伊佐進一の発言 (安全保障委員会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○伊佐委員 おはようございます。公明党の伊佐進一です。
本日も、限られた時間、十五分間ですので、ワンイシューで質問させていただきたいと思います。
先ほど中山先生の方から南極の話がありましたので、私の方からはきょうは北極の話をしたいと思います。北極の氷が解けることによって日本の安保環境がどういう影響を受けるのかという議論です。
昨年の十二月に閣議決定されました国家安全保障戦略、この中にも、国際公共財、グローバルコモンズとして海洋と宇宙、そしてサイバーというものが掲げられているわけですが、もしかすると北極海というのは海洋の中でグローバルコモンズにならないかもしれない、こういう議論です。いかに北極海を平和の海にしていくかという点で議論させていただければと思います。
まず、先日まで横浜で開催されておりましたIPCC、気候変動の政府間パネルですが、この報告書の中にこうあります。北極海の氷がどんどん解けてきている、既に後戻りのできない状態になっている、一九七八年以降どんどん縮小してきております。
これまで、氷に閉ざされた地域、経済的にも軍事的にも、北極海というのは閉ざされた海でした。ところが、今、ここが開かれた海になってきている。つまり、安保上の話からいうと、北極海というのは背後の岸壁であって、ここをバックに守ればよかった、ところが、今、ここは開かれた海になってきている。配付した資料を見ていただくと、夏の六月から十一月まで、北極海航路、ロシアの北側の部分、ここが開通するようになりました。
私は、この点で三つの影響があると思っております。
まず一つは、航路、海の道という点です。極東と欧州を結んでいくのは、これまでであれば、マラッカ海峡を通ってスエズ運河を通って、大体一万二千海里と言われています。これが、開通した北極海航路を通っていくと六千五百海里、ここにはキロで書いていますが、一万三千キロ、大体約六割に短縮される。しかも、北極海のこの地域というのは、何よりも海賊のリスクが少ないという点があります。これまで実は、例えば二〇一〇年のデータでは、この北極海航路は船舶が四隻しか通っていませんでした。ところが、その三年後、二〇一三年には、七十一隻の船舶がこの北極海航路を通るようになっております。
もう一つの観点が資源です。この北極海の地域というのは、たくさんの石油であるとか天然ガスが眠っておりまして、世界全体の未発見の石油の一三%、天然ガスの三〇%が眠っているというふうに言われております。しかも、この地域は、北極海というのは実は深度が浅いんです。太平洋地域とか大西洋とかインド洋と比べると非常に浅いので、天然資源を掘りやすいというようなメリットもあります。
三つ目の観点、三つ目の変化が、安保環境の変化ということになります。この北極海というのは、特に冷戦期、ソ連の戦略原潜と、またそれに対してアメリカの攻撃型原潜が入って、つばぜり合いを繰り返していました。こうしたところが、今、潜水艦だけじゃなくて、水上が道が通るようになった。つまり、ヨーロッパと極東の間で機動的に戦艦を展開することができるというような状況に変化をしてまいりました。
そこで、こうしたさまざまな変化があるこの北極海ですが、私がまず最初に質問させていただきたいのは、恐らく、今のこの変化に伴って北極海にまつわるさまざまな国際的な課題が出てくると思います。
南極には南極条約というのがある。南極条約によって、例えば領土主権であるとか請求権、こういうものが凍結されていたり、あるいは資源についても、どの国も資源活動をすることは禁止されている、こういうルールがあるわけです。
では、今こういうさまざまな変化がある北極海に対しては、どういうような国際的なルールが適用されるか。あるいは、こうしたさまざまな課題について、特にこの北極海について、どういう場で今議論が進められているか。これについてまず質問させていただきたいと思います。