松田公太の発言 (憲法審査会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○松田公太君 みんなの党の松田公太です。みんなの党を代表して、日本国憲法に関する基本的な考え方を申し述べたいと思います。
 戦後の焼け野原の中から我が国は復興を始め、先進諸国に追い付け追い越せと、国民が一丸となり高度経済成長を成し遂げてきました。生産も所得も右肩上がりで伸び、全体のパイがどんどん膨らむような状況においては、中央集権型で突き進む方法が有効だったのかもしれません。しかし、一九九〇年のバブル崩壊以降は状況が一変し、日本国全体が迷路の中に入り込んでしまいました。それから二十五年間、我々は出口を見付けられずに同じところをぐるぐるとさまよっているような感じさえあります。
 なぜ様々な政策と法改正を施しても決定打を打つことができないのか。答えは一つではありませんが、国民のニーズが多種多様化してきていることと、無力感と諦めの意識が蔓延していることが大きな原因ではないかと考えております。
 それを打破するためには、やる気があればチャレンジできる、また、頑張った者が報われるという公平な競争が可能な社会、そして同時に、力を持った者がやりたい放題にやってはいけないという共助と公助の精神も張り巡らせた社会に変えていく必要があります。それを阻害しているのが、戦時中に構築された官僚統制と中央集権のストラクチャーなのです。
 国民が十分主体的に活動できるような国家に成長するためにも、地域主権型道州制を実現するべきだと思います。そして、時代が変化を必要としている以上、国家の理念たる憲法も見直し、真の自由社会を希求できるようにしなければなりません。
 道州制が導入されれば、国家の役割は必然的に外交、防衛、金融政策、社会保障等に限定されます。そして、議員定数の削減を経て、第四十二条を改正し、一院制へと移行するべきだと考えております。もちろん、その際には、違憲状態にある一票の格差を是正しなければなりません。また、国民の意見を集約する上で重要な存在である政党の位置付けを明記するとともに、国民から選挙で信任を得た政党が活動できるよう政党法も整備するべきです。
 一方、現在の強固な官僚統制を打破し政治主導を実現するためには強いリーダーシップが求められます。首相公選制の実現により、国民の意思を反映したリーダーによる改革を行っていくべきです。
 さらに、今後、首都直下型地震や南海トラフ地震の発生が予想される中、未曽有の災害に対応できるようにしなければなりません。すなわち、憲法上、緊急事態宣言を始めとした緊急事態法制に関する規定を盛り込む必要があると考えています。これにより、政府が大規模災害時に機動的な対応が可能となるとともに、その限界や責任主体を明確にすることで国家権力の暴走も防ぐことができます。
 次に、憲法改正論議の前提となる国民投票法の改正について申し上げます。
 憲法の硬性に鑑みれば、改正の影響は将来世代にこそ強く生じます。そうであるならば、可能な限り投票年齢は下げるべきであり、十八歳への引下げは可及的速やかに行わなければなりません。同様に、公職選挙法上の選挙権についても十八歳への引下げを行うべきです。高齢化が進む現状においては、相対的に若者の意見は少数派になってしまいます。ほぼ全ての先進国が十八歳以上の国民に選挙権行使を認める中で、日本の若者だけが未熟であるという議論には説得力がありません。
 最後に、集団的自衛権を含め、九条について申し上げます。
 現在、党内で話を進めておりますが、そもそも憲法九条は、一読しただけではその意味を理解し難く、我が国において不可欠な存在である自衛隊の位置付けも曖昧です。また、PKOで一緒に派遣されている密接な友好国の部隊が襲われたときに自衛隊が反撃できないという現状は、余りにも無責任だと思います。
 さらに、保持はしているけれども行使はできないという集団的自衛権に対するスタンスは、国民にとって極めて分かりづらいものです。国連憲章においては、個別的自衛権のみならず、集団的自衛権も国家の固有の権利として認められています。同じ自衛権でありながら、一方は認め、他方は認めないというのは不自然です。
 解釈改憲については否定的な意見も見られますが、過去にも六十六条二項の文民規定の解釈変更が行われております。
 また、我々と同様に官僚依存から脱却するという信条を掲げる政党が多い中、集団的自衛権だけは内閣法制局の判断に依存するというのも整合性が取れないのではないでしょうか。脱官僚を提言するなら、最終的な解釈権限が司法にあることを前提に、国民的議論を踏まえつつ、政治が責任ある解釈を行ってしかるべきです。
 激動する国際情勢の中で、日本に求められている役割も変わってきております。いつまでも同盟国に一方的に頼り切るというわけにはいきません。集団的自衛権の行使は認めない方がおかしいとさえ考えております。
 以上のように、これまでの我が国は、官僚統制等による一部国民の活動や国民的な議論が阻まれてきたと考えられます。もうすぐ戦後七十年を迎える中で、時代の変化に合わせ、国家モデルを変えていくべきです。それが国際社会の中においても一人前として認められる国家へ成長するための重要な方策だと我々は考えております。
 御清聴ありがとうございました。

発言情報

speech_id: 118614183X00120140226_010

発言者: 松田公太

speaker_id: 18144

日付: 2014-02-26

院: 参議院

会議名: 憲法審査会