伊佐進一の発言 (安全保障委員会)
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○伊佐委員 北極海は南極と違って海であるということで、国連海洋法条約というものが適用されるということだったと思います。この国連海洋法条約、グローバルコモンズをどうやって確保するかという観点は当然あるわけですが、実は北極海というのは非常に特殊です。このグローバルコモンズという観点から、果たしてそれがどうなのか。
例えば、この海洋法条約には二百三十四条という条文が一条入っています。これは、海洋法条約の交渉の過程の中でロシアとカナダがかなり強硬に主張して、ごり押しをして入った一つの条文があります。何が書かれているかといいますと、氷に覆われた水域については環境保護のために沿岸国が法令をつくってよい、そして、その国内法がさまざまな航行してくる船舶に対しても適用されるというような特殊な条文、国内法が適用されるんだという条文が入っています。
この条文によって、実は沿岸国はさまざまな主張をしておりまして、例えば、ここは内水だと。北極海ですが内水だと。つまり、領海のさらに内側の。無害通航権すら他国には与えられていないという主張をする国があったりとか、あるいは、本来であれば、EEZ、排他的経済水域の範囲の中では自由な通航ができるわけですが、例えばロシアの場合は、このEEZの中を通るときにはロシアの砕氷船を先頭にしていかなきゃいけない、そしてまた通航料も払わなきゃいけない、こういうようなロシアの措置がなされている。つまり、何らかの形で、北極海というのは実は航行がかなり制限されているというような状況です。というのは、実は北極海はほとんどがEEZに入ってしまいます。
先ほど政府から発言ありました北極評議会、これについても、確かにこういう枠組みがあるんですが、日本はこれに関与していくのは非常に容易じゃない。つまり、非常に寡占的な協議体、閉じられた協議体になっておりまして、沿岸国が中心になっておりますもので、なかなかほかの国が自由にさまざまな議論を発言権を持ってするというような状況に至っていない。
日本は確かに、昨年五月にやっとオブザーバーとして認められて入ったわけですが、日本がどういう選択肢を持ってこの協議体の中で発言をしていくか、影響力を持たせていくかというと、アメリカはアラスカがありますので沿岸国ですから、アメリカと協力をし合っていくということも一つ手としてはあるんですが、実はアメリカも、沿岸国の中で、北極評議会の中でそれほど強い力を持っていないんです。
それはなぜかというと、アメリカは実は海洋法条約を批准していません、入っていない。この北極評議会八カ国の中でアメリカだけが入っていない、それが一つ大きな足かせに実はなっているというような状況です。
では、日本がどのようにしてこの国際的な議論に向き合っていくか、北極海に対してどのように戦略的に向き合っていくのか。今どういう検討を政府の中で進めているかについて、お伺いしたいと思います。