谷垣禎一の発言 (法務委員会)
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○谷垣国務大臣 平成十六年の刑法改正のときに少年の刑事処分に関する規定の見直しを行わなかったわけですが、これは、先ほど刑事局長が申し上げたとおり、少年法独自の観点からの検討が必要である、それでこういう検討は平成十六年の刑法改正の趣旨を超えるものであると当時理解されていたのだと私は思います。
他方、今回の改正で不定期刑の長期と短期の上限を引き上げるわけですが、これは、無期刑と、それから、五年以上十年以下の不定期刑という有期刑の上限の間、十年以下という間に大きな乖離がございます。そこで、裁判例の中には、主犯者たる少年と成人も一緒に共犯だけれども従属的立場にあるというような事件などにおいて、成人に対する刑と少年に対する刑との間に不均衡が出てきてしまうというような指摘がございました。実際の裁判例においても、少年に対して科し得る有期刑の上限が低いために不本意な量刑をせざるを得なかったということを判示しているものがございます。
そういうことから、裁判所の選択肢を広げることによって、少年が犯した行為に応じてより適正な量刑をなし得るようにする必要があるというのが今回の改正の趣旨でございます。
それから、今回の改正で無期刑の緩和刑の上限を引き上げることとしておりますが、今回の改正によって不定期刑の長期の上限が十五年に引き上げられるのでありますから、無期刑を緩和して有期刑を科す場合の上限を引き上げない場合、無期刑の緩和刑より責任の軽い不定期刑の場合と無期刑の緩和刑の上限が同じになってしまって、相当ではない。あるいは、無期刑を緩和しないでそのまま無期刑を言い渡すこともできるのでございますから、無期刑と、緩和刑としての有期刑の上限との乖離を埋め、裁判所がより適正な量刑をできるようにする必要がある。こういったことから、こういう措置を今回とることにしました。
したがいまして、今申し上げたことを要約いたしますと、今回の改正は、少年法独自の観点からの検討を行った結果と言ってよろしいかと思います。平成十六年の刑法改正時に少年の刑事処分に関する規定の見直しを行わなかったことと矛盾するものではないと私は考えております。