのかなというふうに思っているんですけれども。
 時間もなんでございますので、江藤参考人にお聞きしたいと思うんですけれども、先日、十一月二十九日のこの委員会で、宇都さんいらっしゃらないですね、ちょうど宇都議員が質問したんですね。日弁連が出したこれについて、宇都議員が、ミスリードのような気がしますというふうにおっしゃいまして、日弁連のいらっしゃらないところでそういうことを言われたら、やっぱりそれは反論の機会をちゃんと持ってもらわないといけないんじゃないかなと思いましたが、ちょっと聞きたいなと思っているんですけれども、何で宇都さんいないの。委員長、ちょっと止めてください、これ。ヤジ
 じゃ、まあいい、後で議事録見てもらうように私の方から言うにしても、公務員はもちろん取扱業務者にも含まれますけれども、特別秘密に指定された事柄を偶然研究の対象にしていた研究者や関係企業の技術者、仕事上、特別秘密に当たる事柄を知らされた労働者なども広く処罰の対象にされます、何か、あたかも正しいような書きぶりをしているんですけど、いきなりこんなことが起きることはあり得ないわけですねと言っているんですが、この辺りについて、江藤参考人、言いたいことがあったらちょっと言っていただきたいなと思います。
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江藤洋一#20
○参考人(江藤洋一君) それは、可能性として絶対に間違っている話ではなくて、起こり得ることですので、それは常に最初から全てきちんとそういうふうになるという意味ではなくて、情報というのは流れていっているわけですから、誰かが漏らす、漏らされた人は取得する、取得した人がまた漏らす、こういうプロセスの中にありますから、その連鎖の中に入った人はそういうことが起こり得るということは決して間違いではないというふうに考えます。
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白眞勲#21
○白眞勲君 まさにそうでして、我々法案を扱うというか、法案を我々審議する立場としては、やっぱり最悪の状況、一体、これもしかしたらこうなるんじゃないかということも含めながらやはり考えていかなきゃいけないのであって、そんなこと起こるわけないじゃないですかと言ったら何でもかんでもそれで済んじゃう話になるわけですから、そこはしっかりと文案と実際にどうなんだということを慎重に審議することこそが一番重要なのではないのかなというふうに私ども思っております。
 そういう中で、日比野参考人にお話を聞かせていただきたいと思います。
 私も新聞社の片隅にいた人間として、日ごろからそういうものにも接しておったときに感じることは、我々何げなく記事を見たときに、たったの一行でも記者たちは本当にその記事を、そこの一行を書くために大変な思いをして取材活動をしている。なおかつ、一人の記者が一つの記事を書いているわけじゃありません。一つの記事、その一行の中に多くの記者たちが集まってきて最終的にその記事が成り立っているということも多々あるわけなんですね。
 そういう中で、今回、特定秘密のこの法案ができるという中で、ちょっとその前の段階として私聞きたいんですけれども、今までも様々なスクープというような記事があった、あるいは政府関係者はとか、そういう言い方で記事を書いている場合も多々見受けられますけれども、それに、今までそういった中で様々なところからこの記事を書いた人は誰なんだとか、あるいはどこから漏らしたんだというようなことは働きかけはあったのかどうか、現場の実際にやっていらっしゃる方から聞きたいと思いますので、お話聞かせてください。
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日比野敏陽#22
○参考人(日比野敏陽君) 御質問ありがとうございます。
 私自身として立派なことを語れる経験は余りありませんが、個人を特定するような事例はなかなか出せませんけれど、最近の、本当に最新の記事で、ある記者が、これは全国の新聞に掲載されておりますけど、このように述べておられます。この方は、歴代の外務次官経験者を取材して、米軍による核兵器の持込みについてのいわゆる核密約の管理実態を明らかにしたことがあると書いておられます。記事を書いた直後に政府高官から呼び出され、そして元公務員、次官経験者が取材対象者とはいえ、国家機密を聞き出し暴露したため、国家公務員法違反の教唆犯になると直言されたと書いておられます。何とも言えぬ不気味さが臓腑に沈殿したのを覚えておると。まさに、この秘密保護法ができれば、こういった記者の活動が訴追対象になることは明らかだというふうに思います。
 このような明らかなものだけではなくて、私たち記者仲間でも、つい先日も私、あるところで書かせていただいたんですが、在日米軍基地の取材をずっと日常的にしている記者が、ヘリコプター、航空機の一部の外形、燃料タンクなどがちょっと違うと、いつもと違うということについて、あれは何ですかと当局者に伺ったところ、少し説明があったと。しかし、その日のうちに、あれについては書かないでくれという電話があったと、かなり厳しい口調であったというふうな体験を私に話してくれた記者がおります。
 明らかにこれも、私たちは、何が秘密か、それが秘密というやつだなというふうに思っておりますが、そういったことは、実際に逮捕とかそういったことには至っていなくても日常的に各地で行われていて、新聞記者だけではなくていろんな、ジャーナリスト等含め多くの方がそういった現実に現場でぎりぎりとはね返して報道しているというところが現実だと思います。
 したがって、こんな法律ができたら、そういった現場での何とかはね返して伝えるという仕事がかなりやられてしまうのではないかなというふうに懸念をしております。
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白眞勲#23
○白眞勲君 私自身、韓国の新聞社におった関係で、当時の独裁政権と言われている時代からいろいろ聞いていますと、相当やっぱり私の先輩の記者の皆さんというのはその中で本当に命懸けで取材をしていると。
 でも、私は日本というのはそこは、何というんですかね、もっともっと国民の知る権利ということを基本にやっているという部分が、やっぱり記者が伸び伸び取材ができ、そして国民が伸び伸びそれを知ることができ、そして最終的に判断ができるような国にしていくべきだと。秘密は秘密として国民へは理解を得なければいけない、その部分だと思うんですけれども。
 瀬谷参考人、最後にもう一つ、この法案について、これはもう一回考え直した方がいいんじゃないかというふうに、思いはあるでしょうか、お聞きしたいと思います。
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瀬谷俊雄#24
○参考人(瀬谷俊雄君) 私は、これは通過させてよろしいのではないかと。なぜならば、いろんな、立法とかいろんなルールができますけれども、初めからそれでパーフェクトなんかないですよ。やっぱりやってみて、試行錯誤ということは当然あり得るべきでしょうし、これだけの問題でございますので先生方の御懸念も分かりますけれども、私は、これがさほどその知る権利というものを大きく侵害するという事態にはならないと、こう思っておりますので、私は、結論から申し上げますと、この法案は成立させてよろしいのではないかと思っております。
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白眞勲#25
○白眞勲君 今、成立させてもよろしいと。でも、やっぱり慎重審議は重要だということは、最後に一言だけお願いします。
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瀬谷俊雄#26
○参考人(瀬谷俊雄君) それは、慎重審議はやっぱり必要でございましょう。今日耳にした幾つかの事例は私初めて伺いましたけれども、それが本当に現実のリスクとして顕在化するという懸念があるならば、それを防ぐような何らかの手だては講ずべきではないかと思います。
 以上でございます。
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白眞勲#27
○白眞勲君 ありがとうございました。
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新妻秀規#28
○新妻秀規君 公明党の新妻秀規でございます。
 瀬谷先生、江藤先生、日比野先生、大変貴重な御意見、ありがとうございました。私自身も、この国と国民の安全を守るために一定程度の情報を保護すること、これは必要だと考えております。これは多くの党が、全てではないにしても、必要だと感じていることではないかなと感じております。同時に、行き過ぎた情報の保護ということが知る権利の侵害につながるので、この両者のバランスを取るということがこの衆参を通した国会での審議だったのかなというふうに理解をしております。
 今の参考人の皆様の御所見を拝聴いたしまして、様々な論点があるなということも改めて実感をさせていただきました。
 今日は、まず、知る権利、先ほどからも話になっております知る権利についてお尋ねをしたいと思います。
 今、日比野先生からもるるありましたし、また江藤先生も触れられたように、知る権利、大変重要な権利でありまして、ただ、この知る権利については、当初、政府案に、政府の法文にはなかった知る権利が与党内の協議の中で盛り込まれまして、またさらには、衆議院の修正において、法文の二十四条に、特定秘密の取得罪が目的犯に限るということで通常の取材行為が処罰の対象とはならないということが明らかになったと理解をしております。
 ここで、知る権利、また報道の自由について、今、日比野先生がおっしゃったことはきちんと理解しましたが、瀬谷先生また江藤先生に御所見を伺いたいなと思います。
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瀬谷俊雄#29
○参考人(瀬谷俊雄君) 知る権利というのはなかなか厄介な権利でございまして、じゃ一体どこまで、どの程度まで知ったらいいのかという問題が当然起きてきます。先ほどどなたかの、白先生でございますか、核の持込みの問題についてお話がありましたけど、私に言わせりゃ、冗談じゃないよと、こんな非核三原則などといったって建前だけで、入っているのは百も承知だという程度の問題でございましょう。だから、そんなこと言っちゃちょっといけないかもしれないけれども、そういう意味で、じゃ何をどこまで、例えばエンタープライズには、プルトニウムの爆弾を何発積んであるとか、それから積んである艦載機の飛行距離は片道五千キロまでオーケーだから十分北京、上海はその射程に入るとか、そんな生々しいものを聞いてみてもしようがないと。そこにいるというだけの存在がもう一つの情報開示ですから。
 だから、私は、今言ったとおり、国民生活に直結するという意味からいいますと、ナショナルディフェンスといいますか国防という、国土が侵害されないと、それから、外交的にはそれ相応の最恵国待遇でやると、通商も同じであるということが主であって、あとほとんどの問題は国民生活のそれ自身ですよね、直接かかわるもの。例えば、年金制度がどうなるの、介護の問題がどうなるの、医療、福祉はどうなるのと、こういう問題でございます。これについてはほとんど非開示情報みたいなものは私はないと思いますよ。
 だから、それが一番の関心事であるなら、国民の知る権利というのはどこにどうあるべきかといった場合には、やはり自分の身近な、言わば実際の生活に直結するような、こういう情報が十分に開示されておればそれでいいんではないかと、こう思っているわけでございます。だから、ほかのものは、やっぱりそういった意味では当然限定されたある特殊な情報でございますし、それにかかわる人たちもごく一部の人でございますから、一般市民がそんなことでアウトということはまず現実の問題として起き得ないと思っておりますから、私はこれでいいんだろうと思っています。
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