谷本正憲の発言 (予算委員会)
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○谷本正憲君 石川県知事の谷本でございます。
本日は、大島委員長初め衆議院予算委員会の皆様方には、地方公聴会のために石川県までお越しをいただきました。また、発言の機会を与えていただいたことに、まず感謝を申し上げたいと思います。
午前中には、北陸新幹線の駅舎、周辺を御視察いただいたというふうにお聞きをいたしておるわけでございます。おかげさまで、県民の四十年来の悲願でございます北陸新幹線の金沢開業まで、いよいよ残すところあと十日ということになってまいりました。この場をおかりして、開業に至るまでの国の御尽力に心から感謝を申し上げたいと思います。
北陸新幹線は、第一義的には観光誘客ということになりますけれども、これだけにはとどまらず、移住、定住人口の拡大でありますとか、さらには企業誘致など、幅広い分野で本県の発展に資するものだというふうに我々受けとめておるわけであります。開業効果を最大限に引き出し、県下全域、各分野に波及をさせていくとともに、その効果を持続発展させていくために、これからも最善を尽くしてまいりたい、このように考えております。
そして、お手元に資料を配付しておりますが、その一ページに、北陸新幹線、当面は金沢駅が終着駅になるわけでありますけれども、これで終わりということではありませんので、これがさらに西の方へ延伸をしていかなければいけない。その第一番目が北陸新幹線の金沢—敦賀間ということでありますけれども、ことしの一月に取りまとめられました政府・与党の申し合わせにおきまして、平成三十四年度の完成を目指すということが決定をされたわけであります。
これによりまして、当初よりも三年前倒しで県内全区間を新幹線が走行するということになるわけであります。開業効果が早期に発現するということに相なりました。改めて、関係の皆様方の御尽力に感謝を申し上げたい、このように思う次第であります。
今後とも、金沢—敦賀間の早期完成、開業、そして究極的には大阪までのフル規格による早期全線整備について、引き続き、また御理解、御支援をお願いする次第でございます。
以下、本県の置かれた課題等について、数点触れさせていただきたいと思います。
一つは、本県の人口の動向等についてでございます。
石川県の人口は、日本海側では唯一、戦後一貫して増加が続いておりましたけれども、平成十七年の国勢調査を境に減少に転じました。直近の平成二十二年の国勢調査でも、小幅ではありますけれども、減少いたしておるところであります。
石川県は実は南北に長い県でありますが、北の方から能登地区、真ん中の金沢地区、そして加賀地区、こう大まかに分けられるわけでありますが、金沢を含めた加賀地区は、戦後一貫して人口が増加をしておるわけでありますけれども、半島特有の地理的なハンディキャップを抱えます能登地域は、残念ながら、実は昭和二十五年の国勢調査をピークとして、過疎化、少子化などによる人口減少が進んでおりまして、いまだに歯どめがかかっていない、そういう状況でございます。
能登地域については、県としてもこれまで、能登半島へのアクセス道路の整備でありますとか、空港などの交流基盤を整えまして、企業誘致にも努めてきたところでありますけれども、今後も一層の取り組みが必要であろうというふうに考えておるわけであります。
こういう中で、昭和六十年に制定されました半島振興法でありますけれども、二度の延長を経て、今月末に実は期限切れということになるわけであります。私ども、半島地域の自立発展に向けまして、今後とも全力で取り組んでまいる覚悟でありますが、委員の皆様方におかれましても、そのよりどころとも言える半島振興法の延長及び内容の充実に向けまして、一層のお力添えを賜りますようにお願いを申し上げる次第でございます。
そして、景気の動向であります。
本県経済は、おかげさまで鉱工業生産指数が一番最新のデータでは一三四ということで、全国トップクラスということでございまして、いわば物づくり産業が大きく牽引する形で生産が拡大をいたしております。そして、有効求人倍率も一・五一で全国第五位ということで、全国平均の一・一五倍を上回る水準が続いておりまして、この数字を見ておりますと、緩やかな回復基調を続けているということが言えようかと思います。
そうしたことを背景に、我が国の港湾活用型企業立地のモデルケースでもあります、全国の重要港湾百二港の中で第二位のコンテナ取扱量及びコンテナ航路数を持ちます金沢港については、特にコンテナの取扱量が五年連続で史上最高を記録するなど、その利活用が進んでおるところでございます。
こうした各種の指標が示す明るい兆しは、本県経済がリーマン・ショック以後の低迷状況から脱却するいわばチャンスであることを示しておりまして、これを県下全域、各分野へと波及させ、県内の事業所の大宗を占めております中小企業も含め、確かな景気回復にしっかりつなげていくことが重要だ、このように考えておるところでございます。
次に、本県の財政状況でございますが、まずは、来年度の地方財政対策については、地方税が増収となる中で、地方交付税の減少を最小限にとどめ、我々全国知事会が要望してきたところでありますけれども、地方交付税の代替措置であります臨時財政対策債の発行を二年連続で大幅に抑制した上で、前年度を大幅に上回る地方一般財源総額が確保されたところであり、配慮に感謝を申し上げたいと思いますし、評価をしたい、このように思う次第であります。
特に、本県では、この臨時財政対策債を除きます、いわゆる通常債の残高を前年度以下に抑制することを行財政改革の目標に掲げまして、十一年連続で達成してきたところでありますが、臨時財政対策債残高の累増に伴いまして、県債残高の総額としては毎年増加する状況が続いておりました。
しかし、平成二十六年度の地方財政計画で臨時財政対策債の発行額が大きく削減をされましたことから、今年度末の県債残高の総額は、昭和五十年度以来、実に三十九年ぶりに前年度を下回る見込みと相なったところでありまして、平成二十七年度も同様の傾向が視野に入ってまいりました。このことは、持続可能な財政基盤の確立に向けて一歩踏み出すことができたものと考えておる次第でございます。
次に、地方創生についてであります。
国、地方を通じて大きな課題になっております地方創生の推進につきましては、他の地域にはない本県の優位性であります北陸新幹線金沢開業に加えまして、魅力ある雇用の場の創出、学生のUターン、県内就職と移住、定住の促進、子育て環境のさらなる質の向上、高齢化社会への対応といった観点からも取り組みを進めていきたいというふうに考えておりまして、平成二十七年度の予算、今、議会で審議中でございますが、ここにおきましても、総合戦略の策定に先立ちまして、社会減対策と自然減対策の両面から所要の措置を講じたところでございます。
特に、雇用の場の創出に関しましては、地方への本社機能の移転やこれに伴う雇用の増加に対して優遇措置を盛り込んだ税制改正法案が国会で御審議いただいておるわけでありますが、地方創生には不可欠であります企業誘致や雇用の確保の後押しになるものと大いに期待をしておるところでございます。
本県もこれに呼応いたしまして、新たに本社機能の誘致に向けた助成制度を創設したところでありまして、新幹線開業という本県の強みを首都圏の企業にアピールできる絶好の機会と捉え、本社機能の立地による多様で魅力的な雇用の場の創出につなげていきたい、このように考えておる次第でございます。
次に、少子化対策でございますが、人口減少対策の一つの柱である少子化対策につきましては、待機児童の解消を優先する都市部と待機児童のいない石川など、置かれている状況はまさにさまざまであります。
そこで、地域の実情に応じた取り組みが不可欠であり、本県では、これまでも、さまざまな要因が絡み合う少子化に対して総合的な対策を行うため、全国でも例を見ない網羅的、具体的な施策を定めた、いしかわ子ども総合条例を平成十九年に制定しております。
これをよりどころに、保育所普及率が全国第二位という特徴を生かして、保育所を単に保育に欠ける児童を預かるという範疇を超えた地域の子育て支援の拠点として位置づけ、妊娠中の育児体験、出産後の一時保育や育児相談などを利用できるマイ保育園制度、社会全体で子育てを支援する機運を醸成するため、子供が三人以上いる家庭に対して買い物の際の割引などの特典を提供するプレミアム・パスポート事業、ワーク・ライフ・バランスを推進し、仕事と子育ての両立を図るために企業が策定する一般事業主行動計画の策定対象企業の県条例による拡大など、本県独自の取り組みを進めておりまして、その結果、平成二十二年国勢調査で女性就業率が全国第一位となるなど、一定の成果は上がっておろうかと思います。
しかし、調査によれば、子育てに関する四つの不安、精神的な不安、経済的な不安、母子の健康に対する不安、子育てと仕事の両立の不安は依然として継続をしておるわけでありまして、これらにきめ細かく対応することが重要であるため、今回の補正予算で措置された交付金も活用しながら、これまでの施策をさらに深掘りし、拡充するということにいたしました。
中でも、精神的な不安に関しては、核家族化や都市化の進行、地域社会の助け合いの弱まりなどの影響により、子育てをめぐって母親が孤立をすることで、いわゆる密室育児につながりやすいという問題があるわけであります。
四月から子ども・子育て支援新制度がスタートいたしますけれども、依然として在宅育児家庭の三歳未満の子供はサービスの対象外でありますことから、こうした家庭への支援を一層強化することにいたしまして、全国で初めて、本県独自の取り組みとして、三歳未満児の在宅育児家庭が通園に準ずる保育サービスを利用できるモデル事業を実施することにいたしました。この事業の実施を通して三歳未満児の保育ニーズや課題を抽出し、必要に応じて国にも提案をしてまいりたいというふうに考えております。
また、経済的な不安に関しては、多子世帯の経済的な不安が依然として大きいことから、十八歳未満の子供が三人以上いる世帯の第三子以降の子供の保育料を無料化することにいたしました。
さらに、多子世帯の経済的負担軽減として、プレミアム・パスポート交付世帯に対しまして、プレミアム・パスポート協賛店舗で利用可能なプレミアムクーポンを配付することにしたところでありますが、これをきっかけに協賛店舗のさらなる拡大を図るなど、施策の好循環につなげていきたい、かように考えております。
こうした地域の実情に応じた取り組みを行うための裏づけとなる地域活性化・地域住民生活等緊急支援交付金は、我々地方がこれまで強く求めておりました自由度の高い交付金が実現したものであり、大変使いやすいものとなっております。
今後も、地方の実情に応じて、創意工夫を凝らした自主性の高い対策を講じていくためにも、地方創生関連事業の財政措置が今回限りとなることなく、地方の一般財源の確保を含めて、引き続き、十分に講じられるようぜひお願いをしたい、このように考えております。
以上でございます。