谷垣禎一の発言 (法務委員会)

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○谷垣国務大臣 結局、今の御議論は、法規範というものがどこまで適用できるのか、通用できるのかということと関連してくると思います。
 今おっしゃった十七条の憲法を初めとする、いろいろ、あるいは自治体なんかのおつくりになったものの背景にある和というようなものは、長い間に日本人の一つの秩序観であったり道徳観であったり、そういうものを形づくっているんだと思うんですね。だから、広い意味でいうと、そういうくくり方は正確ではないかもしれませんが、一種の道徳規範であると言ってもいいと思います。
 その道徳規範と法規範と対比してみた場合に、法規範も、現行法令もいろいろなものがありますから、余り単純にくくってはいけないんですが、要するに、法規範と道徳規範と比べたときの法規範の特徴は、法規範が破壊されるようなものは最終的には実力でもって貫徹していくという、刑罰でもそうですし、民事においても争いが裁判で決定をされればそれは実力でもって強制執行されたりして、実力でもって担保されていくという性格を持っている。しかし他方、道徳は、道徳規範というのは必ずしもそういうものを背景に持たない。
 そういたしますと、結局、そういう最後は実力をもって確保する法規範というものは、国民の道徳規範と極めてかけ離れたものであったら、幾ら力でもって最後は貫徹していくんだといっても、長い間にはやはり支持されない。そういう意味では、法規範の実効性というものも破綻をしてくるということがあるのじゃないかと思います。
 それから、道徳規範の方は、しかし、今のこの近代法のそれぞれ個人の人権を認めたり個人の自由を認めたりする体系の中では、やはりそれに強制力を加えるのは何らかの根拠が必要である、単に道徳であるからというだけで強制力を使うわけにはいかない。
 道徳と法の峻別ということもそういう意味では言われるわけですが、大きな意味でいえば、法規範は、最後にそういう国民の持っている秩序感覚であったり道徳規範に裏打ちをされなければ、先ほど私も申し上げ、先生も法の支配ということをおっしゃったわけですけれども、法の支配も実効性を持ち得ないということになるのではないかな、御質問を聞きながらそう考えました。

発言情報

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発言者: 谷垣禎一

speaker_id: 1444

日付: 2014-02-21

院: 衆議院

会議名: 法務委員会