清水忠史の発言 (法務委員会)
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○清水委員 とにかく、なぜこの三人が刑事処分を受けなかったのか、不起訴になったのか。そこは、当時の増井清彦次席検事が説明しております。今、塩川さんが言われたように、一つ、被疑者は私欲、個人的動機があるとは言えない、二つ目、警察が相応の懲戒処分をすると約束している、三つ目、警察が直接の上司や責任者を更迭し人心を一新した、四つ目、二人の被疑者は末端の人間であり、二人だけの処罰は厳し過ぎるというものですよ。
つまり、警察官三人が盗聴マニアで、何か盗聴したいよね、誰をやろうかということで、三人で共謀して、じゃあ、何となくここの家をやろう、それがたまたま緒方宅だったというはずがないんですよ。もちろん、県の職務として、上司の命令に応じて、組織的な盗聴行為、違法行為として、これは犯罪検挙のためじゃないですよ、大塚政務官。当時は通信傍受法はなかったですけれども、今も電気通信事業法違反ということにはなりますけれども、れっきとした違法行為が行われた。
それから、組織的でないというふうに言われましたけれども、要するに、こうした違法行為に神奈川県警として県民の公金が使われた、これは返金しなさいという神奈川県民の住民訴訟が行われて、これで、横浜地裁の判決では何と書いているか。本件盗聴行為が組織的に行われた可能性が極めて強いことからすると、少なくとも、直接の上司である被告何がしは、これを指揮命令したか、承認していたものと認めるのが相当である、こう述べておりますね。
同じく東京高裁の判決では、もっと限定しています。警察組織の末端に位置する一部の警察官限りで敢行されたものであるとは考えがたいのであって、これに従事していた被控訴人らの直属の上司、公安一課長ですね、であった被控訴人何がし及び何がしが、その所掌する事務として、組織的にこれを指摘命令していたものと推認することが相当と判断されるとした上で、県警トップの関与についても疑う余地があるとしている。
きょう、実は、山谷国家公安委員長の答弁を聞いていて、変わったなと思ったんですよ。必ず答弁の後にあった、いずれにしましても、警察は、過去に違法な盗聴を行っておらず、これからも行うことはございませんという答弁が落ちているんです。これは、やはり警察としてもいろいろ意識しているんだなというふうに思いますよ。
通信傍受を拡大しようというのであれば、やはりこの緒方事件についての総括は真摯になされるべきですし、理事会の場で協議するということですから、これまでの認識からもう一つ踏み込んで、明確な解決を望み、次の質問に移りたいと思います。
先日の参考人質疑で長澤彰弁護士が述べておられましたが、憲法でも、公共の福祉によって制限されるものとそうでないものがあるんですよというふうにおっしゃっておられました。
確かに、十三条の基本的人権のところで、公共の福祉という総括的なくくりでいうと、二十一条の通信の秘密についても絶対無制限でないかもしれません。しかし、例えば財産権や経済的自由権を保障した条文には、「公共の福祉に反しない限り、」という一文がありますよ。しかし、二十一条、表現の自由、結社の自由、検閲してはならない、通信の秘密を侵してはならない、この二十一条には公共の福祉というただし書きがありません。つまり、民主主義国家としてこれは全面的に保障されなければならないという点で、その制限については極めて謙抑的でなければならない、こういうふうに思うんですね。
そこで、基本的な認識を上川陽子法務大臣にお伺いします。
通信の秘密やプライバシー権、これは、その権利の性格上、それが侵害されれば事後的な救済は非常に困難な権利、そういう認識はございませんか。