河野正美の発言 (内閣委員会)
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○河野(正)委員 医師不足とは違う観点ということでございましたが、やはり、地域偏在とか復興に対しての問題もありますので、ちょっとその辺はまた先にお話をさせていただきたいと思います。
ところで、私自身も医学部の卒業生でございますし、現在、愛知医科大学の客員教授を務めさせていただいております。
医学教育の現場におられる方から幾つか御意見をいただいてきたんですが、その中に、質の低下を懸念される声があります。まず、単純に医学部新設によって教員が分散化するということで、医学教育水準が一時的にであっても低下してしまうのではないかという懸念があるかなというふうに思います。
そして、近年、医学部受験が非常に過熱しているという報道があります。一方で、理系離れということも言われているんじゃないかなと思います。医学部受験の過熱によって、技術大国として世界に誇れた我が国工業技術の低下がもたらされるんじゃないかと懸念される声も、心配される声もございます。今後、激減する若年層、減ってくる若年層を医療界ばかりに取り込んでいくのはいかがなものかといった意見もございました。過度に医学部だけ優秀な学生が集中するということで、技術大国としての地位がどうなってしまうのかというようなことを伺ったところであります。
また、医学部というところは、当然ながら、人の命を扱う場所ですので、必ずしもきれいなことばかりでは済まされません。医師になるという強い志も必要ですし、相当な精神力を持っていないとだめだというふうに思っております。
近年、そこでまた、留年する学生もふえているということを伺いました。やはり、絶対に医師になるというモチベーションを持って医学部に入ってこないといけない、若干その辺が希薄になっているんじゃないかなという教育現場からの意見も伺ったところであります。
また、今回、国家戦略特区制度を用いた国際医療学園都市構想ということであります。しかし、既に、既存の医学部においても、世界各国の大学と交流協定を締結して、相互に学生レベルで行き来していることも決して珍しくないということであります。現状において、国際的視野を持った医師の養成は進んでいるものというふうに思っております。
もう二十年以上も前ですけれども、私の時代であれば、なかなか海外の医学部に研修に行くということは、国内の病院に研修に行くことはありましたけれども、なかなか海外の大学まで研修に行くことはありませんでしたが、今は本当に、年間各大学十人とかそういったレベルで、夏休みやあるいは平時を利用していろいろ交換学生という形で行かれているというふうに伺っております。
たとえ特区という形で一地域での導入であったとしても、医療従事者を初めとする人材が新設医学部に集まることで広く影響が及ぶおそれがあるというふうに思います。
千葉県成田市における今回の計画に関しましては、昨年四月に千葉県医師会から反対声明が出されていると思います。それによりますと、千葉県では保健医療計画の見直しにより、三千二百六床の増床が認められ、各病院では、それに見合う看護師を含む医療従事者を確保できず、病床許可をとったものの病床が稼働できないところが数多くある、これに加えて、新たに大学病院ということであれば、六百床程度の病院が開設するということになりますので、地域医療崩壊に拍車をかけ、県民に多大な損害を与えることは明らかであるというふうに述べられております。同じ資料によれば、千葉県の看護師充足数は全国で四十六位だということであります。
また、学校設置基準では、必要専任教員は百五十人程度と試算されているようでありますけれども、医学部の教員は、大学病院で実際に臨床業務、診療業務を行うこととなります。これらを勘案しますと、医学部が一つ新設されることにより、約三百人程度の医師がその大学病院に働くことになるというふうに思います。
そういった三百人の方が地域医療の現場から大学に集まってしまうということになりますと、医師不足の地域におきましては、大学病院という巨大な基幹病院が誕生する一方で、身近な医療機関や地域の基幹となっている幾つかの病院が崩壊しかねないというふうに危惧されるところであります。大学病院は、御承知のように、研究機関でもありますので、きめ細やかな、患者さん本位の医療ができるとは必ずしも限らないというふうに思っております。
今回の計画では、国際医療学園都市構想ということであり、開学に当たっての目標や理念としては、国際性豊かな医学教育のモデル事業であるとか、国際医療協力、地域医療で活躍する人材育成などの文言が記されております。また、日本型医療の輸出推進なども書かれております。
国際医療協力を否定するわけではありませんが、るる述べましたように、地域医療が崩壊しかねない、そういったことを私は危惧しております。
予算委員会第五分科会におきましては、私の質問に対し、塩崎恭久厚生労働大臣から、教員確保のため医療現場から多くの医師を引き揚げざるを得なくなり、地域医療の崩壊が加速する、人口減少など社会の変化に対応した医師養成数の柔軟な見直しを行いにくくなる、これから人口が減ってくるわけですから、それをどう考えるんだ、こういった指摘が寄せられている、大臣のもとにも懸念の声が届いていると御答弁をいただきました。
こういった声は菅官房長官にも届いていますでしょうか。お尋ねいたしたいと思います。