水野和夫の発言 (予算委員会公聴会)
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○水野公述人 私が今一番短期的にできることというのは、大学の地方分散。私が勤めている日本大学が三島にあるわけでそういうことを申し上げているわけじゃないんですけれども、明らかに東京に大学が、東京だけじゃないんですけれども、若い人も東京に集中している。大学で地方から東京に出てくると、地方にもう一回帰る人が少ない。とりわけ女子の方が地元には帰らないというふうに言われています。
そうすると、東京でも人口のアンバランスが起き、それから地方でも若い人たちの人口のアンバランスが起きるということになりますので、ますます晩婚化と未婚化、それから少子化になっていくということでありますので、私は、大学を地方分散させて、そして、例えば県庁とか地元の有力企業、地銀とかそういったところは地元大学生の採用を優先するということが大事だと思いますし、これはもう三年以内にすぐできるんじゃないかなと思います。
それから、このレジュメに大学を四年制から八年制にと書いてありますが、これはなぜそういうことを申し上げるかといいますと、今、時代がどっちの方向に向かうかわからないという状況だと思います。これまで引いてあったレールの延長線上に進んでいっていいのかどうかもわからない状況だと思います。
そうすると、例えば経済学部、法学部、文学部といった一つの科目だけ四年間学んでいわゆる専門家となっても、時代の変化に対応できないと思います。一番いい例が、イギリスが工業化に成功したというのはアダム・スミスの国富論ということになっていますが、アダム・スミスは、倫理学と道徳学と法律学、そして四番目に経済学を学びました。御本人は、倫理学あるいは道徳学が生涯の研究テーマということでした。
ですから、四つぐらいの科目を学ばないと新しい時代に対応できないということだと思いますので、私は、大学に入ったら、四つというのは大変かもしれませんが、最低二つ以上の専門科目をちゃんとマスターするということ、それで初めて社会に出て、経済だけで物を見るとか法律だけで物を見るということをしないで両面から見る、そういう若い人をつくっていくことが大事じゃないかなと思います。
そうすれば、連動して、社会に出る年齢が後ろにずれるわけですから、ちょうど健康年齢も十歳若返っているということでありますから、生産年齢人口を後ろにずらすという、目盛りを変えるだけで随分と変わってくるというふうに私は考えています。