中川俊男の発言 (厚生労働委員会)

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○参考人(中川俊男君) おはようございます。
 患者申出療養について、日本医師会の見解をお話しさせていただきます。
 資料を用意いたしましたので、お願いいたします。よろしいでしょうか。
 患者申出療養というものに関しては、我々は評価療養の一類型だという認識であります。右下一番をお願いいたします。
 保険外併用療養、特に評価療養について、日本医師会は、一定の安全性、有効性が確保されていること、将来の保険収載を前提としていることが絶対的な条件だというふうにしています。今回の患者申出療養については、安全性、有効性の確認と、将来的に保険収載を目指すという点が盛り込まれておりまして、最低限の担保がなされたと考えています。
 一枚お開きください。二番です。これまでの流れについて少々お話しさせていただきます。
 二〇一四年の三月二十七日に、このような選択療養というものが規制改革会議によって提案されました。この選択療養というものの時点では、安全性、有効性が事後検証でいいんだと、保険収載の可能性については必ずしも保険導入のための評価を行うものではないといった、二〇〇〇年代の前半の混合診療全面解禁のときの議論に戻ったような提案でございました。その後、いろんな議論がありまして、五月二十八日には、将来の保険収載につなげるんだといった、非常に改善されたといいますか、格段に改善された内容になったというふうに認識しております。
 三番をお願いします。
 現在の先進医療の課題というふうにタイトルがありますが、現在、先進医療は、安全性、有効性の確保を絶対として審査されておりまして、おのずと実施医療機関が限定されており、アクセスが容易でない場合もあります。
 改めて申し上げますと、先進医療A、これは五十八技術、八百二十二医療機関で実施されており、未承認、適応外の医薬品、医療機器の使用を伴わない医療技術、又は未承認であっても体外診断薬の使用若しくは検査薬の使用は行う、これがAであります。
 先進医療Bについては、四十三技術、五百十医療機関で実施されていますが、これは未承認、適応外の医薬品、医療機器の使用を伴う医療技術ということになります。
 四番をお願いします。
 しかしながら、先進医療がどのぐらいの医療機関で実施されているのかということに関して見ますと、例えばA、五十八技術、八百二十二医療機関で実施されているんですが、このグラフにありますように、多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術といったものを除けば、ほとんど十以上の医療機関で実施されているという先進医療Aはごくごく一部になっています。
 五番をお願いします。
 患者申出療養の意義について簡単にまとめますと、日本医師会はこのように考えます。
 現行の先進医療などの評価療養の新たな一類型というふうに思いますが、この仕組みは、保険収載を前提として安全性、有効性の確保を絶対として審査されるものであり、高く評価できます。しかし、対応医療機関の近くの患者以外は先進医療を受けにくい現実があります。患者申出療養はこの部分を補完するというふうに思います。対象患者が広がることによって先進医療の症例が積み重なることが予想され、保険適用が早まる可能性も出てくるというふうに思います。
 六番をお願いします。
 これは、二〇一四年の十一月五日の中医協総会に出されたときの、患者申出療養の対象となる医療のイメージが(1)から(3)まで提案されました。すなわち、先進医療の実施計画対象外の患者に対する療養、例えば高齢者、病期の進んだ患者、合併症を有する患者等が対象になるのではないか。二つ目は、先進医療として実施されていない療養、一部の国内未承認、海外承認医薬品等の使用、実施計画が作成されていない技術等であります。三つ目は、現在行われている治験の対象とならない患者に対する治験薬等の使用であります。
 これに加えて、一番対象の数が多くなるだろうというふうに思われるのがこの黄色いところです。評価療養、特に先進医療の実施医療機関の近辺にお住まいでない患者さんが医療を受けられなかったという場合に、その方々が対象になるのではないか、これが一番多いグループだというふうに思いまして、提案し、これが追加されております。
 七番をお願いします。
 患者申出療養の実施に向けての留意点ですが、患者申出療養に治験候補の薬などを組み込むため製薬企業等が患者や主治医に働きかけることがあってはならないと思いますし、このことについては、製薬メーカーからそういうことはないという明言をいただいております。先発品メーカーとしての矜持として、私は信じたいと思っています。二つ目は、安全性と有効性の確保のために、現行の評価療養と同様に、プロトコールの確認等、一定水準の安全性、有効性の確認は必須であるべきだと思います。そして、何よりも大事なことは、将来的に保険収載につながるようにすることが大前提であります。
 八番をお願いします。
 改めて、今申し上げた上で、混合診療の全面解禁には明確に反対であることを申し上げます。
 必要かつ適切な医療は基本的に保険診療により確保するという、二〇〇四年の混合診療全面解禁の激論の末に合意した国民皆保険の理念をこれからも堅持すべきだと考えます。資産や所得の多寡で受けられる医療に格差が生じ、必要な医療が受けられなくなるようなことがあってはなりません。財政審で議論されている公的医療保険の給付範囲の見直し、患者自己負担増も問題です。一方、ドラッグラグについては、現状のエビデンスを認識すべきです。審査ラグは、ヨーロッパの水準まで解決されていると思います。
 この際、ドラッグラグについて少しお話ししたいと思います。九番をお願いします。
 日本はドラッグラグがあって、他の先進諸国と比べて非常に問題があるという話がありました。しかし、ここに示すように、データ的には二〇一一年度までしか明らかになっていませんが、審査ラグというものは非常に短くなってきており、関係者の努力によって非常に改善されてきているというふうに思われます。
 問題は、開発・申請ラグ、いわゆるメーカーの申請ラグであります。これについてはいろんな問題を解消しなければなりませんが、メーカーは早急に申請して、国も協力して薬事承認及び保険収載を目指すべきだと思います。
 最後に、十番をお願いします。これは、専門家の意見をお聞きした中の一部を紹介したいと思います。先進医療会議の構成員の意見です。
 がん研有明病院の副院長である山口先生のお話です。例えば胃がんのガイドラインがいい例です、胃がんの分野でも、やはり最初に作ったときはなくて駄目だったのですけれども、今は臨床試験が日本で進んで、ティーエスワンなどはむしろアメリカで使えなくて日本で使えるものさえ出てきました、結果として成績には大きな差がありますから、むしろかわいそうなのは、胃がんについては米国の方ですと言っております。
 それから、聖路加国際病院院長の福井先生は、私は診療ガイドラインの作成に深く関わってきました、十年近く前は確かに海外で承認されていて日本で使えない薬もガイドラインに書かざるを得ない状況がありましたが、最近はほとんどなくなってきていますとおっしゃっています。以前は海外で承認されているけれども日本では承認されていない薬を使いたい患者さんに病院としてどう対応するかという事案が幾つかありましたが、最近はほとんどなくなりましたとおっしゃっています。
 こういう現状で、患者申出療養というものが、あるべき姿で、いい面を強調して発展、拡大していくことが望まれるというふうに思います。
 以上です。ありがとうございます。

発言情報

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発言者: 中川俊男

speaker_id: 27869

日付: 2015-05-21

院: 参議院

会議名: 厚生労働委員会