小林良彰の発言 (憲法審査会)

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○参考人(小林良彰君) 私は高校の政治・経済の教科書というのを作成したことがございますけれども、やはり内容としては余りにも知識偏重。アメリカの選挙制度はこれです、ドイツはこれです、イギリスはこうです、ああです。これ疑えないんですね。そのとおりでしかないので、ああそうですかといって、ただそれを覚え込むしかない。期末試験もそれが出るし、入試もそれが出るという形になります。
 そうすると、何も自分で物を考えないでいくわけですね。それではやはり政治とか、あるいはもっと消費者問題も含めた経済とか、社会に対して自分で興味を持ったり考えたりしていくということができないと思います。やはり必要なのは、どうやって憲法のリテラシーを高めていくのか、これはやはり教員養成課程も少し検討した方が私はいいと思います。
 社会科のところで、法学か政治学かどちらかという選択ではなくて、私はどちらもやはり取る必要があるんだろうと思います。同じようなことは、例えばセンター試験でも、その科目選択において、例えば地歴公民全体の中からもし選ぶという形になりますと、はっきり言えば全くやらなくても済んでしまうわけですね。授業としてはやるけれども受験としては全くやらなくて済むというと、どうしても生徒さんの力の入れ方も違ってくるということになってくると思います。ですから、先ほどの意見陳述と少し重なって恐縮なんですが、自分で疑問に思うような、やはり討論でやっていくというような授業を私は入れる必要があるというふうに思います。
 やはり決定的なのは、諸外国はもっと子供のときから選挙の重要性というのを教えています。例えばアメリカの小学校であれば、今日のランチを選挙で決めましょうと、アイスクリームとポテトチップとどっちがいいですかと。みんながアイスクリームに投票したとする。でも出てくるのはガーリックのアイスクリーム、それとてもまずいわけですね。先生は一言言うんですね。何でよく調べて投票しなかったんですかということを通じて教えるわけですね。そんなことは日本は、小学校はおろか高校だってやらないわけですよね。
 ですから、私はやっぱりシチズンシップ教育が本当に日本は立ち遅れていると思います。これは恐らく戦前の問題に対する反動ということなんでしょうが、特定の政党に入れなさい、特定の何かを支持しなさいという、そういう教育ではもちろん良くないのは言うまでもないんですが、選挙に行きなさい、あるいは、政治で決めることは皆さんの身にも降りかかってくることです、当たり前のことを何で教えていないのかということですよね。
 結果的には、それで育った子供たちが選挙で三分の一しか投票に行かないということは当然出てくる結果なんです。そのこと自身が私は、やはり政治に対する正当性というものが薄れていくことになると。私は、これは今は確かに憲法改正の問題ですけれども、それを機会に、伊藤先生もおっしゃられているとおり、やっぱり法律のリテラシー、もっと政治学のリテラシーということを私は教えるべきだと思います。
 特に、政経の教科書を作った経緯でいえば、憲法についていえば、余りにも統治の方ばっかりなんですね。人権が物すごく薄いんですね、単元としては。私は、人権についてももう少しきちんと教えていくということが、やっぱり学校におけるいじめとかいろんなものの解決にも私はつながっていくというふうに考えております。

発言情報

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発言者: 小林良彰

speaker_id: 8579

日付: 2014-06-04

院: 参議院

会議名: 憲法審査会