長澤健一の発言 (経済産業委員会)

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○長澤参考人 長澤です。ただいまの質問にお答えいたします。
 我々、訴訟は三件ですが、それ以外にもかなり苦情とかそういうものを受けます。
 キヤノンの発明取扱規程の中には、出願時に固定額、発明が生まれたときにインセンティブ用の固定額、さらに、登録したらまた固定額、それプラス、一定期間に評価をしまして、六級から特級という評価を、三十人の部長が点数をつけて評価するシステムを持っています。
 それで、いろいろな面から見ると、こういう面から見ると不公平、こういう面から見ると公平ということが非常に起こりやすくなっております。例えば、キヤノンの場合は、一番利益を稼いでいるものはプリンターとカメラになりますが、それ以外の事業にかかわっている発明者は、どうしても収入というかもらいが少なくなる。ただ、発明としては俺の方が全然立派なんだということが出てまいりますので、我々の場合は四つぐらい項目を設けています。
 一つは、経営に対する貢献、これがいわゆる日本の対価制度の基本になっているところだと思うんですが、それ以外に、技術の基本性というもの、どれだけ技術が大きくイノベーションを生み出したかということを別途評価しよう、さらに、それがどれぐらい今後活用できるかという将来性のようなものという四項目ぐらいを、部長以上が点数をつけて評価して、その平均点をとって、それを私なり知財の幹部が見て、それでお金を払っています。一応、上限はありません。
 ただ、そういうふうにいたしましても、いやいや、俺の発明は大発明なんだ、成功していないのは会社が悪いんだという意見が出てまいりますので、それに対しては苦情相談室のようなものがあって、場合によっては私に直接電話がかかってくることもございます。
 その中の一部の方が今訴訟を起こしたりしているわけなんですが、これはちょっと我田引水的になってしまうかもしれませんが、その方々は、現役のときに共同発明者との間で、あなたの寄与はゼロで、私の寄与は十だというふうな話をされていたような方でした。
 逆に、日本人の発明者というのは非常に勤勉で、余りそういう主張もされない方の方が圧倒的に多いんですが、結局、その方々が不利益をこうむっている場面もあります。
 ただ、やはり、大発明だと思って、それがこういう形で使えるんだという話は、会社側で聞く耳をちゃんと持って、話を聞くようにしています。ただ、その話を聞いたときに、わかりました、では、あなたにもうこれだけ払いましょうとやると、今度はほかの従業員の不満がやはり出てまいりまして、そのバランスをとりながら判断するというのが非常に大事なことだというふうに思っています。
 それともう一つ、我々は、発明者だけではなくて、その発明を生み出すために貢献した方々にも、対価とは別に、発明表彰制度を設けまして、お金も払っています。お金を払ったり、それから、社長と握手をして、実は、金メダルをもらってみんなの前で褒めてもらうということをやって、社長賞とかという賞をもらいますと、実際に社長と話ができて、会食ができたりとか、懇親会があったりとかという費用を会社が出すというようなインセンティブも別途やっています。
 発明は発明者が生み出すものなんですが、実は、それを生み出す前には、シミュレーターがソフトウエアで物理的特性を全て解析して、ここが足りないということを指摘するので、発明というのは生まれます。それで、その生まれたものを設計する人がいます。それを今度は発明として権利化をしようとする。これは全て従業員、エンジニアたちです。その人たちにもやはり貢献の度合いがあるわけでして、発明者だけを余りにも優遇すると、今度はそういう方々から苦情が出る。その全てのバランスをとってやれば、できる限り、無用な抗争といいますかが起きないのではないかと思っています。
 今回、法改正があって、その手続の面がガイドラインに記載されると思いますけれども、その手続を恐らくほとんどの大企業は守ると思いますし、我々も恐らく、守る以上に、従業員に気を使ったことをやると思います。ただ、そういう事件が今後も起きないかというと、やはり苦情というものは続くように考えております。
 回答になっていないかもしれませんが、ありがとうございました。

発言情報

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発言者: 長澤健一

speaker_id: 32118

日付: 2015-05-29

院: 衆議院

会議名: 経済産業委員会