武蔵勝宏の発言 (安全保障委員会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○武蔵参考人 ありがとうございます。
法律に基づきまして、旧防衛庁のときには、保安庁時代の事務調整に関する訓令というのがございました。これが九七年の橋本内閣のときに廃止されましたので、現在は、いわゆる訓令という形での事務の権限関係というのではなく、実質的な内部でのマニュアルという形で運用されているのではないかというふうに推測いたします。
当時の訓令に基づきまして、少し資料などを参考に御説明させていただきますと、現在の十二条という規定があることによりまして、例えば、幕僚監部が作成した案につきましては長官が指示をいたしますが、その指示の段階において原案を立案するのは内局でございます。また、幕僚監部が作成した計画等の案につきまして、内局がその案を審議するということになっております。
すなわち、内局を通さずに大臣が指示をしたり、内局を通さずに大臣に対して計画を上げるということはしていなかったということでございます。
また、長官への、現在は大臣ですね、大臣への上申や報告に関する基本的重要な件に関しては必ず内局を経由すること、また、十二条におきます一般的監督の補佐権限がございますので、各局の所掌事務に関して内局が幕僚監部に対し必要な通報を求めることができるということで、自衛隊の隊務全般に関しまして、内局がその所掌事務に関して連絡調整等の形で幕僚監部と常に通じて行っておりました。
ところが、これは、やはり十二条というものがあり、こうした訓令があり、行われていたわけであります。十二条におきまして、今回の改正では、政策的見地から、幕僚長の持つ軍事専門的助言と相まって補佐をする、また、八条の所掌事務のところに「総合調整に関する機能」というものが付与された。
では、こうした政策的見地からの補佐と総合調整機能というものによって、従来の、大臣が指示、承認、一般的監督をする際の補佐とどう違ってくるのか。
これは、恐らく、特に重要なのは、やはり一般的監督の補佐の権限というものがなくなることによって、先ほど申し上げましたように、大臣が出す指示やあるいは承認する案を内局が十分にチェックできるのかどうか。もちろん、内局にもそういった調整という観点からの報告もあり、内局が意見を述べるということもあるかもしれませんが、そこのところにおいて内局の権限が弱くなるのではないか。
また、一般的監督の補佐がなくなるということによって、各局に対して所掌事務に関して必要な通報を求めるということが、根拠規定がなくなるわけですね。
こういったことから、必ず内局を通して、内局を経由して大臣に報告する、そういったことが法的な根拠がなくなるためにおろそかになる危険があるのではないか。
もちろん、こうした根拠があろうとなかろうと、いざ緊急事態になりましたら、例えば災害派遣や海外派遣において迅速性が要求される場合に、内局を通さず、直接幕僚監部からの意見や情報というものを得て大臣が決定するということは、民主党政権におきましてもそういうことが多々あったということはお聞きしております。
そういう意味で、内局からの情報、また幕僚監部からの情報というものをどのように扱われるかということは、自衛隊に対する指揮監督権を持っておられる防衛大臣の御判断によります。
ただ、そのときに、十二条の根拠規定というものがなくなると、必ずしも内局というものを通さずに行われるということが今後起こり得るのではないか。特に迅速性が要求される場合に、内局がタッチしないまま幕僚監部の情報で大臣が意思決定を行う、そのことが、軍事的合理性が突出してしまい失敗に至るとか、あるいは憲法や政策的見地から見て問題が生じるということを危惧しているところでございます。
以上でございます。