松本紘の発言 (科学技術・イノベーション推進特別委員会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○松本参考人 お答えいたします。
大変大きな質問を投げかけていただきました。
私は、現代文明が科学技術によって支えられているということはかたく信じている人間の一人なんですが、もともと人類文明というのは、学術があって、その学術に基づく科学、科学は学術の一部でございますが、そのサイエンスに支えられて技術がある、その技術が実社会にインプリメントされて、つまり移っていって、豊かな社会に、徐々にではありますけれども、進んできた。
現代社会の問題は何かという御指摘でございますが、これは、基本となる学術の進展、あるいは科学の進展の方法にも一つ問題があります。もう一つは、市民の方にも問題があります。
市民の方は、まず、豊かな社会をみんな望むようになりました。豊か、豊かということをやっていますと、言葉は適切な表現ではないかもしれませんが、豊かぼけをいたします。本来は、いろいろな制限をよく考えて、市民一人一人が考えて、科学を有効に利用していく、または有効に利用できるように科学技術を育てるというマインドが必要だろうと思います。これは、残念ながら、西洋の、特に米国の方がそういう意味合いは市民の間に広いんじゃないかという気がいたします。しかし、日本もかなりそういう方向に動いてまいりました。
そこで、では、科学はどうかという全体のビジョンですが、デカルトが要素還元論というのを出しまして、どんどん細かい学問をやりましょうと。その方向で学問は進んでまいりました。科学技術もそうです。現在の社会を見渡してみますと、細かい技術がいっぱいありまして、それぞれに専門家が張りついております。それぞれの専門家はお互いに競っているわけですから、自分のすごく狭い分野だけを見るようになります。これが欠陥でございまして、横串を通して、科学全体あるいは学術全体を見渡して科学技術を進める、あるいはそういうリーダーになってもらうという人を今後育てていくことが世界的にも必要ではないかと思っております。