真島省三の発言 (経済産業委員会)

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○真島委員 私は、日本共産党を代表して、不正競争防止法の一部を改正する法律案に対し、反対討論を行います。
 本来、企業の私的財産権である営業秘密侵害行為への規制は、民事罰を中心とした救済措置の充実によって行われ、刑事上の処罰は抑制的、補完的な役割に限られるべきです。
 しかし、産業界は、営業秘密の流出は個別企業だけの問題ではなく国富の損失だとし、米国経済スパイ法を参考にした新法の制定を含めた検討を政府に迫ってきました。本法案は、この要求に応え、営業秘密侵害行為を国家的法益の侵害とみなして厳罰化を図るものであり、容認できません。
 反対理由の一つは、非親告罪化が営業秘密侵害を口実とした捜査当局の過剰な介入を引き起こすおそれがあるからです。そもそも、営業秘密は、その外縁や内容が定かでなく、処罰対象も不明確になりがちです。非親告罪化によって警察や検察の独自捜査が可能となることで、捜査や裁判の過程で、被害企業の意に反して営業秘密が流出する危険性が高まります。また、労働者の日常業務や労働組合活動、内部告発などの当然の権利の萎縮や、企業でキャリアを積んだ役職員の転職や退職を制約することにもなりかねません。憲法が保障する職業選択の自由にもかかわる重大な問題であり、看過できません。
 第二は、未遂行為に対する処罰の拡大が、実行の着手の解釈によっては処罰対象を不当に拡大するおそれがあるからです。営業秘密侵害罪に対しては、既に他の経済、企業犯罪と比べても重い量刑が科されており、これ以上の重罰化は罪刑の均衡を逸するおそれがあります。
 第三は、営業秘密侵害行為を受けた企業の立証負担の軽減策として盛り込まれている、被告企業に対する推定規定の創設が、被告の反証を困難にするのみならず、正当な事業活動を行う企業が濫用の被害者となる危険があるからです。
 営業秘密や製造技術が流出する背景には、多国籍企業の海外活動のあり方や国の産業競争力との関係、また大企業と労働者、取引先の信頼関係など、検証すべき多くの問題があります。電機産業に代表されるような無慈悲で一方的な黒字リストラや、下請事業者の知的財産を親事業者が奪い取るような下請いじめを改めることこそ、抑止効果を高める第一歩です。
 日米の刑法体系の大きな違いを無視して、強引に米国経済スパイ法のようなやり方を導入することは、権力が市民を監視する状況をもたらしかねないことを厳しく指摘し、反対討論とします。(拍手)

発言情報

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発言者: 真島省三

speaker_id: 30639

日付: 2015-06-10

院: 衆議院

会議名: 経済産業委員会