村田晃嗣の発言 (我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会公聴会)

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○村田公述人 御質問ありがとうございます。
 今先生が御指摘になりました憲法の前文のくだり、国際社会の公正と信義に信頼してというところでございますが、かつて京都大学に高坂正堯先生という大変著名な国際政治学者がいらっしゃいましたけれども、高坂先生がかつて、この憲法前文の今御指摘のくだりを挙げられまして、自分は改憲論者ではないけれどもと断りをつけながら、このくだりはやはり少しおかしい、国際社会の公正と信義にちょっとだけ信頼しというふうに、ちょっとだけと入れるべきであるというふうに御指摘になったことがあります。これは高坂先生らしいユーモア感覚でもありますけれども、しかし、やはり物事の本質をついていると思います。
 つまり、一方で、国際社会は弱肉強食であって、公正も信義もないというような粗暴な議論に流されてはならない。国際連合が存在し、国際法があり、そして国際世論というものが存在し、国際規範というものが形づくられているわけです。そういう意味で、ある程度の公正と信義があることは、これは間違いないわけです。しかし、他方で、諸国民の公正と信義だけに信頼して一国の安全が全うできるかというと、それほど甘いものではない。そういう両者のバランスの中で我々は生きているのだということだろうと思います。
 先ほど来、例えば、重要影響事態であるとかあるいは存立危機事態であるとかいうのが概念として曖昧だという御指摘、それはごもっともなところがあるかと思いますけれども、しかし、日本の法案の中の概念の曖昧さを指摘しても、国際情勢そのものの曖昧さを我々が法律で変えることはできないわけであります。
 周辺事態法にもそういう側面があって、そういう意味では、今回の提出されている法案というのは、確かに重要で大きなステップだけれども、今までの日本の安全保障の法体系とかあるいは考え方を革命的に変えるようなものではないだろうというふうに考えております。
 それから、先ほど申し上げたように、仮にこの法案が成立をしても、その後不断の議論がなされるということが大事であって、そのことによって、例えば、存立危機事態であるとかあるいは重要影響事態について社会がどの程度受け入れるのか、どこを認めるのかという社会規範というものが積み重ねられていく、そういう作業が大変大事ではないかというふうに考えております。

発言情報

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発言者: 村田晃嗣

speaker_id: 35023

日付: 2015-07-13

院: 衆議院

会議名: 我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会公聴会