西尾勝の発言 (国の統治機構に関する調査会)

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○参考人(西尾勝君) 財源を移譲するというときに、国も地方も、国税も地方税も増税をする、全体のパイが増える、そのときに、その配分を今までの配分とは少し変えていくというのは比較的やりやすいと思うんです。いずれにしても、国も地方も増収分が出てくる。そのときの国税、地方税の配分を、従来よりも少し地方税を多めに配分をしていくという形で徐々にこの配分を変えていくというのは比較的やりやすいですが、国も地方もおよそ増税する余地がないというような状況下で、現在の姿の中で地方税の比率を高めるということは、結局、国税を減らすということにしかならないわけです。そうすると、借金の度合いからいえば、国の方がはるかに大きな累積借金を抱えている。地方も抱えていますが、比率として国の方が大きいと。そのときに、国はもう一銭たりとも譲るものはもうないと、こうおっしゃることになるんですね。
 そこで、三位一体の改革のあの構想は、地方分権推進委員会が最後の最終報告で提言した、勧告ではなくて提言したことが、その後、小泉内閣によって取り上げられて、私たちが構想した手法に従って進められようとしたんです。そのときは、国の方も財政、歳入歳出のバランスが取れるようにしようと、地方もバランスが取れるようにしようと、お互いのパイの取り合いをするんではないという形でやろうということを考えたんですね、増税が不可能だと考えていましたから。
 そうすると、着目したのは、国税として国が徴収したものの中に、かなり、国から地方公共団体へ財政移転している規模のお金が年間にして二十兆円ほど大体あるわけです、毎年。この比率、これが持っている規模、これがよその先進国よりも多いのが日本の特徴です。これが結局ひも付き財源になっていくと言われる、いろんな条件が、使い方に条件が付いていくというお金になっていますから、これを縮小する。この金額を縮小していって、その分を廃止すれば、国の歳出の方でそれは要らなくなるわけですから、その分国税を減らしても国の歳入歳出は一定ですよねという方式でお金を移そうとしたわけです。
 その結果が大失敗になったわけですけど、国の所得税から地方の住民税への税源移譲を三兆円分ほど実現されました。しかし、地方も総額として増えることは何ら期待していなかったわけですね。ところが、逆に総額を減らされたわけです、三位一体の改革のとき。それで、それは約束違うだろうと、こんなことが我々が望んでいたことではないというので総反発が起こったというのが現在の姿で、増税なしという中で移譲していくというのは大変難しい状況になっているというふうに思います。
 今回、五%から消費税を八%に上げるというのは一つの機会だったと、国と地方の配分を見直す一つの機会だったと思いますけれども、これは社会保障関係に使うと、増やす分はという枠の中で議論をされましたので、社会保障での国の必要な経費と地方の必要な経費を考えてあの消費税の増税分の配分を決めていったということで、社会保障に限定した姿になりましたから、我々が狙っていたような配分の変更というのはちょっと起こらなかったというのが今回の増税です。今度、一〇%のときはもう一つの機会だと思いますが、果たしてそううまくいくかどうかというのはなかなか難しい話だと思います。

発言情報

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発言者: 西尾勝

speaker_id: 27858

日付: 2015-03-04

院: 参議院

会議名: 国の統治機構に関する調査会