科学技術・イノベーション推進特別委員会

2015-06-04 衆議院 全61発言

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会議録情報#0
平成二十七年六月四日(木曜日)
    午前九時三十分開議
 出席委員
   委員長 坂本祐之輔君
   理事 井上 貴博君 理事 小松  裕君
   理事 冨岡  勉君 理事 馳   浩君
   理事 山本 幸三君 理事 津村 啓介君
   理事 伊東 信久君 理事 伊藤  渉君
      青山 周平君    井林 辰憲君
      尾身 朝子君    大隈 和英君
      神谷  昇君    神田 憲次君
      熊田 裕通君    古賀  篤君
      田所 嘉徳君    渡海紀三朗君
      豊田真由子君    中川 俊直君
      中山 展宏君    藤井比早之君
      古田 圭一君    松島みどり君
      宮崎 謙介君    八木 哲也君
      小川 淳也君    大串 博志君
      長島 昭久君    平野 博文君
      丸山 穂高君    輿水 恵一君
      中野 洋昌君    島津 幸広君
      真島 省三君
    …………………………………
   参考人
   (国立研究開発法人理化学研究所理事長)      松本  紘君
   衆議院調査局科学技術・イノベーション推進特別調査室長           行平 克也君
    —————————————
委員の異動
六月四日
 辞任         補欠選任
  宮崎 謙介君     熊田 裕通君
  伊佐 進一君     中野 洋昌君
同日
 辞任         補欠選任
  熊田 裕通君     宮崎 謙介君
  中野 洋昌君     伊佐 進一君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 科学技術、イノベーション推進の総合的な対策に関する件(理化学研究所の改革について)
     ————◇—————
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坂本祐之輔#1
○坂本委員長 これより会議を開きます。
 科学技術、イノベーション推進の総合的な対策に関する件、特に理化学研究所の改革について調査を進めます。
 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 本件調査のため、本日、参考人として国立研究開発法人理化学研究所理事長松本紘君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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坂本祐之輔#2
○坂本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
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坂本祐之輔#3
○坂本委員長 この際、松本参考人に委員会を代表して一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、御多用のところ当委員会に御出席いただきまして、まことにありがとうございます。忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。
 次に、議事の順序について申し上げます。
 まず、松本参考人から十五分程度で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑に簡潔、端的にお答え願いたいと存じます。
 なお、念のため申し上げますが、御発言の際にはその都度委員長の許可を得て御発言くださるようお願い申し上げます。また、衆議院規則により、参考人は委員に対して質疑をすることができないことになっておりますので、あらかじめ御承知おき願いたいと存じます。
 それでは、松本参考人にお願いいたします。
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松本紘#4
○松本参考人 皆様、おはようございます。国立研究開発法人理化学研究所理事長を拝命してございます松本紘でございます。
 本日は、このような機会を与えていただきまして、まことにありがとうございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 理化学研究所は、この四月一日から、研究開発成果の最大化ということをミッションとする国立研究開発法人に衣がえをいたしてございます。
 時を同じくして、私も四月一日に理化学研究所、理研と言わせていただきますが、理研の理事長に着任をいたしました。
 このミッションを実現するに当たりましてどうすればいいかということで、私も理研にいたわけではございませんので、まず、理研の内部を知る必要がある、問題点があればそれをちゃんと処理する必要がある、そういうつもりで、着任してからおよそ四十日間、一カ月と少し、連休が入りましたので四十日ぐらいになりましたが、その間、理研にあるほぼ全ての事業所、十七のセンターを訪問して、議論を重ねてまいりました。
 それぞれの事業所で、センター長を初めとする研究管理責任者や若手など、約百五十名の方々と議論を重ねてまいりました。そして、面談をする中で、それぞれが抱えておられる問題、あるいはシステムの問題と感じているような問題というものを提起していただきまして、そこで出された意見を参考にして、研究開発成果の最大化に向けて、きょうこれから御説明をさせていただきます、お手元に一枚物の資料があると思いますが、理研科学力展開プランを取りまとめたところでございます。
 理研科学力展開プランは、理研が総合研究所として研究開発のポテンシャルを高め、至高の、つまり最高の科学力をもって国の科学技術戦略の担い手となるための方針を示そうとするものです。理研自身の発展と同時に、我が国の発展のために理研がなすべきことという観点を考慮してまとめさせていただいてございます。
 我が国は世界第三位の経済大国と言われておりますが、日本が世界トップクラスの経済力を維持し、人類文明の発展のために、また自然環境との共生のためにも、科学技術の強い力によるイノベーションが必要だと思っております。そのために、理事長として、理研がなすべきことを明確に示して、理研をどう導いていくか、私の考えを五つの柱にまとめさせていただいております。
 一つ目は、研究開発成果を最大化する研究運営システムを開拓及びモデル化するということです。
 理研は国立研究所でありまして、研究成果を生み出すことが第一のミッションです。研究者は、研究を通じて社会貢献するために日夜努力をしております。その努力を最大限成果として世に出していくためにも、研究所のマネジメント、ガバナンスがとても重要と考えております。そのためには、不祥事を二度と起こさないこと、新たなシステムを構築し、若い研究者の元気を取り戻すことが必要です。
 理研は、優秀な研究者を集めるために、研究機関としては、一九八六年という比較的早い時期から任期制の人事制度を導入してまいりました。そして、任期制と従来からございました定年制の二つの異なる人事制度を混在させて運営をしてきておりました。しかしながら、今日に至り、任期制研究者のキャリアパスが見えにくいなどの問題が生じてきています。このことから、さらに研究に集中できる環境を整えるためにも、人事制度を一元化し、運用していくことが必要だと考えました。
 また、理研が全体として力を発揮するためには、本部が全体の目標管理、評価、資源配分を行うなどの機能を果たさなければなりません。センターごと、個別事業を最適にするというのではなくて、理研全体の強力なマネジメントのもとで、全体最適となるように努力をしていきたいと思います。そのためには、基盤的な研究資金である運営費交付金の中長期目標期間における安定化が不可欠だと考えております。
 これらの課題は、多くの大学にとってもまだ解決していないことであり、大学や企業の研究所からも、理研のこのモデルはいいモデルだというふうに言ってもらえるものをつくり出したいと考えております。
 二つ目は、至高の科学力で世界に先んじて新たな研究開発成果を創出するということです。
 この趣旨としては、もちろん理研単独でもすぐれた研究成果の創出に取り組みますが、さらに、全国の大学や研究機関と一体となって、国の科学力を総体として向上させ、国力としての研究開発成果の最大化を図りたいと思っております。
 人類社会の課題解決という問題は取り上げられて久しいですが、それを目指すためには、さまざまなミッションに対応できるよう、総合研究所として広範な分野の研究開発を進めていきます。また、基礎研究をしっかりと推進し、深化させたいと思います。このことにより、世界に先んじた研究成果の創出に取り組んでまいりたいと思っています。
 もちろん、次の社会をにらんだビジョンを策定し、それに向けて科学技術がいかに貢献できるかということを明らかにし、着実に実行してまいりたいと思います。
 理研は、野球でいいますとキャッチャーとして国が投じるボールを受けますが、キャッチャーがサインを出しますように、理研からも国にいろいろ申し出、提案をしていきたいと思ってございます。
 三つ目は、イノベーションを生み出す科学技術ハブの形成をするということでございます。
 先ほど、国力としての科学力ということを申し上げました。理研はオール・ジャパンでイノベーションに取り組むのですが、アンダー・ワン・ルーフで、大学や研究機関、あるいは企業をつなぐ中核としての機能、これを果たしたいと思っております。それを私たちは科学技術ハブと称しています。
 大規模で、理研でしかできない研究はもちろんございます。しかし、理研だけではできない研究も多くございます。優秀な研究者を理研に集める、そして大きな成果を生み出す、そのためには、例えば、クロスアポイントメントの制度を大学の研究者に適用することによって、大学に籍を置きながら理研の研究にも参画できる、そういうふうにしたいと考えております。この取り組みを通して、理研の研究や制度を大学の方々ともシェアをしながら広めてまいればよろしいのではないかと考えております。
 四つ目は、国際頭脳循環の一極を担うということです。
 理研の運営を国際的なスタンダードに近づける、現在でもたくさんの国際研究者が来ておりますが、スタンダードに近づけることによって、海外からの研究者がより参画しやすい環境を整えたいと思っております。
 例えば、研究支援スタッフ。海外の研究機関では、論文を書くためのサポート、実験機器のエキスパート、あるいはソフトエンジニア等の技術者が研究者の周辺にたくさんいます。
 海外から著名な研究者を呼ぶと、その研究室には世界から優秀な研究者がやってまいりますし、世界のさまざまな研究文化、あるいはその国の文化が一緒にやってまいります。海外からの研究者が定着するかどうかは、こうした環境をいかに国際的な標準にするかということがポイントになろうかと思っております。
 英語の公用語化につきましては、新聞報道でも見出しになっておりました。英語で議論するということは、将来、国際的なリーダーとなる若手研究者にとってはとても重要なことです。国際学会等で活躍するための必須のスキルと言えるでしょう。セミナーやシンポジウムの公用語は英語ですから、理研内部でも英語で議論することによって、お互いにこなれたフレーズを身につけていただいて、みずからの考えをきちんと発信できるようになることを期待してございます。
 最後の五つ目でございますが、世界的研究リーダーを育成するということです。
 資源の乏しい我が国は、これまでも科学技術により国を興すという戦略で臨んでまいりました。また、御案内のように、火山や地震の多発する国土においては、科学的な防災、減災対策ということも大変重要だろうと思っております。
 科学力は、それを担う科学者そして技術者の強い意思と、それが多くの人たち、つまり、国民によって支えられることが重要となります。世界的に活躍する新しい研究リーダーを育成する、出てくるということは、多くの人たちが科学技術に夢を持つということにつながります。
 「終身の計は人を樹うるに如くはなし」という言葉がございますが、人を育てることが最も重要だろうというふうに考えております。若手研究者を長期的に安定的に雇用する道を開く、そして海外へ留学させるなど、夢を持って研究に取り組めるよう環境を整えてまいりたいと思っております。
 キャリアパスとしては、若いときに研究をやってずっと研究者という方もおられますが、それ以外に進まれる方もあるわけで、そういう意味では、研究者以外への道も開拓することによって、各人の能力を最大限活用するということが我が国にとって重要ではないかと思っております。
 最後になりますが、理研の各センターを私は訪問させていただきました。私の印象は、理研には随分すばらしい研究者がいるな、もちろん大学にもすばらしい研究者はおりますが、理研は特に固まってすばらしい研究者がいるなというふうに感じました。
 また、大学では実現できないような超大型の研究施設、スーパーコンピューター「京」、あるいは大型放射光施設SPring8、エックス線自由電子レーザーのSACLAなどが整備されており、多くの方々に利用されております。これは、学界、学者だけではなくて産業界の方にも利用されております。
 それぞれの研究室にも、こういう大型設備以外の最先端の設備が入っておりまして、この分野では私たちは世界一ですと胸を張って言ってくれる人がたくさんおられました。大変うれしく思いました。日々新しい成果を生み出して、世界の科学技術を牽引しているというプライドを感じることができました。
 明治時代には、非常に意気盛んな若者、優秀な若者が海外に出て、新しい知見を西洋から持ち帰って、また同時に、日本は優秀である、日本人とはこんな魂の持ち主だということをその時代にアピールしてこられました。
 今後も、我が国の優秀な研究者が海外で活躍し、また、海外の研究者が理研で活躍されるということを考え、理研の、そして我が国の科学技術や文化に対する評価を高めていかねばならない、こんなふうに思っているところでございます。
 以上、簡単に御説明いたしましたが、理研科学力展開プランを理研の経営方針として、今後、この五つの柱に沿った戦略を具体化してまいりたいと思ってございます。
 委員長、委員の先生方の御指導、御鞭撻をよろしくお願い申し上げます。
 ありがとうございました。拍手
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坂本祐之輔#5
○坂本委員長 ありがとうございました。
 以上で松本参考人の意見の開陳は終わりました。
    —————————————
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坂本祐之輔#6
○坂本委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。田所嘉徳君。
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田所嘉徳#7
○田所委員 自由民主党の田所嘉徳でございます。
 貴重な質問の機会をいただきまして、心より感謝を申し上げたいと思います。
 また、ただいまは松本理事長より、理研の充実、そして我が国の発展にかける大きな意気込みを聞かせていただきまして、大変頼もしく思ったわけでございます。
 そこで、もうほとんどの事業所を訪問して多くの研究者とも議論をしてきたということでございます。まさに、現場から得るものは大変重要なことがあるだろうと思います。
 私は、理研のこれまでの経緯を見てみますと、急激に研究所がふえてきたということがあろうと思います。そういう中で、大変特別なのは、九割も任期制の研究員がそれを担っているということでございます。それがどのような効果、あるいは障害を招来しているのか、それをちょっと聞きたいというふうに思っております。
 そして、STAP細胞問題がありましたが、そういったものとの関係、あるいは理研の信頼回復の処方箋というものをどう考えておられるのか、お聞きしたいと思います。
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松本紘#8
○松本参考人 お答えいたします。
 任期制の研究員が多いというお尋ねでございましたが、九割ぐらいが任期制の研究者でございます。先ほど申し上げましたが、一九八六年、割合早い時期に任期制の導入を図ってございます。
 今世紀に入りましてからいろいろな戦略センターを設置してまいりましたが、センターそのものも有期でございますので、そこで働く研究者も有期、基本的には、毎年更新でございますが、五年までとしてございます。優秀な人はさらに五年までいけるというような制度になってございます。
 これの長所、短所でございますが、長所は、非常に多くのフレッシュな研究者が常に理研に入ってきて、理研から大学なりほかの研究機関に流れていくという、頭脳循環には大きな貢献をしてきたと思います。
 一方、短所の方は、期間が五年といいましても、最初の年は、理研に来て、その研究テーマに取り組むための準備期間としてほぼ費やされます。その次の年から本格的な研究に入って、研究成果を出して論文にまとめるというプロセスが入るんですが、最後の一年間は、恐らく次の職探しということで、大変忙しい。そういうことで、五年と言われても実質三年、こういう不平不満が若手の中にはございました。
 それをどうしようかということでございますが、全員を定年制ということはもちろんできません。フィルターをかけて、いい人を残していって、そして、長期的な研究に取り組みたいというビジョンをしっかりと持っている方に関しては、テニュアトラックという制度を新たに設けまして、そこに乗せていろいろな資質を見ていく。そうすることによって、将来の理研のコアとなる人物が定着するということもありますし、優秀な方はここから出ていって、大学等で活躍される、そんなふうに考えてございます。
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田所嘉徳#9
○田所委員 テニュアトラック制度というんでしょうか、そういった移行制度というものも研究者の意識高揚ということにもなるだろうと思いますし、しっかりと取り組んでいく必要があるんだろうと思います。
 先ほどの話の中でも、研究成果の最大化ということが言われておりました。これを聞きますと、どういうことをもってその効果を評価するのかということでありますが、被引用論文であるとか国際共著論文等において評価するんだというようなことが言われておりますけれども、私は、もっと直接的に、産業活動にどのくらい寄与をしているのか、あるいは、国際的に先端を行って特許等でどういう価値を得られているのか、金銭的な評価があるかもしれません、いろいろな面を含めて、そういったものをしっかりと評価するということが重要であろうと思いますが、その点についてどう考えているのか、お聞きしたいと思います。
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松本紘#10
○松本参考人 ありがとうございます。
 国際的なことも視野に入れて研究者をどう評価していくか、これは大変難しい問題であります。
 現在、御案内のように、ランキングというのが世界じゅうで大変横行しておりまして、西洋の目から見た、西洋文化の中から見たランキングというのが出ております。
 研究者は、国内はもちろん、いろいろな研究機関を渡り歩く方もおられますし、一カ所でずっとやられる方もおられますが、いずれにしても、その標準がそろっていないといい研究ができないわけで、引用論文数とか国際共著論文数というのは彼らの視点からいっても重要ですし、我々の視点からいっても重要だと思います。
 ちなみに、理研は、発表する論文のおよそ半分が国際共著論文になってございます。これは非常に多いと思います。それから、引用される論文も、トップテンとかトップ一%に、よく引用される論文の比率が理研は非常に高うございます。大学、研究機関を含めて、日本で一番質の高い研究論文が出ている。
 お尋ねの評価ですが、そういう研究者として当然の引用論文数とか内容もありますが、ほかの、研究者がどういう研究成果を生み出すか、つまり、アウトプットじゃなくてアウトカム、論文を生産するだけじゃなくて、どういうふうに社会に貢献するかという点も評価してまいりたいと思ってございます。
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田所嘉徳#11
○田所委員 今説明を受けましたが、もうちょっと現実的な、産業寄与とか特許等の現実的なものも考慮してもらいたいなというふうな思いを私は持つわけでございます。
 また、全体の中で本部機能を強化するということがございました。私は、二つの面があるというふうに思っております。
 それは、STAP細胞の問題などが起きたようなことがないように、さすがに理研は研究者の集団であって、そういう中にあって、そういうことが発生しないような、しっかりとした内部統制のシステムといいますか、そういった機能がまず重要だろうというふうに思っています。
 もう一つでありますけれども、私は、どんな成果を求めて課題をつくっていくのか、全体をリードしていくのかということが本部機能に求められる大きな力だろうというふうに思っております。日本の成長の、産業の米となるような研究開発というものを推進していく、そういう選択というものが非常に重要だろうというふうに思っております。
 例えば、今、がんなども、免疫療法が重要であるとか、一方では重粒子線等を使ったものが必要なんだとか、いろいろなことがありますが、限られた資源の中でどう選択をして進めていくのか。白眉プロジェクトというようなものも考えられていたようでございますが、こういったものをしっかりとリードしていく、そのことが重要だろうと思います。それをどのように進めようとしているのか、その点を聞きたいと思います。
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松本紘#12
○松本参考人 お答えいたします。
 お答えする前に、一言だけ。先ほどの質問で、産業とのつなぎをどうするんだ、どう評価するんだというお話がございました。それは大変重要と思っていまして、例えば、パテント一件は論文何件に相当する等々、分野によってしっかり見きわめて、評価点に加えたいと思ってございます。
 今のお尋ねの件でございますが、本部機能をどう強化するのかというお尋ねでございますが、これは、今まで理研は各センターの主体性を尊重して、それぞれのセンターが成果を追求するというスタイルで研究を進めてまいりました。それなりに成功してきたと思います。
 しかしながら、先ほど申し上げましたように、理研は本年四月に国立研究開発法人となり、研究開発成果の最大化がミッションになりました。言いかえると、ダイナミックな最適資源配分を行わなければ全体最適ができないということでございますので、社会の要請に応える新規事業の立ち上げなどが行えるように、本部機能の強化、調整機能強化をしてまいりたいと思ってございます。
 具体的な取り組みといたしましては、役員については、研究現場経験や研究管理経験の豊かな研究者を複数採用いたしました。
 また、理事長室というものを設けまして役員を強力にサポートするという体制を設け、今委員おっしゃいました全体の社会の流れというものを把握して、大きなビジョンを常に描くということにしてまいりたいと思います。
 先ほど言いましたように、そういうトップ機能は重要なんですが、下からの声も重要で、ボトムアップとトップダウンをいかに調和させていくかということがこの研究所の大変重要なミッションと考えてございます。
 また、イノベーションにおきましても、先ほども申しました科学技術ハブというものを設けて、大学や産業界と一緒になって、イノベーションが進むような重要な課題に取り組んでまいりたいと思ってございます。
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田所嘉徳#13
○田所委員 今お話が出ました科学技術ハブ、あるいは国際標準による外国人研究者の招聘等についても大きな要点として挙げられておりますけれども、私は、大学や研究機関、産業界と連携するとただ言っても、自動的に進むわけではないんだろうというふうに思っております。これを具体的にどのように進めていくのか、大変難しく、重要だろうと思っております。
 また、国際標準の環境をつくって、そして優秀な研究者を呼ぶということでありますが、英語ができるというだけでは、そんなに強いとも私は思いません。
 先ほどSPring8とかスーパーコンピューターの話も出ました。大強度陽子加速器なども私の茨城にはありますが、そういった施設等を目指して、それが外国人研究者のインセンティブになるのかもしれません。
 そういうものを含めて、外国人の研究者あるいは科学技術ハブというものをどう実現するのか、少し具体的に説明してもらいたいというふうに思います。
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松本紘#14
○松本参考人 どういうふうに組み上げていくかということは大変難しい、いつの時代も難しい問題でございますが、私は、例えば、科学技術ハブと申し上げましたが、産業界とどうするのか。
 実は、理研は、産学連携にももちろん力を注いでまいりましたが、産学連携本部というものが一番上に見えるようになってございません。ですから、早速四月から、産学連携本部というものを明確に見えるように設置いたしました。
 そこには、共同研究をする企業の方々もたくさん来られています。それを強化するということはもちろんでございますが、先ほどハブと申し上げましたのは、例えば産業界を眺めておりますと、同業者同士の連携というものは割合多いんですが、異業者同士が出会う機会が余りないという声も聞いてございます。そういう意味で、理研は、いろいろな業種の方々を集める、そして議論するということにも注力してまいりたいと思います。
 国際的なことは、委員御指摘のとおり、大変立派な施設もございますし、それを使うために来られる方もございますし、研究者が優秀なために集まってくるという方もございます。
 そういうものをフルに活用して国際的なフィージビリティーを上げるということが一つでございますし、今後は、各拠点を海外に展開するということも大変重要だろうと思ってございます。
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田所嘉徳#15
○田所委員 研究所はまさに属人的な要素が非常に大きい。そういう中で、やはり、研究者が本当に熱意を持って、しっかりと研究に打ち込む姿勢を持つようにする必要があるんだろうと思います。
 それをどこに求めるのか。帰属意識は定年制の職員ならもっと強いのかということもあるだろう。あるいは、発明の対価などが大きな訴訟にもなりましたが、そういう中にあって、どういうふうな位置づけにするのか。特許などもそうであります。あるいは、招聘の中では魅力的な年俸みたいなものを外国の人などには示していくとか、いろいろなこともあるんだろうと思います。
 研究者が力を発揮できるようなリードの仕方を、ベンサムやミルを持ち出すまでもなく、人間、功利的なこともあります、そういう中にあって、積極的にその属人的な研究所において力が発揮できるように、どうしていくのか。
 最後に、特定国立研究開発法人というものが、理研を対象として検討もされてきたわけでございます。これは、非常に大きな主務大臣の権限とか、あるいは研究開発等の特殊性というものも配慮すべきだという、非常に強い方向性も打ち出されているわけであります。これらをどのように考えているのか、その点をあわせて聞きたいと思います。
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松本紘#16
○松本参考人 お答えいたします。
 まず、若手をどういうふうに元気づけるか、あるいは研究者全般をどういうふうに元気づけるかという大変重要な問題がございます。私は、これが現在の理研においては最も重要だろうと思っています。
 いろいろ回りまして、話をいたしまして、研究者の声が直接理事長に届くというシステムも必要だということで、早速やりました。いろいろな意見が出ましたが、去年と比べて理研は明るくなった、研究に自信が持てるようになったという声がたくさん寄せられました。こういうムードをつくり上げることも本部の仕事の一つかと思ってございます。
 研究者が研究にプライドを持つ、日本人としてのプライドを持ち続けるということが一番のモチベーションではないかと思ってございます。属人的ないわゆるサラリー等の評価につきましても、きちっとやってまいりたいと思います。
 それから、お尋ねの、特定国立研究開発法人の指定の件でございますが、これは、私どもの理解としては、政府、国会においてお決めになるものと承知してございます。もし指定されれば、その役割を果たせるように全力を挙げて取り組みたいと考えてございます。
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田所嘉徳#17
○田所委員 松本理事長、ありがとうございました。
 明るくなった理研において、大きな成果を出して、産学連携等も進めて、我が国の発展に資するような、そういう研究所として、しっかりとリードしていただきたいというふうに思います。
 ありがとうございました。
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坂本祐之輔#18
○坂本委員長 次に、津村啓介君。
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津村啓介#19
○津村委員 民主党の津村啓介でございます。
 松本理事長、本日は、貴重なお時間をお割きいただきまして国会までお運びいただきまして、ありがとうございます。
 理研は、古く一九一七年の創立ということでございますので、再来年には百周年を迎えるということでございます。最近では、昨年の出来事もありましたので、先ほどから、不祥事の防止であるとか信頼の回復という言葉も出ておりましたけれども、長い理研の歴史、そして日本の科学技術の世界における位置づけということを考えましたら、今回の科学力展開プランの意味合いというものを、もう少し大きな、地理的あるいは歴史的なスコープで議論もさせていただきたいというふうにまずは思うわけです。
 松本理事長は、昨今の世界の科学技術政策の潮流といいますか、今どういう変化が大きな意味で起きているのか、その中で日本の位置づけというのがどう変わってきているのか、その中で今回の理研の新しいプランをどう位置づけていらっしゃるのか、大所高所の観点から少し御説明いただきたいと思います。
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松本紘#20
○松本参考人 お答えいたします。
 大変大きな質問を投げかけていただきました。
 私は、現代文明が科学技術によって支えられているということはかたく信じている人間の一人なんですが、もともと人類文明というのは、学術があって、その学術に基づく科学、科学は学術の一部でございますが、そのサイエンスに支えられて技術がある、その技術が実社会にインプリメントされて、つまり移っていって、豊かな社会に、徐々にではありますけれども、進んできた。
 現代社会の問題は何かという御指摘でございますが、これは、基本となる学術の進展、あるいは科学の進展の方法にも一つ問題があります。もう一つは、市民の方にも問題があります。
 市民の方は、まず、豊かな社会をみんな望むようになりました。豊か、豊かということをやっていますと、言葉は適切な表現ではないかもしれませんが、豊かぼけをいたします。本来は、いろいろな制限をよく考えて、市民一人一人が考えて、科学を有効に利用していく、または有効に利用できるように科学技術を育てるというマインドが必要だろうと思います。これは、残念ながら、西洋の、特に米国の方がそういう意味合いは市民の間に広いんじゃないかという気がいたします。しかし、日本もかなりそういう方向に動いてまいりました。
 そこで、では、科学はどうかという全体のビジョンですが、デカルトが要素還元論というのを出しまして、どんどん細かい学問をやりましょうと。その方向で学問は進んでまいりました。科学技術もそうです。現在の社会を見渡してみますと、細かい技術がいっぱいありまして、それぞれに専門家が張りついております。それぞれの専門家はお互いに競っているわけですから、自分のすごく狭い分野だけを見るようになります。これが欠陥でございまして、横串を通して、科学全体あるいは学術全体を見渡して科学技術を進める、あるいはそういうリーダーになってもらうという人を今後育てていくことが世界的にも必要ではないかと思っております。
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津村啓介#21
○津村委員 ありがとうございます。
 今、理事長のお話の中にも、科学者、研究者の側の課題と市民社会の側の課題、ここの間をつないでいくということが、そういうためのリーダーといいますか人材を育成していくことが非常に重要というお話がありましたけれども、今回の科学力展開プランを拝見いたしますと、どちらかといいますと、理研のガバナンスといいますか、あるいは科学者としてのあり方みたいな方に少しウエートが置かれていて、国民との対話でありますとか市民社会に対する働きかけみたいなところがなかなかこの文言の中からはストレートには見えてこないと感じました。
 そんなことは当たり前ということで書かれていないのかもしれませんので、改めて少し敷衍していただければと思うんですけれども、市民とのコミュニケーション、科学コミュニケーションという意味ではどういった方策をお考えでしょうか。
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松本紘#22
○松本参考人 お答えいたします。
 これは大変重要なことを御指摘いただいているんですが、当たり前のことというふうに表現されましたが、当たり前でも大変重要だろうと私どもは認識してございます。
 去年の出来事もございましたし、科学者の倫理観はどうかというような問題もございましたが、一番重要なことは、社会、市民を含む社会と科学の関係を一人一人の科学者がしっかりと認識するということだろうと思っています。その中には、当然、自分の研究成果を社会に発信するときに、コミュニケーションができるような表現ということはもちろん必要ですが、同時に、社会をどう持っていくビジョンを持っているかという、研究者個人個人の思いを外に発信することが重要です。
 そのために、今度は広報に哲学者を理事として招請いたしました。つまり、科学と社会の接点は、まさに研究者個人個人、そして市民個人個人の間をつなぐフィロソフィーがなければならない、そういう思いで広報を担当していただきます。そういう視点で運営してまいりたいと思ってございます。
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津村啓介#23
○津村委員 ありがとうございます。
 自然科学は古くは自然哲学と言われていたわけで、だから哲学者ということではないかもしれませんが、これから新しいその理研の姿を見ていくことを楽しみにいたしております。
 実は、質問の一つの柱に、ガバナンスの話を聞かせていただこうと思っております。
 先ほど田所さんが大変すばらしいといいますか、的を射た御質問をされていましたので、少し重なる部分がございますけれども、今回、五つ戦略を出されるに当たって、東洋経済のインタビューを拝見したんですけれども、もともと、研究とガバナンスの二つは、これは必ず必要だろう、そして、日本人は偶数だと据わりが悪いので、ほかにも大事なことがあるので五つにしましたというようなことが書かれていたわけです。
 研究はある意味では当たり前でありまして、やはり今回、松本理事長には、ガバナンス改革のところが、周囲からの期待も大変大きい部分だと思います。
 その点、三代目の大河内所長以来の主任研究員制度、これは終身雇用、それから最近では、比較的大きな予算を扱って国からのミッションを扱う戦略センターということで、先ほどから終身雇用と定年制と任期制のポリシーミックスを少し見直していきたいというお話ですが、ここは一番皆さんが、あるいは、先ほどからの世界全体の科学技術政策の潮流として、この新しいテニュア制度というものをどう構築していくかというのは、本当にぜひ答えがあるなら見せていただきたいという、他の研究開発法人あるいは大学の皆さんも大変注目されているところだと思います。
 もう少し具体的に、今思っているイメージを御披露いただけると大変助かります。
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松本紘#24
○松本参考人 テニュアトラックを導入してテニュア制という制度に持っていきたいということを申し上げましたが、研究者のモチベーションをどういうふうにすくい上げるか。研究所ですから、研究者が主にいるわけですね。もちろんそれをサポートする事務スタッフもおりますが、そういう人たちの意欲をどう持ち上げていくか。これもよく言われることですけれども、トップダウン方式がいいのか、ボトムアップ方式がいいのか。実は、私は両方必要だろうと思っています。
 両方という意味は、ガバナンスを一番責任を持ってやる執行部、理事、理事長ですね、そういう人たちは、全体の戦略をしっかり見きわめて、こうするということを申し上げますが、細かい戦術とか研究のやり方とかテーマとかいうものは、研究者の層から上がってこなければなりません。ただし、勝手に自分の研究をやりたいということではだめだということをしっかりと全体が共有してやるというガバナンスが最もふさわしいと思ってございます。
 そういった意味で、新しいテニュア制度をこれから構築するんですが、研究者の中にも、ずっと理研にいて理研のコア研究者となってくださる方と、理研にいる期間、腕を磨いて、すばらしい研究環境で研究をやって、大学に行きたいという方もおられますよね。あるいは、長期の研究をじっくりやりたいんだという人もいますよね。いずれも、長期とか、ある程度成果が出るまでというような制度は、今の任期制度の中では難しいという声が非常にございました。だから、やはり人事制度を二つ持つんじゃなくて、両方やる。
 センター長も、非常に優秀な方がセンターを運営しておられます。研究者としても立派、人物としても立派な方がおられますが、研究センターの任期が来れば一応そこで雇用関係は終わりという形に現在なっております。そういう人も、しっかりと理研の中のコア研究者として次のミッションも経験を生かしてやってもらう。フレキシビリティーのある、適応性のある研究者として成長してもらいたいという思いもあって、一元化ということを申し上げてございます。
 テニュアトラック制度は、十分によく考えて、モデルとなるようにつくり上げていきたいと思っております。
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津村啓介#25
○津村委員 定年制がどのぐらいの割合でというところまで、できれば踏み込んでいただきたかったのですが、これから現場の意見を大切に聞きながら進められていくということなのかなというふうに解釈させていただきました。
 それともちょっとかかわるんですけれども、STAP細胞の研究不正の事後対応等の議論がこの間るるあったわけですけれども、理事長は、STAPはストップというふうにおっしゃられて、もっと前向きな話をしていこうじゃないかということで、今回の、背中が丸まってしまっている、背筋を伸ばして頑張れる体制をつくるということをおっしゃっているわけです。
 これは、スピード感といいますか、この間、少しスピードが遅かったという批判もあって、今回の新しい理事長御就任ということもあるんだと思っているんですが、この科学力展開プランは大体どのくらいの時間軸で進めていかれるお考えですか。
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松本紘#26
○松本参考人 科学力展開プラン、これは就任してから一カ月半ぐらいで取りまとめたものですが、それだけに、大筋の枠が示されておりまして、細かいことはまだこれから詰めるということが多くございます。
 スピード感という意味では、私はスピード感が最も大事だと思っています。世の中の変動が非常に激しい中、日本の大学とか研究機関がやや遅いという非難が諸外国からも寄せられております。
 したがいまして、私は、人事制度が一番難しいので、きょう言ってあしたというわけにはいきませんが、これは一年以内をめどにやっていきたいと思ってございます。
 種々の改変が伴いますから、現在進行中の研究が大きくスローダウンしないということは絶対条件だと思っております。その中で、できるだけ速やかに私どものビジョンを実現していくよう努力をしたいと思ってございます。
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津村啓介#27
○津村委員 ありがとうございます。
 一年という一つの節目も含めて御答弁いただきましたので、大変力強いお言葉だったと思います。
 最後になるかもしれませんが、少しお尋ねしにくい質問になりますけれども、今回の松本理事長の御就任というのは、ちょうど国立研究開発法人への衣がえというタイミングと軌を一にしておりまして、また、大学改革でも内外に大変名をはせられた松本理事長の御就任ということで、大変期待の集まっているところでございます。そうした中で、早速十七の拠点を回られて、一カ月半でこれだけのプランをまとめられて、私ども、大変期待をしているところでございますし、国会でも、しかるべき時期には、理研に関する法案等の審議も含めて、応援できるところを応援していかなければいけないということを思っているんです。
 一つ、どう受けとめていいのかなというふうに思いましたのが、前理事長の野依さんの今回のJSTのセンター長就任という人事でございます。これは松本理事長が御判断されたことではありませんけれども、しかし、今回、引責という言葉が適当かどうかは別として、STAP問題に一つの区切り、節目をつけるという意味合いが、この野依さんから松本さんへの交代には込められていたと思いますし、そこが松本理事長への期待とコインの裏表であるわけです。
 その後、JSTのセンター長に野依さんが、十一年五カ月という長い理研理事長から移られたことというのは、理研改革のイメージと少しそごがあるといいますか、違和感を感じたわけですけれども、新しい理事長として、松本さんはこの件にどういう御感想を持たれたか。私は、松本さんもある意味では当事者のお一人だと思うので、あえて伺うんですけれども、そのことが一点。
 一方で、野依さんのことを批判めいた形で御質問するのは本意ではありませんので、松本さんから見た野依前理事長の御功績について、あわせてお尋ねしたいと思います。
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松本紘#28
○松本参考人 お答えのしにくい質問でございましたが、お答えしたいと思います。
 御案内のとおり、野依前理事長が就任されて、独立行政法人としての理研というものを立ち上げられました。その時期にはかなりの御苦労があったのではないかと推察してございます。ノーベル賞を受賞された優秀な研究者でいらっしゃることは誰も疑いようがない事実でございますけれども、かなり力を発揮されまして、現在の理研まで、去年の事案が起こるまで、SPring8を利用拡大したり、「京」を立ち上げたり、いろいろ、日本の科学技術の最先端を引っ張ってこられたというふうに私は思っております。
 御苦労は大変多かったと思いますが、残念ながら、昨年の事案で大変つらい思いもされましたし、いろいろ精いっぱいやられたのではないかと思ってございます。
 研究者としてはもちろん私は尊敬しておりますし、いわゆるマネジャーとしても、その時期その時期、最大限の努力をされたかなと思います。
 ただ、去年の事案は、いろいろな観点からいいますと、非常にフィーバーになりましたので、タイミングよく情報を発するという意味では、少しおくれをとったようなことがあったのかもしれません。しかしルールは、百五十日までに調査をやるという、内部で文科省主導のルールがありますから、それにのっとって粛々とやっておられたように外からは見えました。
 以上、私の感想でございますが、野依先生は非常に優秀で、日本国は外国と違って、一般的に、世の中に定年制というのがあるんですよね、年齢で、あるところから若い人にバトンを渡すというような風土がございますが、外国に行きますと、そういうことを言うと、シニオリティー・ディスクリミネーションと言われて、年齢じゃない、能力だというふうに言われておりますので、それぞれのポストは、あるいは仕事は、個人個人の能力に応じて最適なところに就職するというのがいい社会ではないかと思ってございます。
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津村啓介#29
○津村委員 御丁寧な答弁、ありがとうございました。
 時間が参りましたので、終わります。
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