前川清成の発言 (憲法審査会)

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○前川清成君 先刻、硬性憲法に関して触れましたが、誤解のないように申し添えますと、私は、硬性憲法であることの論理的必然として一義的に両院の三分の二以上の賛成を要すると考えているわけではありません。
 硬さの程度に関しては様々な立場があり得ます。しかし、それにしても、自民党憲法改正草案が掲げる両院の過半数による発議に関しては、衆参のねじれでもない限り、通常、政権与党は衆参両院で過半数の議席を有しており、仮に過半数での発議を是認してしまったならば、時の政権に対する憲法の縛りが極めて弱くなってしまい、立憲主義が空洞化してしまいます。また、政権交代のたびに我が党の憲法が発議されることにもなりかねず、政治を極めて不安定化してしまうおそれがあります。
 また、硬性憲法であることは決して不磨の大典であることを意味しないと申し上げましたが、現にアメリカは、憲法の改正に上下両院の三分の二以上の賛成に加えて五十州のうち四分の三以上の賛成も必要としていますが、戦後、すなわち一九四五年以降だけで既に六回も憲法を改正しています。日本と同様に第二次大戦の敗戦国、ドイツも、憲法の改正には両院の三分の二以上の賛成が必要ですが、戦後、既に五十九回も憲法を改正しています。
 それでは、なぜ日本では戦後一度も憲法が改正されなかったのでしょうか。それは、そのときの与党だけではなく、野党も含めて、少なくとも主要政党間の広範なコンセンサスが成立しなかったからです。それでは、東西冷戦も終わり、イデオロギーの季節が過ぎたにもかかわらず、なぜ広範なコンセンサスがいまだ成立しないのでしょうか。
 私は、憲法を政争の具や選挙の争点にしてはならないと考えています。憲法の伝統的な考え方と学説や判例など過去の議論の蓄積の上に立って、冷静でかつ理性的な議論を尽くすことが肝要ではないかと考えております。
 以上です。

発言情報

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発言者: 前川清成

speaker_id: 22257

日付: 2014-02-26

院: 参議院

会議名: 憲法審査会