階猛の発言 (本会議)
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○階猛君 民主党の階猛です。
ただいま議題となりました内閣提出の独立行政法人制度改革関連法案並びに民主党・無所属クラブ及びみんなの党提出法案について、民主党・無所属クラブを代表して質問させていただきます。(拍手)
さて、安倍首相は、先日の本会議において、我が党菊田議員の質問に対し、民主党政権は、政権を担っていた三年間、教育改革に何をやったのでしょうかと発言しました。何ら具体的な論拠を示さず、いきなり公党を非難する。議院内閣制のもと、国会の監視を受ける行政府のトップとして、あるまじき発言です。
しかし、安倍首相がこうした発言をし、撤回も謝罪もされない以上、内閣を監視する立場にある国会議員の一人として、私も、あえて言わせていただきます。
安倍政権は、これまでの一年四カ月、震災復興に何をやったのでしょうか。社会保障改革に何をやったのでしょうか。そして、独法改革に何をやったのでしょうか。
ただし、首相とは異なり、私は、具体的な論拠を示したいと思います。法案の質疑と絡めて申し上げますので、静粛にお聞き取りください。
第一に、震災復興です。
安倍首相は、ダボス会議の演説で、既得権益の岩盤を打ち破るドリルの刃になると述べました。しかし、被災地では、高台移転や土地のかさ上げを進めるための工事がおくれ、ドリルの音はなかなか聞こえません。独立行政法人である都市再生機構、略称URは、復興事業のために人員を増強していますが、宝の持ち腐れです。
着工がおくれる最大の理由は、事業用地の取得に時間がかかることです。
被災地では、相続登記未了や所有者不明の事業用地が多数存在します。従来の土地収用手続では、被災自治体による権利調査や事前交渉、収用委員会による審理や裁決を経なくてはならず、着工までに長い時間がかかってしまうのです。
被災自治体や弁護士会、それに私を含め野党議員からは、昨年来、何度も何度も、用地取得を迅速化する特別法の制定を求めてきました。しかし、政府のスタンスは、運用改善で対応できるというものでした。
与野党協議の末、ようやく、緊急使用という収用手続中の制度を手直しする法律が成立する運びとなったものの、法改正に取り組んでこなかった安倍政権に対しては、これまで何をやってきたのかという思いを禁じ得ません。
さらなる用地取得のおくれを避けるため、太田国交大臣にお尋ねします。
今回成立する法案に関し、衆議院の復興特別委員会で決議がなされました。その中では、土地収用法による事業認定や収用裁決の申請に際し、事前の任意交渉を必須とする運用は行わないよう、政府に配慮を求めています。この点につき、どのように対応されるのか、お答えください。
また、法律が施行されたとしても、緊急使用の期間である一年以内に収用の裁決まで至らなければ、工事中止となるリスクがあります。さらに、申請時には土地調書の添付義務が免除されましたが、収用裁決までの間には依然として提出義務が課せられています。土地調書を作成するには、権利関係の調査など、被災自治体の事務負担は大きいのです。
これらのリスクや事務負担を軽減し、さらに土地取得を加速化するための法案を、民主党は、議員立法で提出しています。政府としては、こうした残された課題につき、どのように対応するのか、お答えください。
専門能力を備えたマンパワーが十分でない被災市町村にとって、URの力は不可欠です。しかしながら、まちづくりの事業発注をURに包括委託する市町村は、他の業務に忙殺され、URの業務をチェックする余力に乏しいと思います。また、URは、被災市町村と比較すれば当事者性に欠け、時間やコストの管理が甘くなるリスクもあります。
迅速かつ適正な復興事業を行うため、政府としてURの管理監督をどのように行うのか、お答えください。
復興関連の事業以外にも、URはさまざまな事業を行っています。
民主党政権時代には、住宅賃貸事業のうち民間企業でも可能なものは、別会社として収益を向上させ、その収益で、UR本体が抱える巨額の借金を返済する方針を示しました。
しかし、安倍政権では、このような分社化は取りやめ、収益性の高い物件は、サブリースにより収益向上を図ることとされています。
あえて方針を見直すのであれば、分社方式よりサブリース方式の方が収益性にまさることを示す責任があります。具体的に、どの程度収益性が高まるのか、数値を挙げてお答えください。
第二に、社会保障改革です。
消費税引き上げは、社会保障の維持充実のためだったはずです。
しかし、安倍政権のもとでは、二年連続の補正予算で公共事業の充実は図られましたが、医療では、診療報酬が、消費増税を考慮すると、マイナス一・二六%の改定、介護では、消費増税に伴う人件費の手当ては全くなされていません。充実にはほど遠い状況です。
公的年金についても、約百三十兆円の年金積立金を託す年金積立金管理運用独立行政法人、略称GPIFの資金運用改革が急務です。
第一次安倍政権は、民主党が年金保険料の納付記録が消えてしまう消えた年金問題を追及したことで、退陣に追い込まれました。しかし、年金記録は、誰のものかわかれば、年金を支払うことができます。ずさんな年金運用で原資が枯渇してしまえば、さらに深刻な、消えた年金問題になりかねません。だからこそ、運用改革が急がれるのです。
民主党政権では、GPIFの運用目標や運用手法等の改革を目指し、私を含め、関係政務三役も参加して精力的に議論を重ね、平成二十二年十二月に報告書をまとめました。安倍政権になっても、内閣官房に置かれた有識者会議や、厚労省に置かれた専門委員会において、公的年金の運用につき議論が行われたようです。
しかし、ことし三月に同委員会がまとめた報告書では、運用手法について、「基本的には、運用の専門家であるGPIFに委ねるのが適当」と結論づけています。一体、今まで何をしてきたのでしょうか。
GPIFを所管する田村厚労大臣、今後のGPIFの運用手法は結局どうなるのか、御説明ください。
また、当該報告書では、目標とする運用利回りは、従前どおり、名目賃金上昇率プラスアルファとしつつ、運用目標としては、アルファのみを数値で設定し、その値を一・七%としています。
そうだとすると、仮に名目賃金上昇率がマイナス一・七%であれば、運用利回り〇%でも目標に達するため、GPIFは、何も考えず定期預金にしておけばよいことになります。マクロ経済運営が失敗した方がGPIFの運用目標達成にとって有利となるのは、違和感があります。
こうした運用目標を設定する理由を、田村厚労大臣から、わかりやすく御説明ください。
一方で、麻生財務大臣は、十六日の衆議院財務金融委員会において、GPIFについて、六月以降に動きが出てくるとし、そうした動きがはっきりすれば、外国人投資家が動く可能性が高くなると答弁しました。
GPIFが、株式相場を底上げするために、年金資金で株式を購入することは、さきに述べた第二の消えた年金問題を招きかねず、違法ではないでしょうか。また、GPIFの運用につき所管外の財務大臣が言及することは、問題ないのでしょうか。田村厚労大臣の見解をお答えください。
第三に、独立行政法人改革です。
独法改革については、民主党政権時代の平成二十二年四月と十一月に事業仕分けを行い、それを踏まえ、独法通則法の改正と全ての独法の改革方針を平成二十四年一月に閣議決定し、関係法案を提出しました。
今回の内閣提出法案は、業務の特性に応じて法人を分類するなど、民主党政権の案を踏襲しています。法案提出まで時間がかかった割には、進化の跡が見られません。安倍政権は、これまで何をしてきたのでしょうか。
むしろ民主党案より退化している部分もありますので、稲田行革担当大臣に二点お尋ねいたします。
まずは、独法役員の公募についてです。
民主党案では、主務大臣が独法の長を任命する際、原則として候補者の公募を義務づけています。一方、閣法では、公募以外の手段を広く認め、義務規定を努力規定にした点で、民主党案に比べて二歩後退しています。
なぜ、独法の長への公務員OBの天下りや指定ポストの復活への道を開きかねない選択を行ったのか、民主党案を大きく後退させた真意をお答えください。
次に、独法役員の定年と報酬の上限についてです。
民主党案では、定年について、「内閣総理大臣が定める基準に基づき、」「役員の定年について規程を定め」となっていますが、閣法には、こうした規制がありません。
また、役員報酬について、民主党案では、「民間企業の役員の報酬その他の事情を勘案して内閣総理大臣が定める額を超えてはならない」としましたが、閣法には、そのような規制もありません。
ちなみに、自民党政権は、平成十四年に独法役員の定年を閣議決定で定めています。
閣法がこれらの規定を削除した理由をお答えください。
最後に、民主党案の提案者への質問です。
平成二十一年に政権交代が実現できた背景には、独法改革を初め、民主党の行政改革に対する期待もあったと思います。
そこで、伺います。
民主党として、政権担当時代の行政改革についてどのような評価をしているのか、何ができ、何ができなく、できなかった理由は何なのか。そしてまた、今後、民主党としてどのように行政改革に取り組もうとしているのか。以上につき、国民にわかりやすく、丁寧に御説明ください。
独法改革とは、言うまでもなく、独立行政法人の改革です。しかしながら、安倍首相は、違う意味での独法改革、すなわち、独裁的法解釈の改革に御執心のように見えます。
民主党は、国民の納得と満足を得られる行政サービスの実現を目指し、本来の意味の独法改革に取り組んできました。十分な審議の上、民主党案に対する御理解をいただけますよう、私からも心よりお願いを申し上げ、質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔国務大臣稲田朋美君登壇〕