多田明弘の発言 (経済産業委員会)
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○政府参考人(多田明弘君) お答え申し上げます。
大きく二つ申し上げたいと思います。一点は、法的分離と既存の電力会社の経営状況との関係、これについて一点。それから、一般担保付きの社債の話で、イコールフッティングをどう考えるかと。この二点、お話をしたいと思いますが。
まず、法的分離と経営状況との関係について申し上げますと、御案内のとおり、諸外国では法的分離と小売全面自由化を同時にやることが非常にこれまでは多かったわけであります。我が国におきましては、法的分離の実施によります混乱、そういった問題が生じないように、小売全面自由化と同時に実施するということはせずに、十分な準備期間を置きながら慎重に進めると、こういう段階論を取ったわけでございます。御案内のとおり、電力については、法的分離を二〇二〇年、そして小売全面自由化は二〇一六年と、こういった間を置いているわけでございます。
この期間の間に安定供給のためのルールでありますとかシステム、これをしっかり整備することはもちろんでございますけれども、各事業者におかれましても相当な準備といったようなことを進められるものと思っております。もちろん、自由化が進むわけでございますので、競争にさらされるということは当然でございますが、したがってその意味では、論理的には収支、これまでの利潤といったものが圧縮される、こういったようなこともあろうかと思いますが、他方で、やはり既存の電力事業者、一定の競争力を有すると、こういった評価もあろうかと思います。
法的分離の実施に向けまして、この準備期間というものをうまく活用しながら、様々な経営戦略が練られるのではないかと、こういうことを強く期待をしているところでございます。
料金の点もちょっとお話ありましたが、これにつきましては、御案内のとおり、きちんともし競争が進んでいない場合には、規制の経過措置を残すことといたしておりますし、先ほど大臣の方からもお話ありましたように、監視等委員会の機能というのも十分働くのかなというふうに思っております。
もう一点、イコールフッティングの点でございます。
私ども、先生が今引用されました東京電力の件というのは個別には承知をいたしておりません。ただ、一般論として申し上げますと、一般担保付社債は他の債権に優先して弁済を受ける権利ではございますけれども、抵当権者よりは劣後をすると、こういうのが法律の規定でございます。
しかし、実際にもし担保を設定するということになりますと、当然社債権者の権利を大きく毀損するということになりますので、個別の社債権者はもちろん何かおっしゃるかもしれませんが、社債管理権者といった方々が何かをおっしゃるということもあろうかと思いますので、通常はその担保付きの融資が実行されることはなかなか想定しにくいのではないかと思っております。
もう一つ申し上げますと、御案内のとおり、これも社債市場が無担保社債の方に移行してきております。その中で、この一般担保付社債というものについてどうなのかという議論はあるんですけれども、これも実は、他の通常の民間会社とは異なりましてこれは法律上定められておりますので、例えば登記などの手続でありますとか、その登記に伴う税負担、こういったものは電力会社には課せられないと、こういったことがございます。その意味で、もしイコールフッティングでという観点からしますと、新規参入者から見るとこの部分がイコールフッティングでないと、こういった評価はあることは事実でございます。
これらを勘案しまして、私ども、一般担保の特例につきましては最終的には廃止をすると、これによってイコールフッティングを図るというふうに考えておりますけれども、他方で、先生御指摘にもありましたけれども、震災後、非常に今厳しい状況にあるわけです。原発が稼働が停止している、そして燃料コストの負担が増えている、こうしたことで収支そのものも厳しいですし、資金調達環境が悪化していると言わざるを得ない状況かと思います。
したがって、そうした状況を踏まえまして、最終的には廃止するという判断の下で、市場関係者にとっての一定の安心感という点にも着目をいたしまして、第三弾の改正法の施行から五年間は経過措置を設けさせていただく、こういったことで我々としては対応させていただくということで考えているということを御紹介させていただきます。