井戸敏三の発言 (国の統治機構に関する調査会)
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○参考人(井戸敏三君) 問題は、東京を頂点とする日本列島全部をピラミッド構造として構築していくことがいいんでしょうかという問いかけなんですね。それで、今まで人口が増えているときも同じような発想をやっていたんです。それから、人口が減っているときも同じような発想で地域経営をやっていこうとしているのはいかがだろうかという意味なんです。
それで、現実に小さな集落を見てみますと、人口は少しずつ減っています。しかし、Uターンしてきている者とかIターンしてきている者とか、定年後ふるさとに戻ってきて農業を再開している人だとか、いわゆる人口自身は減っているかもしれないけれども、地域の活力が本当に人口だけで減っているかと。人口が減っているから地域の活力がなくなっているか、そうとも言えないんじゃないか。
ただ、利便施設はどこかになきゃいけませんから、それはネットワークでつないだらいいのではないか。ですから、コミュニティーバスとか足の確保が非常に重要になりますが、全部まとめなきゃいけないということではないのではないでしょうか。まとめようとすると、固まって住めばいいという話になるんです。だから、おまえの集落はなくしてBという集落に集まってこいと、これ一番合理的なまとまり方なんですが。
私どもの、例えば佐用町というのが岡山県との県境にありますが、その集落でも、一人でも自分で、もう俺が生きている間だけはここからは出たくないという、そういう人がいらっしゃるんですね。そんな一人のわがままを聞くのかという評価ももちろんありますが、そういう地域に対する愛着の念というのを、おまえは間違っているんだぞと言えるのかというようなことまで考えてきますと、それはサービスのやり方を工夫するべきであって、人を一つのところにまとめていくという発想は現実的な実態とは合っていないのではないかと、机上の理論なのではないかという思いがするものですから、私は、コンパクト・アンド・ネットワークという、コンパクトという発想、まとめようという発想はいかがかなと。ネットワーク、連携は重要だと。
その連携のための基盤をどういうふうにつくってやるか、これが大事なんではないか。例えば、買物なんかでも、拠点からトラックか何かで出前をするとか、そういうような、要はサービスネットワークをどう工夫をしていくかということで集落の機能自身は人口減少下でも維持できる可能性は十分あるのではないか、こういうふうに考えるからであります。あわせて、高齢者になってもスマホなどの利用を本当にうまくやれれば外界との連携は十分取れますので、そのような意味からしても可能性いっぱい残っているのではないかと主張したいのであります。