武見敬三の発言 (厚生労働委員会)

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○武見敬三君 自殺対策基本法が発足して十年というこの節目と相なりました。実は、この自殺対策基本法を制定するに当たっては、この参議院の厚生労働委員会が極めて重要な役割を果たしました。そのときの与党の筆頭理事を私が自由民主党で務めておりまして、野党の筆頭理事が山本孝史さんでした。
 山本さんと私の間では極めて深い信頼関係が実はできてきていたんですけれども、例えば通常国会期中、二月に通常、衆議院で予算委員会をやっているときには、参議院の各委員会は全く開かれませんでした。山本さんと私とで、この二月、委員会としてもしっかりと国民の役に立つ審議というものはできるだろうと、与野党共に国対を説得して、そして意義ある審議をしようじゃないかということを私は提案をいたしました。そうしたら山本孝史さんの方から、武見さん、それはすごくいい、実は自殺者が三万人を超えて極めて厳しい状況に今日我が国が至っているので、この自殺を特に取り上げて集中的に審議をしようじゃないか、そしてそれをしっかりと取りまとめて、可能であればそれを将来的に基本法に取りまとめるということをやってみようじゃありませんかという御提案を、民主党の筆頭理事の山本孝史さんから受けました。
 そこで、私は、極めてこの自殺という問題は、当時私も常に考えておりました人間の安全保障ということを考えたときに、その最も対象とすべき課題だという認識を持ちました。御存じのように、ODA大綱などで人間の安全保障という考え方は我が国のその政策の基本理念として今日は定着をしております。しかし、それは、ただ単に外国において政策を対象とするときだけの考え方ではなくて、我が国の国内においてもこの人間の安全保障という考え方でこうした諸施策を考えることが必要であると私は思います。自殺はまさにそうした課題であると、私はそのとき瞬時に認識をいたしました。
 そして、人間の安全保障という考え方は、個々の人間に着目をして、そして特に社会的な弱者というものに着目をしながら、その人々が住んでいるコミュニティーというところにその政策単位というものを求め、そして中央政府がトップダウンでその政策を実施するヒューマンプロテクションというトップダウンの政策アプローチと、コミュニティーにいる、そこにいる人々に対する支援措置を直接的に行うボトムアップのヒューマンエンパワーメントという考え方を上手に組み合わせることによって、最も効果的にそこにいる人々に対して、人生、より有意義な生活を送ることができるような選択肢をいかに増やすかということがその政策の基本理念になっております。
 自殺対策の取組については、まさにこのヒューマンセキュリティー的アプローチが継続して取り組まれているわけであります。それはまさに厚労省、中央政府の方で政策を策定するトップダウンの政策決定と、各市町村で実際に直接にそうした自殺に関わる関係者の方々に対する支援を行うサービスを整えるボトムアップの政策というものがどのように有機的に連携をして、その両者が一つの好ましい循環型の政策決定を策定するかということが、まさにこの人間の安全保障アプローチの骨格になるわけであります。
 そこで、私は改めて、今回内閣府から厚労省にこの自殺に関わる担当が移管することを、おおよそ決まりましたので、その点からまずお話を伺いたいと思います。内閣府の方と警察庁の方にまずお聞きをしたいんであります。
 我々がこの機能の移管において一番懸念しているのは、内閣府という総合調整機関、そこから厚生労働省にその担当が移ったときに、内閣府で可能であった総合調整機能というものが厚生労働省に移管することによって失われるのではないか。特に私ども、この基本法を制定したときに最も大きく困難な問題が直面したのは、実は警察のデータをきちんと厚生労働省の方に持ってきていただけるかどうかということでした。なかなか、当時、警察も脇が固くて、こうした情報については当然個人のプライバシーもありますから絶対に外には出してくださらなかった。しかし、それを改めてプライバシーをきちんと守る形で、警察が自殺に関わる様々な、実は最も貴重な情報を持っておられるわけでありますが、それをしっかりと厚生省の自殺に関わる様々な政策分析を行うところにも活用できるようにしていただくということが基本法の中での一つの大きな眼目だったんです。
 今回、内閣府から厚生労働省にこうした機能を移管するに当たりまして、こうした総合調整機能が改めて厚生労働省でもきちんと確保できるような形で内閣府から厚生労働省に移行するためのそうした準備、しっかりと進んでいるかどうか、この点、例えば移行チームのようなものを設置してやっておられるのかどうか、改めてお伺いしたいと思います。
 まず、内閣府の方にお願いします。

発言情報

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発言者: 武見敬三

speaker_id: 849

日付: 2015-06-02

院: 参議院

会議名: 厚生労働委員会