鋤柄修の発言 (経済産業委員会)
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○参考人(鋤柄修君) この度、参考人に御指名をしていただきました中小企業家同友会全国協議会の会長の鋤柄でございます。
まず、小規模企業振興基本法制定に向けての期待とお礼を申し上げたいと思います。
この度の小規模企業振興基本法制定及びその具体化に関わる法案の改正は、一九九九年の中小企業基本法の抜本改正以降の中小企業を取り巻く環境の大きな変化に対応するもので、誠に時宜を得たものと歓迎いたします。大久保委員長を始めとする委員の皆様、経済産業省、中小企業庁の御担当の皆様の御尽力に敬意を表するものです。
とりわけ、本法案が、二〇一〇年六月十八日閣議決定された中小企業憲章にうたわれた基本理念、中小企業は経済や暮らしを支え、牽引する、中小企業は社会の主役として地域社会と住民生活に貢献し、伝統技能や文化の継承に重要な機能を果たすということの具現化で、省庁を横断しての面的支援の実現に努めていただきたいと思います。
続きまして、中小企業家同友会の紹介をさせていただきます。お手元の資料の一ページ目に概略が書いてございます。
当会は、日本中小企業家同友会として一九五七年創立、一九六九年全国協議会が設立され、現在、四十七都道府県全てに存在します。全国会員数は四万三千名を少し超えたところで、おかげさまでこの五年間、最高の会勢を更新し続けております。企業規模は、平均資本金一千五百万円、従業員数約三十人となっております。ただし、最近の傾向といたしまして、従業員数が十名以下の小企業の入会が増えております。ちなみに、従業員五人以下の小規模企業は比率として約二七%ぐらいが会員の比率でございます。
私は、名古屋で水処理のプラントの設計施工とか工場排水のプラントの設計施工、そういう意味でライフラインを守る仕事、また環境を守る仕事に携わっておりまして、そういう地域になくてはならないという仕事が、中小企業が地域と密着して存在感があるというふうに自負をしながら経営を務めておるところでございます。
当会の経営環境改善の取組については、資料の二ページ目、二〇一五年度国の政策に対する中小企業家の重点要望・提言ということでお示しをしております。内容につきましては後ほどお読みいただければと思います。
そのほかに、当会の経営環境改善の取組を御紹介させていただきますと、まず、二〇〇二年にヨーロッパに視察団を派遣しまして、小企業憲章の学びをしてまいりました。続きまして、アメリカの視察も行いまして、小企業育成策をアメリカから学びました。昨年にはドイツ、オーストリアで視察し、エネルギーシフトを学んできたところでございます。
一九九〇年代後半の貸し渋り、貸し剥がしが横行し、まさしく存亡の危機に直面しました。そのとき、当会は、多くの方の助言もいただきながら、アメリカの地域再投資法に学びながら、仮称ですが、二〇〇一年、金融アセスメント法の制定を提唱し、国会請願署名を百一万筆、地方議会からの国への意見書決議を千九議会から提出していただきました。法案は成立しませんでしたが、リレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラムが作られるなど、中小企業の金融環境が大幅に改善されたことは皆様御承知のとおりであります。
二つ目ですが、EUでは既に二〇〇〇年に小企業憲章を制定しておりまして、その理念はシンク・スモール・ファースト、まず中小企業を第一に考えよ、これを日本でも実現しようとEU視察団を派遣して運動に取り組み、二〇一〇年、閣議決定を見ることになりました。
憲章運動と並行して力を入れてきたのが、各自治体における中小企業振興基本条例の制定です。振興条例の先駆けとなったのは一九七九年の墨田区の条例制定です。資料の三ページ目に中小企業振興基本条例制定の一覧表がございます。今年の三月現在で全国で百十六か所であったと思いますが、市町村で振興条例が制定されております。自治体においても従来以上に小規模企業施策に重点を置こうとしている姿が顕著になってまいりました。
さて、四番目でございますが、小規模企業振興基本法令に関する幾つかの意見を申し上げたいと思います。
まず一つは、今回の小規模企業基本法案の基本と中小企業基本法の基本が、二つ基本法が並んでおりますので、私なりに解釈しますと、理念である憲章がその上位にあって、憲章の精神をこの二つの基本法は酌んで運営がされるというふうに理解をしたいんですが、いかがなものでしょうか。
それともう一つ、ちょっと言いにくいことですが、小規模企業活性化法案というのも昨年成立しております。我々、法律に疎い中小企業家にとっては、一体どの法律がどのように中小企業家に効果的な施策をしていただけるのか、多少迷いを生じているのが現状でございます。
それと、次は消費税への対応でございますが、これも私どもの五月時点での調査の結果、大きな結果のところだけ申し上げたいと思うんですが、この消費税の影響に関するアンケート結果で六四%の企業に増税の影響が出ているという数字が出ております。今後は、私どもも追跡調査をいたしまして、この影響がどちらの方向に行くのか、我々の会の会員の意見ではございますが、調査は続けていきたいと、こんなふうに思っております。
それから、創業支援をアメリカの例で少し引き出してみたいと思うんですが、政府も女性が活躍することが成長産業の一つだとおっしゃっております。アメリカも女性経営者が大変活躍しているということは実際に見てまいりましたが、そのときに、女性の経営者がいる起業、起こす方の起業ですが、起こした起業に対して、政府調達は最低五%は女性の経営者の企業に発注するようにというような一つの枠を決めてやっているようでございます。
私どもの会では、全国的に見ますと香川や埼玉で女性の起業、起こす方ですね、起業育成の塾を開いたり、それから、今回の東日本大震災の被災地の一つであります陸前高田では、私どもの同友会の会員のメンバーが四十社集まって新しい企業を起こそうという動きも出ております。
それから、例三といたしましては、中小企業の役割の大きさと大事さの位置付けを教育にという、こういうことを私どもは盛んに言っているわけでございまして、小中高で中小企業の何たるか、また中小企業の良さを教える先生の教育を、実は私どもの徳島同友会では、今年採用された徳島県の教員は夏休みの間に私どもの会員の企業にインターンシップといいますか実習に入っていただいて、そして中小企業の実態を学んで子供たちに教育をしてもらうというような取組も始まっております。それから、帯広では、先生もPTAも一緒になって地元の企業にインターンシップに入って企業の実態を学んでいただくというような動きもございます。
それから、調査のことでございますが、法律の中に調査という項目があります。この調査に関して、私どもは各自治体に、作った条例の中に必ずこの実態調査をするようにお願いをしております。言わば企業の棚卸しといいますか、要するにその地域地域の企業の実態を定期的に定点観測するというようなことを是非やっていただいて、そしてこれを最終的には国で集計をして傾向値を出し、また指導していただく。私どもの、全国でも例えば宮崎県とか愛媛県でこのような動きを大学の先生と一緒になって行っております。言わば企業の経営でいえばPDCAを回していくということが、各々の地域で自治体の皆さんと企業が一緒になってやっていくことが必要かと、そんなふうに思います。
最後になりますが、もう一度、中小企業憲章の国会決議を是非お願いしたいと、こんなふうに思う次第でございます。中小企業は、雇用は一人ずつやるぐらいのレベルでございますが、企業数は圧倒的に多いわけでございまして、そういう意味では、全国の各地域で一人でも多くの企業が雇用を確保するということが必要かと思います。
その点に関しますと、今回話題になっております外形標準課税の中小企業への適用が、これが議論されておりますが、このようなことになりますと逆に雇用ができなくなるというようなことも起きます。どうかその憲章の精神を酌み取っていただいて、中小企業の声を聞いて政策を転換するということを図っていただきたいと、こんなふうに思うわけでございます。
以上、私の意見を述べさせていただきました。どうもありがとうございました。