武見敬三の発言 (厚生労働委員会)
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○武見敬三君 内閣府の方も用意万端、そちらに持っていかれないように必死に今防護策を練っておられると思いますので、これは恐らく大臣同士でもきちんと話をしていただく課題だろうというふうに思います。
内閣府の言い分というのは、私がここで言うのもなんですけれども、自殺対策を引き受けたときに改めてポストが一個増えたわけじゃないんだ、したがって、増えたわけじゃないんだから譲れないと、こういう理屈だろうと思いますから。しかし、実際に機能というものを移管させるわけでありますから、譲った譲らないの話じゃなく、きちんと厚生労働省にそのポストの確保を内閣府から移管させていただきたいと思います。
その上で、改めて、先ほどからも、人間の安全保障アプローチで必要とされているPDCAサイクル、これをどのように自殺対策を進めるに当たってしっかりとデザインをするかというのが大きな課題です。これは、従来、政府側のシンクタンク機能として本来重要な役割を期待されていたのは、国立精神・神経医療研究センターの自殺予防総合対策センターであります。
しかしながら、このセンター、極めて精神医学的な立場からの御研究というものがやはり中心であった。私はそのことを全く否定をいたしません。しかし同時に、これを政策論として組み立てようとするときには、実は様々な、より広い社会科学的な手法を駆使した形で、特に情報データシステムを設計をし、そしてそれを統計学的に解析をし、自殺の動向分析を的確に行うといったようなことが行われなければならないんでありますが、しかし、こういった点に関しては、この精神医学中心のアプローチの中で、実は我々が期待したほどはなかなかやっていただけなかったというのが実情でした。
そこで、改めてそのシンクタンク機能というものが、国立精神・神経医療研究センターの中に設置されてあります自殺予防総合対策センターが、そういった本来の役割をきちんと確保しつつ、今度は、先ほど申し上げたように、市町村のレベルで活動しております地域自殺予防情報センターといったようなもの、ここときちんと情報システムとして結び付いていて、そしてその情報というものが的確に、プライバシーをきちんと守る形でしっかりと集積し分析をされて、その動向を把握をして、それに的確に政策で対応できるようにするという仕組みをつくる必要性が出てくるわけであります。
この点に関して更に重要になってくるのは、人の置き方と、それから財源です。この自殺予防総合対策センターの中で、所長さんは、これは国立精神・神経医療研究センターの理事長の樋口先生が実際に今このセンター長も併任をしておられると伺っております。それから、副センター長と自殺実態分析室長というのは同一人物であり、しかも併任だと伺っています。そして、専任は三名で非常勤の研究員は四名、事務室の非常勤が二名で派遣が二名と、こういう構成になって、非常に小ぶりの状態です。しかも、大臣、これが一番深刻なんですけれども、運営費交付金、幾らだと思いますか、ここに与えられているのは。僅か五千万円なんですよ。この現状を変えない限り、実際に政府の中でその中枢的機能をしっかりと確保する、そういったシンクタンクを厚生労働省は確保することができません。
そこで、改めて社会・援護局の藤井部長の方に伺いたいと思いますけれども、これをきちんとつくり上げていく準備は進んでいるんでしょうか。私が藤井さんに何度も何度も言っているように、医学、医療の世界というのはなかなか難しいですよ、自分たちの専門領域に対するプライドと、そしてまた責任というものを非常に強く感じている人たちだから、自分たちの中心的分野と離れた社会科学的な分野を自分たちの組織機能の中に取り込んでいって、しかもそれによって自分たちの専任ポストが減る、こういうようなことになると物すごく強く抵抗してなかなかやってもらえないものですよ、こういうことの抵抗というものも押しのけてきちんと説得をして、独法である国立精神・神経医療研究センターに改めて自殺予防総合対策センターというものを位置付けるのですか、保健医療科学院の方がやりやすいんじゃないんですかということを私は何回も申し上げたけれども、どうしてもここでやらせていただきたいというのでここでやるということになったんですが、果たしてその準備状況が本当にうまくいっているかどうか。これは今回、改めてこの施策がうまくいくかどうかの要の議論なものですから、きちんと実はお答えいただきたいと思います。