阪口直人の発言 (外務委員会)

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○阪口委員 この件に関しては、与党も野党もなく、日本人の命を守るということ、同時に、これは大変に重大な人権問題でもありますから、国際社会と一致協力をして解決に向けて努力をするということを、ぜひ、まさに我々と一体となった努力を行ってまいりたいと思います。
 次に、先日、安倍総理が安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会の報告書に基づいた説明をされました。私は、その中で、PKOの駆けつけ警護に的を絞って質問をさせていただきたいと思います。
 まず、安倍総理が説明をされる中、冒頭で、カンボジアの平和のために活動中に銃撃をされて命を落とされた中田厚仁さん、そして高田晴行警視の話をされました。安倍総理におかれては、先日、カンボジアを訪問されたときには、プノンペンのウナロム寺院にある中田厚仁さんの墓前にも行かれて手を合わされたということで、私は、これは本当に、野田総理あるいは皇太子様ともども、二十年前のこういった若者の貢献と死に対して、総理が思いを持って対処してくださること、非常に感謝をしております。
 一方で、私は、まさに一九九二年から三年にかけてのカンボジアPKOにおいて、中田厚仁さんと同僚として活動を行っておりました。その中で、総理がこの中田さんの例を挙げたことについては、現場の状況に照らし合わせると、私は違和感を感じることもございます。当時、PKOの現場にいたという視点から、駆けつけ警護を取り巻く状況がどういうものかということをぜひ一緒に考えたい、そういった視点で質問させていただきたいと思います。
 まず、中田厚仁さん。総理は、突然武装集団に襲われたとしても、日本の自衛隊は彼らを救出できない、見捨てるしかない、そういった言い方をされましたが、実際には、中田さんが活動されていたコンポントム州というところは、自衛隊が駐在をして活動していたところから二百キロ以上離れた、全く異なる場所での活動だったんですね。それで、移動中に道路で待ち伏せをされて、銃撃をされた。正直、そこに自衛隊が駆けつけて命を救えたかというと、そういう余地はなかったと思います。
 一方で、私も中田さんと研修中のルームメートでもありましたので、いかにPKOの活動の中で命を守るかということについてはさまざまな話をしました。
 当時のカンボジアのPKOは、いわゆる初めての複合型のPKOではありましたが、紛争四派の和平協定に基づいて、国連は軽装備の武装しかしていなかったんですね。ですから、国連カンボジア暫定統治機構に対して、国連の展開が生み出したさまざまな矛盾点に対する一般のカンボジアの方々の不満というものもかなり顕在化をしていて、そういった中で中田さんの事件が起こってしまったということであります。
 ただ、我々は、本当に、現地の言葉を覚えて、住民の中に飛び込んでいって、そこでコミュニケーションを常に図ることで、仕事をよりよく行っていく、また、そうやって信頼関係を構築することが安全対策上最も重要であるという考え方に立っておりましたので、我々としては、できる限りの自助努力をすることがまず第一で、中途半端に武器を持った部隊がそういった状況にかかわるというのは、むしろ危険を増すことになってしまうのではないか、そういった思いも持っておりました。
 私自身、実は、活動中に銃撃、襲撃をされたことがございます。大変に幸いなことに、何とかその状況を切り抜けることができたんですが、その理由を自分なりに分析すると、自分たちは丸腰であって、襲撃してきた武装勢力に対して危害を与えることはないんだということと、自分たちは平和のために来たんだということ、これが、結果的に、そのとき、物はとられましたけれども、命をなくすまでの事態にならなかった決定的に大きな要因だったと思います。
 つまり、あくまでも平和活動であって、当事者にはならないんだということをしっかりと相手に伝える、活動の中で知らしめていくということが非常に大事だという、現場での活動の中で私が感じたことをまず御理解をいただいて、その上で質問させていただきたいと思います。
 まず、PKO自体が、一九九二年から三年にかけての当時から、かなり変容しているかと思います。最近のPKOは、武力行使権限を安保理から委託された多国籍軍といわばさまざまな協力を一体的に行って、役割分担をしながら進めることが多くなってきております。
 その場合、一方で、平和執行のために武力行使をする多国籍軍と、平和のために来たPKO要員とが同じに見えてしまうんです。一体的に活動しているから、それはもうしようがない面もあるんですが、特に地元の方々にとっては、同じように外国から来た要員ということで、同じように見えてしまう。
 その中で警護をする。警護をするということは、その襲われている人に対して自衛措置をとるということですね。目の前の人を助ける、これは、私はもう本当に自衛隊として必要な任務だと思うんですよ。しかし、そこで、ある意味、武力行使を行うことで、まさに現地の人にとっては、敵だというように見られる状況をつくりかねないんですね。
 ですから、PKOにおける駆けつけ警護にはこういったさまざまなリスクがあるわけですが、まず、このリスクについてどのように思われるのか、単純に目の前の人を助けるという正義の行動に終わらないということを認識した上で、お考えを伺いたいと思うんですが、いかがでしょうか。

発言情報

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発言者: 阪口直人

speaker_id: 9238

日付: 2014-05-30

院: 衆議院

会議名: 外務委員会