階猛の発言 (法務委員会)
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○階委員 私は、民主党・無所属クラブを代表し、裁判所職員定員法の一部を改正する法律案に対し、反対討論を行います。
当委員会での質疑を通じ、本法案について、以下の問題点が明らかになりました。
第一に、最高裁は、事件数が減少する中で判事を三十二名増員する理由として、民事訴訟事件の内容の複雑困難化、専門化への対応を挙げました。しかし、複雑困難化、専門化を裏づける具体的かつ合理的な説明はできていません。
最高裁からは、今回の増員は、合議率を一〇%にし、争いある対席判決の審理期間を十二カ月程度にするための、平成二十四年度を起点とする四百人規模の増員の一環である旨の答弁もありました。しかし、かかる増員目標は正式にオーソライズされたものではなく、法改正を直ちに正当化しません。
第二に、以上の議論を経た上で、大量採用された裁判官が任官後十年たっても判事になれないことが判事の増員の本当の理由ではないかとただしましたところ、最高裁は、貴重な審議時間を浪費したあげく、三十二名の増員があれば全員判事になれるということを渋々認めました。国会において真の立法理由を隠蔽しようとした最高裁の態度は極めて問題です。
また、このやりとりの一部始終を至近距離で目撃しながら、最高裁に何ら苦言を呈するでもなく、他人事のような答弁でお茶を濁す上川大臣は、法務大臣として適格性を欠いています。
第三に、裁判官の身分保障の見地から、判事昇格を可能とするためであれば、我が党としても判事増員はやむを得ないと考えます。しかし、その原資は国民の血税であり、増員の成果を国民に示す必要があります。例えば、さきに述べた裁判の迅速化に係る最高裁の目標を閣議決定等により国家目標に格上げし、これを達成することを国民に約束すべきです。
しかし、上川大臣は、第一審の訴訟手続を二年以内に終局させるという裁判迅速化法の目標がほぼ一〇〇%達成されたにもかかわらず、これにかわる新たな政府目標を定める意欲がありません。最高裁の言い値どおり粛々と増員する上川大臣の姿勢は、法案提出者として無責任とのそしりを免れません。
最後に、二年前の本法の改正に際し、当委員会では、「政府及び最高裁判所は、」「下級裁判所の判事補の欠員が増加傾向にあることを踏まえ、」「判事補の定員の充員に努めること。」という内容を含む附帯決議を可決しました。にもかかわらず、その後、政府と最高裁は、この決議を遵守するどころか、むしろ欠員を増大させています。附帯決議を無視する政府と最高裁判所の態度は、立法府の権威をおとしめるものです。
以上の問題点は、いずれも国権の最高機関である国会の地位を危うくするものであり、与野党を問わず、およそ国会議員であれば看過できないはずです。
何とぞ委員各位の御賛同を賜りますよう切にお願いを申し上げ、私の反対討論を終わります。(拍手)