西田譲の発言 (法務委員会)

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○西田委員 ありがとうございます。
 実際に、では、人権擁護行政の啓発ということでのパンフレットでしょうから、啓発ということで今のそれぞれの課題、項目を見ていきますと、「女性」ということで書いてあるのは、基本的に男女共同参画基本法の宣伝でございます。「子ども」という内容で書いてあるのを見ますと、児童虐待をしてはいけませんとか、いじめはいけませんということ、当たり前の話でございます。体罰もいけませんということ。
 「高齢者」に対しては、介護の際に虐待を受けたら相談してください。そもそも虐待しちゃいけませんし、法で担保されているはずでございます。あと、詐欺商法で被害を受けたなどの事案が発生していますとありますが、法務省の人権擁護局では、まるで内閣府の国民生活センターと同じようなことをやっているんじゃないだろうかというふうに思うわけでございますし、「障害のある人」についても、これは障害者権利条約の理念等を踏まえた障害者基本法の宣伝がなされております。そして、「同和問題」、同和問題については、えせ同和行為の排除ということを説明されていらっしゃいます。
 その後、特に法務省に関係が深いと思えるのは、例えば「刑を終えて出所した人」、もしくは「犯罪被害者等」、確かにこれは法務省に関係が深いというふうに思います。「インターネットによる人権侵害」、これはむしろ生成中という谷垣大臣の先ほどのお話なのかなとも思います。北朝鮮の拉致問題、これも内閣府のかわりに宣伝をされているような気がいたします。「ホームレス」、ホームレスに対する嫌がらせや暴行、これは、ホームレスに対してであろうが誰に対してであろうが、暴行すれば傷害罪としてきちんと我が国では法律があるわけでございます。「性的指向」の問題、これは我々立法府としても、昨年末の最高裁判決等もあって、社会的な関心も高まって、考えていかなければならない問題だというふうにも思います。「人身取引」、これも刑法できちんと重罪ということで位置づけられております。「東日本大震災に起因する人権問題」、仮に法のもとの平等が阻害されているような事案があるのか、こういったことは調査をしていかなければならない問題だというふうに思います。
 このように、この十七項目をそれぞれ見てみますと、果たして、法務省の人権擁護行政、啓発の仕事として本当にこれはやらなきゃいけないことなのかといったことに甚だ疑問を感じるわけでございます。
 先ほど局長答弁がありましたとおり、この根拠になっているのは、人権教育・啓発に関する基本計画、平成十二年の議員立法に基づき、平成十四年の基本計画ということでございましたけれども、十四年からもう十二年目ということになるわけでございます。拉致が追加されたということで、何のために法務省は人権擁護行政をやっているのか、啓発事業をやっているのかということが非常にわかりにくい、理解しにくいというふうな感想を持ちます。
 そして、もう一つの法務省の人権擁護行政、人権救済でございます。
 先週でございますか、人権救済ということで、人権侵犯事件の報告が報道発表ということでなされておりました。数字を申し上げますと、二万二千四百三十七件、新規救済手続を開始され、処理は二万二千百七十二件なされた。どういった内容があったのかということで何点かピックアップされていらっしゃいますが、暴行・虐待事案、名誉毀損事案、プライバシー関係、体罰とか、そういうふうに出されております。村八分が四十一件もある。まだ村八分があるというのは、びっくりいたしました。
 大臣の答弁にもありましたとおり、新たな法的措置が必要な過程、まだ生成過程にあるという状況こそレーゾンデートル、まさに私もそう思うわけでございますけれども、実際の今の法務省の人権擁護行政を見ると、他省庁の取り組み、もしくは他省庁所管の法律の宣伝、あるいは他省庁の所管する法律のサポート、あるいは既にもう司法の場でなされなきゃいけないようなことであったりして、この侵犯事件についても、人権救済という観点の人権擁護行政についても、その必要性についてなかなか理解ができないところが出てくるところでもございます。
 これも、法務省人権擁護局が出している「相談・救済制度のご案内」というパンフレットでございます。「あなたのその悩み人権侵害かも…」と、あたかも何かどんどんいらっしゃいとお客さんを勧誘しているようなスローガンに私は感じるわけでございます。
 実際の事例ということで、おもしろいのはCさんの事例ですね。「理容店において、外国人であることを理由に散髪を拒否されたという相談があったものです。 同店店長に話を聴いて事情を把握した上で、合理的な理由のない不当な差別はしないよう説示しました。」
 そもそも、人の価値観とか価値判断というのは多様でございますし、それを全て把握することなんてできません。自分自身の倫理についてだって、社会全体の必要性から見れば本当にごく一部分であるというのがもう明らかだというふうに思っております。それに、現場の事情や状況等もさまざまでありましょうし。これを人権侵害の代表的な事例で掲げていらっしゃるほど、実は、人権侵害と言われる事例が本当の意味での人権侵害になっていないというふうに私は勘ぐるわけでございます。
 こうして見てみますと、最初の問題意識に戻るわけでございますけれども、今取り組んでいらっしゃるこの人権擁護推進行政を見ると、なぜ法務省がこういったことをやらなきゃいけないんだろうかというふうに思うわけでございます。ここについては、大臣、いかがでございましょうか。

発言情報

speech_id: 118605206X00520140319_103

発言者: 西田譲

speaker_id: 4849

日付: 2014-03-19

院: 衆議院

会議名: 法務委員会