国の統治機構に関する調査会

2015-04-22 参議院 全74発言

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会議録情報#0
平成二十七年四月二十二日(水曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月二十一日
    辞任         補欠選任
     浜野 喜史君     石上 俊雄君
     行田 邦子君     田中  茂君
     山本 太郎君     主濱  了君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    会 長         山崎  力君
    理 事
                猪口 邦子君
                島村  大君
                渡邉 美樹君
                長浜 博行君
                横山 信一君
                清水 貴之君
                倉林 明子君
    委 員
                井原  巧君
                古賀友一郎君
                高橋 克法君
                武見 敬三君
                柘植 芳文君
                堀井  巌君
                足立 信也君
                石上 俊雄君
                江田 五月君
                風間 直樹君
                吉川 沙織君
                秋野 公造君
                田中  茂君
                主濱  了君
   事務局側
       第三特別調査室
       長        宮崎 清隆君
   参考人
       兵庫県知事
       関西広域連合長  井戸 敏三君
       中央大学大学院
       経済学研究科教
       授        佐々木信夫君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○国の統治機構等に関する調査
 (「時代の変化に対応した国の統治機構の在り
 方」のうち、国と地方の関係(広域行政))
    ─────────────
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山崎力#1
○会長(山崎力君) ただいまから国の統治機構に関する調査会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、行田邦子君、浜野喜史君及び山本太郎君が委員を辞任され、その補欠として田中茂君、石上俊雄君及び主濱了君が選任されました。
    ─────────────
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山崎力#2
○会長(山崎力君) 国の統治機構等に関する調査を議題といたします。
 「時代の変化に対応した国の統治機構の在り方」のうち、「国と地方の関係」について調査を行うに当たって、本日は「広域行政」について参考人から意見を聴取いたします。
 御出席いただいております参考人は、兵庫県知事・関西広域連合長井戸敏三君及び中央大学大学院経済学研究科教授佐々木信夫君でございます。
 この際、参考人の方々に一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、御多用のところ本調査会に御出席いただきまして誠にありがとうございます。
 皆様方から忌憚のない御意見をお述べいただき、調査の参考にいたしたいと存じますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 議事の進め方でございますが、まず井戸参考人、佐々木参考人の順にお一人二十分程度で御意見をお述べいただき、その後、各委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。
 なお、御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、井戸参考人からお願いいたします。井戸参考人。
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井戸敏三#3
○参考人(井戸敏三君) ただいま御紹介いただきました兵庫県知事そして関西広域連合長をしております井戸でございます。
 特に、関西広域連合の発足から現在の機能ということを中心に述べさせていただきたいと思っておりますが、その前に、やはり国と地方との原理原則についても意見を述べさせていただけたらということでレジュメを用意しております。レジュメに沿って御説明をさせていただきますので、よろしくお願いを申し上げます。
 それでは、早速でございますけれども、お手元にお配りしております今後の広域行政体制というレジュメの一ページを御覧いただきたいと思います。成熟社会にふさわしい分権型社会構造への転換が必要だという意味で一枚目のパワーポイントを作らせていただいております。
 成長社会で必要とされた原理原則が現在のような成熟社会に当てはまるか当てはまらないかということを考えてみましたときに、幾つかのポイントがありまして、直していかなきゃいけない、変えていかなきゃいけないということなのではないかと思っております。
 経済的豊かさ、もちろんこれがあって初めて成熟社会も完成するわけでありますが、心の豊かさに関心を持つ方々の方が、昨年の内閣府の調査でも六三%が心の豊かさだと、経済的豊かさだという方々の二倍を占めております。やはり世の中変わったということだと思うんです。
 それから、経済効率を求めるときは集中が望ましいのでありますが、心の豊かさとか価値観が多様化しているという状況の中では分散が原理になるべきだと。そして、標準だとか画一だとかというのはどんどん経済成長を遂げていくときの原理原則なのでありますが、成熟社会になりましたら多様性や価値観に応じた個性が問題になります。
 そして、成長しているときには、供給能力が足りませんからどうしてもサプライサイダーの見方が中心になっていくわけでありますが、私がよく例えているのでありますけれども、一合升と五合升を考えていただいて、一合升に入ったお米を五合升に入れたらぽこっと四合分足りなくなりますが、それが成長時代なんですね。ですから、常に埋めていかなきゃいけない、これがサプライサイドの原則なんです。ところが、我々日本、もうこの二十年間デフレ、デフレということはどういうことかというと、サプライサイドが余っていて需要が少ないという現象なんですね。それと同じようなことを考えますと、やっぱりディマンドサイド、需要の側の見方というのを強調されなきゃいけないということであろうかと思います。
 そういう意味からしますと、中央集権型の行政システムではなくて地方分権型の行政システムにしていかなければいけない。発展途上スタイルが中央集権型、先進国スタイルが地方分権型。これは世界でも類例のないあれですね、日本は。先進国であるにもかかわらず中央集権型を維持している、類例がないと言っていいと思います。それが一つ。分権システムに変えていかなきゃいけないということと、もう一つ、東京一極集中が何でこうなってしまっているか。やはり日本列島の構造としては、双眼型にしていかないとリダンダンシーも確保できないということになろうかと思っております。元々、日本は常に双眼型であったはずであります。
 二ページを御覧いただきたいと思いますが、中央政府の役割というのはやはり国家機能の維持に最低限必要な事務に限定、純化すべきではないか、このように考えます。地方自治の本旨に基づいて、国の役割を外交、防衛、通貨、司法などの国家の存立に関わる事務に純化すべきです。
 一応、地方自治法の一条の二に、国が担うべき事務の例としてそこに書いているような規定が置かれてはいるんですが、これに基づいて具体の仕分作業がされたことは余りないんです。今まで何がされてきたかというと、国から地方へ権限を移譲するという作業なんですね。移譲するという作業をやっていると、国は当然に持っていて、それで地方にふさわしいものを分けていこうと、こういう発想ですから、常に部分的、限定的な移譲にしかなっていきません。
 そういう意味からすると、中央政府の役割というものを限定していくというような発想があった方がいいのではないか。つまり、権限移譲ではなくて国の権限を限定する、こういう発想が必要なのではないか、このように思っております。
 あわせまして、財源が、よく言われることでありますが、収入が六、四で支出が四、六、これを一致させるべきだということでありますけれども、この一致させ方は、いろんな技術を使わないと移譲ロスが出てきますので、ここでは余り触れませんけれども、権限と財源と責任を一致させて、自己決定、自己責任が貫ける仕組みにしなくてはなりません。
 それで、五ページにちょっと飛んでいただきたいんですが、先ほど申しました、権限を移譲していくのではなくて国の役割を限定させるという意味で、中央集権制限法案というのを、平成五年、兵庫県が提唱させていただきました。これは、私の前任の故貝原俊民知事が当時提案させていただいたものでありますが、国が処理すべき事務を十九項目に限定をいたしまして、そしてその事務について国は行うけれども、あとは全部地方に委ねるんだという大原則であります。
 私は、こういう大原則をきちっと明示的に打ち立ててそして作業をしていかないと、国と地方とのもう百年戦争にわたるような、分権、分権というこの作業は切りがない作業になってしまうのではないかと思いますし、一つ一つの事務も、今地方分権委員会で議論していただいているわけですけれども、手挙げ方式で今やっておりますが、手挙げ方式でやりますと何が問題かというと、立証責任が地方側にあるわけです。ですから、地方がなぜそれやると非常に効率的で望ましいのかということを立証しなきゃいけません。これ、なかなか難しいことなんですね。
 大体、事務のやり方なんというのは、要は便宜的に決めているのであって、本質的な議論じゃありませんから、そういう意味からすると、国のやることはこうだということを大命題を打ち立てて、そしてその国のやることを議論していって、それ以外は全部地方でやるんだというぐらいの対応で進めていかないと前に行かないのではないか、そのように非常に懸念をいたしております。
 また三ページに戻っていただきたいと思います。基礎的自治体と広域自治体との関係なんでありますが、市町村は基礎的自治体ということで、住民に最も身近なサービスを提供する最前線部隊であります。しかし、規模が小さ過ぎると行政サービスの提供が全てできるわけではないということが言えますので、そうすると、やはり専門的で大規模な事業の実施をどこか市町村を超える団体が受け持たざるを得なくなる可能性があります。また、伝染病だとか災害対策などでは基礎的自治体だけでできるのかという課題が出てまいります。
 一方で、基礎自治体、市町村の合併は、新たな課題を引き起こします。
 平成の大合併やったわけでありますけれども、本県でも八十八が四十一になったわけでありますが、何が問題かといいますと、新しい役所の所在地に全ての機能が集中してしまう。当たり前なんですけれども、それに伴って周辺部の被合併住民の方は不便になったということがありますし、それから旧役場には、大体どんな小さなところでも五百人から千人ぐらい一日訪ねてきていたんです。今は支所になりまして、住民票を取りに来る人しかいないということになっていますので、百人いるかいないかぐらいになってしまって、もう地域のにぎわいの核がなくなってしまって大変閑散とした実情にあります。過疎化と人口減少が促進されてしまったということになります。それは、ひいてはその地域が持っていた歴史や文化やあるいは伝統をなくしてしまうことにつながっております。そういう意味で、平成の大合併の問題点はきちんと摘示して評価する必要があるのではないか、このように思っています。
 それから、最近言われておりますコンパクトシティーとか小規模拠点とかという発想は、私は、はっきり言って一極集中のピラミッド構造を全国の津々浦々まではびこらせようとしている発想だと、こう思って反対をしております。
 つまり、経済性とか効率性だけで行政を考えるのかということでありますし、我々の生活は効率性や経済性だけで成り立っているわけではない。そこのところにポイントを置いてもう一度議論をきちっとしていく必要がある、在り方を考える必要がある。中心部だけが繁栄して周辺部の衰退を加速させる、一強成って万骨枯るということにつながるわけであります。私は、だから、市町村同士の連携というのは、個性を残しながらの対応ですので、一つの行き方ではないか、このように思っています。
 それから、四ページですけれども、広域自治体の在り方でありますが、大き過ぎる広域自治体、例えば道州というようなことを考えますと、これもいろんな課題があります。私は、現在の都道府県は自然的、文化的、歴史的背景を基に国民に定着しているんではないかと。逆に、現在の都道府県が一八九〇年に自治のエリアとして確立して変わっていないじゃないかと非難されているように言われるんですけれども、逆であって、百何年も変わっていないじゃないか、ということは、それだけ国民から信頼されている仕組みだ、こういうふうに評価すべきなのではないか、このように思っています。
 それから、文化的な面もそうですが、それらが一体となったからといって、本当に文化的な共通性がない団体が一体になったからといって住民自治が本当に発揮されるんだろうかというふうに思いますし、それから道州の首都の所在地から離れ過ぎて、仮に目が届くだろうかというようなことも指摘をしたいと思います。
 そして、六ページ目に入らせていただきますが、やはり行政体制は地域の実情に即したものでないといけないのではないかというふうに思います。そのためにも、地域の実情に即した対応をしていくべきだと。そのときに、単なる末端事務だけではなくて、意思決定に係る部分もパッケージで下ろしていかないとこれは意味がない。今はパッケージ機能が抜けているんですね。一つ一つの細かい事務のやり方についてだけであって、常に意思決定の部分は残っている、企画部分は残っているというのが実情です。これは幾らやっていてもらちが明かないというのが状況なのではないかと思っております。
 関西広域連合は、実を言いますと、そういう分権型社会をつくるための突破口になりたいという意味で我々関西の者がつくらせてもらいました府県域を超える自治体でありますが、一番の要請は、南海トラフが動いたときの関西全体のヘッドクオーターがないじゃないか、各県はそれぞれありますけれども、調整役とかヘッドクオーターがないじゃないか、そんな状況を放置しておいていいんだろうかということが最大の共通課題でありまして、そして、関西全体の広域行政を担う責任主体をつくろうということでつくらせていただきました。あわせまして、自治法にもありますように、広域連合の事務と関連する国の事務の移譲を要請する要請権が書かれておりますので、そのような意味で国の事務権限の受皿としての機能を果たそう、この三つの趣旨で設立を平成二十二年十二月に行いました。奈良が抜けていたので関西は相変わらず一つ一つじゃないかと言われていたのでありますが、おかげさまでようやく関西広域連合に奈良も入ってくれることになりましたので、今年度、今年中にはまず名実共に一つになるということだろうと思っております。
 実施事務は、広域防災、広域観光・文化、広域産業、広域医療、広域環境などを行っております。特に、企画調整事務はある意味で関西全体の共通課題を処理するということにいたしております。組織体制としましては、広域連合委員会、これは構成の知事、政令市の長でつくります。それから議会、構成団体の議員から選びます。
 特色は、そこの下側の図に書いておりますように、防災は兵庫県、観光は京都府、産業は大阪、医療は徳島、環境は滋賀、それから農業は和歌山というように事務をそれぞれ担当県を決めました。これによりまして、いわゆる全部の事務が一つのところに集中するのではなくて、業務首都制、それぞれの事務に応じて中心が変わっているというやり方を取っています。それと併せて、兼務を活用しまして、共通事務以外の分は全部兼務の職員が行う、例えば防災ですと、兵庫の防災監が防災局長を行うと、こういうやり方を取りました。
 成果としましては、東日本への支援やドクターヘリの共同運航や広域課題への調整を行ってきております。
 メリットといたしまして、十ページでございますが、地域の実情を最も把握している市町村、明治以来、広域自治体として定着している都道府県の仕組みを堅持することが可能になります。また、府県合併を行わずとも、機能的連携により広域課題への対応が可能になります。また、広域課題に対する責任主体と特別地方公共団体として持ち得ます。また、国の事務の受皿ともなれます。そして、柔軟な対応も大丈夫です。業務首都制による効率的な組織運営も行えるということになろうかと考えています。
 道州制でございますけれども、いずれにしても、要は制度を変えたらいいんだという発想は危険です。単に統治機構を変えるだけで地方自治の発展につながるとはとても言えないのではないかと思います。
 また、地方自治の本旨というのは住民自治と団体自治だと、こう言われておりますけれども、憲法で言っている地方自治の本旨が道州で保障されたことになるのであろうか。地方自治法は、都道府県の区域と名称は従来の区域とすると書いてあります。その発想は地方自治の本旨を受けての発想であるはずでありますから、変えようとするのに都道府県の区域をがばっと変えてしまおうというような発想は本旨に当たるのかどうか。それから、平成の合併の検証が必要だ。それから、広大な道州では実現できるかどうかが問われます。
 それと、こういう組織いじりを考えるような時期なんでしょうか、もっと今はいろんな他の課題がいっぱい山積していませんでしょうかということ。我々としては、都道府県と広域連合で分権社会の実現は十分可能ではないかというふうに主張させていただきたいと思います。
 最後に、十二ページでありますが、キーワードは多様性と連携なのではないか、それぞれの地域が個性を生かしながら地域資源を活用していき、そして足らざるところを補う、連携して支え合う仕組みが求められているのではないかと考えております。
 兵庫は今回、地方創生を、地方と中央という対概念ですから、地方という言葉は、ですから地域創生と言い換えまして条例を作り、そして徹底的に分権推進を図っていこうという体制と、市町村とも協力した推進を図らせていただくことにいたしております。
 私は、取りあえず以上、御説明申し上げさせていただきます。
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山崎力#4
○会長(山崎力君) 井戸参考人、ありがとうございました。
 次に、佐々木参考人にお願いいたします。佐々木参考人。
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佐々木信夫#5
○参考人(佐々木信夫君) 佐々木信夫でございます。よろしくお願いします。
 今、井戸先生がいろいろ、道州制の話も比較的消極的なお話を結論的にされましたが、自己紹介という意味で申し上げますと、「人口減少時代の地方創生論」という、本当は全員の方に財力があればお配りをしたかったんですが、第六章のコピーだけが実は付いておりますけれども、メーンタイトルは「人口減少時代の地方創生論」なんですが、この中身は、実は「日本型州構想がこの国を元気にする」というこちらが、サブタイトルがメーンでございまして、出版社が逆に付けたというだけでありまして、今の地方創生論で皆さんは読んでくださるのかなということで付けたんだろうと思います。
 廃藩置県以来の、あえてキャッチフレーズで申し上げますと、古いシステムにいつまでしがみつくのか、これは問題提起でありますので。九州だけでオランダ、東北だけでスウェーデンと、これだけの経済規模が各地域にあるにもかかわらず、それがいわゆる気付きの社会になっていないという。東北なら東北、九州なら九州がこれだけの国に相当する活動をしているということがそこに住んでおられる方々には気付く仕組みになっていない、言われるのは東京一極集中と、こういうことで全部くくられるわけですが、実はそうでもないわけであります。東京一極集中はこれからの日本の最大のリスクと、こういうことも書いてございます。
 挑戦的にお話をするというわけでは全くございませんで、私は私の考えていることを述べさせていただきたいと思いますが、いただいたテーマは、どちらかといえば市町村レベルの広域行政について今どうなっているかということでありましたので、国の形を大きく変えるという議論は、もし必要とのところで議論できればと思います。そういうレジュメは実は用意しませんで、市町村レベルのいわゆる広域化時代にどういう仕組みが今あって、今、地方制度調査会の委員もやっているものですから、今日五時からもございますが、人口減少時代の新たな地方行政体制の在り方という諮問をいただいておりますので、どうしたらいいのかなということを考えながらやっている、その中間の話みたいなものをレジュメにまとめさせていただきました。
 大きい歴史で見ますと、二十世紀は人口が大変増えた、まあ二十世紀だけが増えたと言ってもいいと思いますが、明治維新の始まる前までの日本というものは、八百年から一千年の間、大体一千万人。農業国家でありますが、交通手段も馬、船、徒歩の時代でありますので、一千万人。
 これが、明治維新から明治政府ができる、内閣が明治十八年、国会が明治二十三年、都道府県制度が明治二十三年、市制町村制が明治二十二年スタートですから、大体明治維新から二十年たって日本の近代国家の仕組みができ上がるわけですが、その間ざっと二十年ちょっとの間に日本の人口は三千五百万人に増えています。つまり、開国の効果というか、明治維新後の開かれた日本の効果というものは日本の人口を増やしていったと。
 それから半世紀たちまして、第二次世界大戦で大きな失敗はありましたけれども、人口も減りましたけれども、それでも明治の半ばから半世紀で七千万人という戦後の数字がございます。それから、今年、戦後七十年と言っていますが、人口が減り始めて六、七年たっておりますが、おおむね六十年間で更に二倍になったと。一億二千七百五十万ぐらいで頭を打ったということではありますが、約一億三千万人になったと。
 こういうふうに倍、倍、倍とこの二十世紀の間に人口が爆発をしてきたという、アジア型近代化の一つの特徴かもしれませんが、大変人口が増えたと、こういう国でございました。
 それが、いろんな予測が出ておりますが、どこまで減っていくのかですね。減っていくことが悲しいかどうかというのは、多分この二十世紀が異常でありまして、国会の中でも是非議論、特に参議院の場合はじっくりとやっていただきたいんですが、日本の国土に定員というのはないんだろうかと。乗り物でも建物でも学校でも、あるいは保育所でも、一人当たりの子供はどれぐらいの面積が必要だと、こういうことを計算しているわけですが、七割が可住できない山林、山でくくられていますけれども、三割のこの沿岸部に人が住んでいる日本ですけれども、どれぐらいが適正規模なんだろうかと。
 つまり、一億二千五百万が望ましい人口規模なのか、それとも今後の予想で、中位水準を見ると大体二一〇〇年で八千万人ぐらい、政府は一億人で止めるんだと言っていますが、それは人口学者からいうとなかなか難しいお話をしている話なんですが、仮に八千万人だとして、それでも明治の政府ができたときから見ますと、三千五百万人に対して八千万人ですから、二倍以上の人口がありますね。
 同時に、現在が一番の天井でありますので、約一億三千万人が暮らしやすい道路なり様々な社会資本なり、あるいは個別の住宅を用意していますので、多分GDP五百兆円をハイテクによってこれから七十年、八十年維持できていくとすれば、もしかして八千万人の国が世界で一番豊かな国になる可能性があると。
 今生きている人は多分二一〇〇年のそういう状態を見れる方はなかなかおられないので勝手なことを申し上げますが、必ずしも人口が減っていくということは、政治家の方々は、兵庫県知事さんは分かりませんが、人口が減ることは大変悲しいことで、そういう計画を作ることは望ましくないというのがどこの首長さん方でもそうでありまして、今、五か年の地方創生論を各地域で政府の求めに応じて作っていると思いますが、多分足し算をしますと二億人ぐらいになる。
 これ実は、十年前の日本の市町村計画と都道府県計画の我が県、我が市、我が町の将来の人口はという推計を書いてある計画書を見ますと、これも二億人ぐらいになるわけでありまして、ほとんど意味のない数字を、科学的でない数字を言いながらそれぞれやっているわけでありますが。
 急激に人口が減ることのひずみであるとか、あるいは、非常に能力の高い日本人だと思いますので、人口減イコール経済が落ちていくという話にはならないんじゃないかと、日本の場合ですね。やっぱり、そうならないようにできる能力が実はあるんじゃないかと思いますので、私は、急激に減ることのひずみというものについてうまく対応していけるなら、仮に我が国の人口が八千万人であるというような計算ができ上がったとすれば、この一億三千万人が暮らしやすい様々な社会資本を八千万人で使っていくということは一番豊かな国に実はなるのじゃないかというふうにも一つ考えているわけであります。
 そこで、時間が二十分というふうになっておりますので、この二十世紀の人口爆発の世紀は、実は日本にとっては、農村国家から都市国家に大きく変貌していった国であったと。したがって、統治の仕組みというものも、これだけの世の中の変化、人口が増えてきましたので、これまではともかく、農村国家から都市国家に変わっていった、この都市国家の時代における新たなやはり統治の仕組みなり行政の仕組みというものを今構築をしていく時期ではないかと。そういう意味では、長らく続いてきたことを大切にする部分と、やはり効率性、効果性もきちっとにらんだ上でこの統治の仕組みをリセットするという両方の視点が実は必要ではないかと思います。
 レジュメをあと十分ぐらいでさらっと、皆さんの頭を整理していただくために作ってきたものを御紹介をしますと、この国と地方の関係、広域行政という資料でありますが、住民基本台帳で出している数字、一億二千六百四十三万人と。これ、最近数字が発表されましたのでもうちょっと減っていますね。大体、細かな数字はともかく、今、日本は百二十五万人亡くなって百万人生まれているという、こういう状態でありますね。これがあと二十年ぐらいたちますと、二百万人亡くなって百万人生まれてくると。まあ、この生まれてくる方は増えるかどうか分からないんですが、なかなかそう簡単でもない。そうすると、今二十五万人ずつ人口が減っていますが、そのうち百万人ずつ人口が減るという、特にこれは、私もそういう年代ですが、団塊の世代、戦後ベビーブーム世代が七十五歳を過ぎていくあと十年後辺りから急ピッチで亡くなる方が増えていく、そうすると急激に人口が減っていくと。
 人口の変動要因については、日本創成会議という、昨年五月に発表した、消滅可能性自治体と、消滅自治体とは必ずしも言っていないんですね。増田寛也さんは親しい方ですが、売らんがための私の本に似たようなタイトルの付け方かもしれませんが、人口が市町村で半数以下になっていく、二〇四〇年に半数以下になっていく。ですから、二十五年後をにらんで、市町村で人口が半減するところを消滅可能性自治体というふうに名付けたようであります。もちろん、限りなくゼロになるところもあるわけでありますが、半数以下。
 それを見ますと、日本のほぼ、今千七百十八市町村ですけれども、半分、半数が実は半数以下の人口減になっていくと。その要因は、生まれないということもありますけれども、同時に、生まれにくい大都市地域に、出生率の低い地域に若い人たちが集まってきてより人口が減っていくと、この二つのメカニズムを説き明かして問題を提起したと。
 もう一つ、レジュメにはありませんが、今は一生懸命解説をする仕事が多いものですから、テレビ、新聞でやっていますが、統一地方選挙が今行われて、前半が終わって、後半が日曜日から始まって今度の日曜日投票ですが、昨晩もNHKのニュース9でやりましたけれども、無競争当選が一つのキーワードになってきていまして、私はゼロ票議員、ゼロ票議会と、こういう言葉を使った方がいいと言って、NHKも使っていましたけれども、政治的正当性が失われている議会あるいはそういう議員というものが、実は県議会議員のレベルでも二一・五%に今回なったと。これはもう戦後一番大きい数字であります。町村長でも四〇%になっていると。町村議員でも、まあ終わってみないと分からないですが、ただ締め切っておりますので、無競争については三〇%を超えていると。
 国会、県議会、それぞれ、市区町村議会がありますけれども、その議会というものが、実は地方分権を進め、さらに地域で自ら決定をし自ら責任を負うという仕組みをつくりながら、一方で政策の決定者である議会というものがそういう状況になってきていると。さらに、議員のなり手がなかなかなくなって、辞めるなら後任を探して辞めてくれというのが、少なくとも小規模の一万人以下の市町村の実態のようであります。
 それはもう皆さん御承知のことかもしれませんが、これはやっぱり今後の地方の行政体制を考えていくときに一つ大きい課題かなと。単なる行政をやるというわけではありませんので、やはりそこで展開されるいろんな決定なり民意を吸収をして政策をつくるということを自治体がやろうとしますと、そこの草の根の部分が非常に危ない状況になってきていると。
 それで、レジュメですが、行政対応の仕組みと。いろんな仕組みが、井戸先生は旧自治省にもおられた方でありますので、旧自治省がいろいろな仕組みをつくってきたものも、今使われているものもございますが、大きく五つぐらい、一ページの下の方ですが、あとは各論で、その中身はどういうものですかということを説明したものでありますが、仮にここで申し上げますと、一つは規模を拡大をするという、これは言葉を換えますと統治機構の一元化と。これは明治の大合併、昭和の大合併、平成の大合併と。
 明治の大合併は七万一千の町村を一万五千の市町村に変えて明治時代が始まったと。それから、昭和の大合併はそれが三千五百になったと。昭和二十八年から三十六年、日本の法律でやったと。小学校を持てる規模が明治の時代、中学校を持てる規模の八千人が昭和の合併の一つのメルクマールと言われましたけれども、平成の大合併は三千二百三十二市町村が千七百十八になっている。しかも、地図で落としてみますと、西高東低状況で止まっていると。もちろん、東北でも秋田とか岩手とか、青森はどうか分かりませんが、合併を盛んとしたところもございますし、福島のように余り合併をされなかったところもありますが、いずれにしてもほぼ市町村数が半分になっております。
 この、いわゆる規模を拡大しながら行政サービスを充実させるという手法はイギリス、ドイツ、スウェーデン、日本が比較的得意とするところというか多くやってきたところでありまして、規模が大きいところを割っていくというアメリカ型のやり方もあります。まあ日本の場合は、規模を大きくしてきたと。
 広域化に対応する方法として、その次に一番使われてきたのが一部事務組合という、特定のテーマについて、ごみ処理であるとかガス、火葬場の経営であるとか、そういうものをそれぞれお金と人を出し合って組合をつくって処理をすると、こういうやり方。それを少し広げて、府県レベルの広域連合というのは珍しいわけですが、市町村レベルで、例えば介護保険とか、そういう広域連合というものもその後使われてきております。
 ここから先が少し新しいというか合併などと違うやり方で、これから売りにならないかなと地方制度調査会などでも盛んとこの辺が議論の中心ですけれども、母都市との連携を強化する。母都市といった場合に、資料は、オリジナルというよりは、いろいろ総務省、国交省等が作った資料を使わせていただいておりますが、七ページ、右の下の方に、横長の資料編で七ページに地図が出ておりますが、おおむね連携都市圏の中心となり得る都市と。人口が二十万以上で、そこと隣接する市町村を広げて三十五万ぐらいで一つの都市圏ができないかと。そこで連携協約を結んで、なるべく小規模なところも同じサービスの水準を担保できるようにしようと。
 これが、少し前ですとそういうところが合併をして担保しようとしたわけでありますが、そうではなくて連携の方式によって担保しようと、こういう話。一つ、母都市との連携強化という方式。連携中枢都市圏というのはこれから一生懸命財政支援もしながら法的な仕組みをつくっていくという、こういう動きであります。全国で広げてみても百はできないんですが、今六十幾つと。
 もう一つは、委託をする、連携をするというよりは母都市に個別に委託をしていくと。これとこれとこの仕事については例えば中心都市、二十万都市にお願いをすると、こういう、いわゆる地方の中枢拠点都市と思われるところに委託契約をして個別に委託をしていくという。
 これはしかし、ある程度二十万都市とかいうところがあるところの話でありまして、そこから相当距離があったり、更に中山間地域とか離島とかいわゆる条件不利地域というところもあるものですから、そういうところでは、実は五万人ぐらいの定住自立圏あるいは小さな拠点、拠点制をつくっていくというのはいかがなものかという井戸先生のお話ではありましたが、私の感じですと、都市国家の時代というのは結局都市に人が集まると思うんで、農村国家の時代のように、つまり生産の場と消費の場が同じ場であるという活動ならそれぞればらばらに暮らすはずなんですが、そうではなくて、働く場と住む場を分けたり遊びの場が町の中にあったりしますと、どうしても大、中、小、こういう都市ができていくというのが都市国家の特徴だろう、その流れというものはある程度自然ではないかと。それを見ながら行政の仕組みを考えるということしかないんだろうと思いますが、実は定住自立圏とか小さな拠点のところでは府県が補完をするしかないじゃないかという形で、自立できないところは、委託もできなければ連携もできないとすれば府県が補完機能を果たすと。ここまでは議論としてはございます。
 六番目は、これはまだ議論としてはないんですが、問題だけ提起しておきますと、市の制度でも、政令指定都市、中核市、一般市と、町村は一つ。町村と言っていますが、これは第二十七次の地方制度調査会で平成の大合併を進める頃議論されてそのまま葬り去った特例町村制という、つまり、全部一律に、千人の村でもフルセットで仕事をお願いをするというやり方は限界があるんじゃないかと。そこで、仕事を住民に密着した部分だけに絞り込んで、あとの部分は実は府県なりあるいは隣接の大きいところが補完をするというやり方で、町村というものを二種類にしたらどうかという一つの提案であります。これは、市が三種類なら三種類あるのと同じような発想でありまして、何か特別なものじゃないと。
 それからもう一つ、この管理自治体というのも、もう言葉は今はありませんが、実はこの人口の予測を見ますと、二〇四〇年ぐらいになりますと二割ぐらい住民がいない地域が出てくる、空白地域が出てくると。しかし、そこには道路がありますし、元々の公共施設もありますし、空き家もあるかもしれませんが、人が全く住んでいないところを自治体というふうに言えるかどうか分からないんですが、そういう人口がいなくなったところを誰が管理するかと。こういう時代は日本ではまだ想定されていませんが、これはどこかにお願いをするしかないんじゃないか。
 つまり、Aという市とBという市の間にXという町があったときに、その町が完全に空白になった場合に、AとBの間に道路があるわけでありますので、例えばその道路をきちっと管理するのは、市町村道路ですと町がやっていたはずなんですが、それをどうするかとか、そういう公共のインフラが中心かもしれませんが、ただ地域も、農村でも山林でもほったらかしますと、一年もたちますと獣の山のようになりますので、今はイノシシとタヌキとキツネと戦っているところがいろいろありまして、特に鹿ですね、地方の自治体では鹿を捕ってくれる方を一生懸命、六千円ぐらいで一日日当でお願いをして鹿撃ちをやっていますが、農村を荒らしに来ているわけでありまして……
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山崎力#6
○会長(山崎力君) そろそろお話をおまとめ願いたいと思います。
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佐々木信夫#7
○参考人(佐々木信夫君) 分かりました。
 人が住まなくなりますと、だんだんそういうののいろんなものが下りてくると、こういうことをにらみますと、やはりこれからの行政の仕組みというのは人口減少をにらみながら新たな仕組みが要るのではないかと思います。
 府県の在り方については省略をさせていただきます。まずは、基礎自治体の在り方について、そういうことを申し上げました。
 どうも五分ばかりオーバーしまして、失礼しました。
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山崎力#8
○会長(山崎力君) ありがとうございました。
 以上で参考人からの意見聴取は終わりました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 本日の質疑はあらかじめ質疑者を定めずに行います。
 質疑及び答弁の際は、挙手の上、会長の指名を受けてから着席のまま御発言いただくようお願いいたします。
 また、質疑者には、その都度答弁者を明示していただくようお願いいたします。
 なお、できるだけ多くの委員が発言の機会を得られますよう、答弁を含めた時間がお一人十五分以内となるよう御協力をお願いいたします。
 それでは、質疑のある方は挙手をお願いいたします。
 堀井巌君。
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堀井巌#9
○堀井巌君 発言の機会をいただきましてありがとうございます。自由民主党の堀井巌でございます。
 お二人の参考人の方々には貴重な御示唆、御所見を賜りまして誠にありがとうございます。
 まず、井戸参考人にお伺いをしたいと存じます。
 これまで、私も総務省の、自治省の後輩でもございまして、井戸参考人が私の大先輩でございまして、これまでの地方分権、ずっと取り組んでこられて、また、関西広域連合の長として今は御活躍されておられる、心から敬意を表したいと存じます。
 私の質問は、地方分権の今後、どういうテーマが中心になっていくかということでございますが、これまでは例えば機関委任事務の廃止等々、大きな成果が上がってきたと思いますけれども、まだまだ道半ばではある、引き続き地方分権を進めていく必要があると、このようにも考えるところでございます。
 他方で、井戸参考人も指摘されましたように、じゃ、道州制というのがその文脈の中で時々出てまいりますけれども、町村会の方々が非常に懸念を示しておられますように、また参考人も懸念を示されましたが、私も同感でございまして、やはり地方分権というのは何よりもその基礎自治体であるそういった市町村、補完性の原理ではございませんが、そういった基礎自治体がもろ手を挙げて是非その方向でやってもらいたいという流れの中で出てくるものが本来の意味での地方分権なんだろうというふうに思うところでございます。
 ちょっと昨今の地方分権の議論を聞いておりましてそのような感想を持つわけですが、参考人におかれては、今後どのようなもの、例えば権限を移譲するのか、あるいは財源なのか、あるいは分野としてこういう、先ほどもパッケージ移譲のお話をされましたですけれども、こういったものについて地方分権として次のテーマとして進めていくべきだというものがございましたら、その御所見をお伺いしたいと存じます。
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井戸敏三#10
○参考人(井戸敏三君) 我々、特に関西広域連合として懸命に取り組んできましたのが、国の出先機関の丸ごと移管という課題でございました。つまり、元々国の出先機関はどういう状況で発生したかといいますと、戦後、都道府県が公選化されまして、公選化されたときに、言わば中央政府から見たら、言うことを聞いてくれないような自治体が出たら困るという中から、国の出先機関をそれぞれの各省が置いていったわけでありまして、今全部、国の出先機関を各省持っていると、こういう状況に至っております。これから国の在り方の仕組みを考える前に、出先機関がやっております仕事、これは原則として都道府県に移譲する、そして都道府県に移譲できないようなものは広域連合のような広域的な団体に移譲していく、この基本方向を明確にしていくべきだと、このように思っております。
 そうすると、能力がないんじゃないかとか、すぐそういうことを言われるんでありますが、能力がないんじゃなくて能力を与えないようにしているのが今の実情ですから、能力さえ与えてもらったら幾らでもやれる、やり通してみせるというのが、この国の出先機関問題、この解消を図るというのがまず手っ取り早い分権化の一つではないか、このように思っております。
 それと、さらに、今地方分権委員会で議論していただいております権限移譲の手挙げ方式でありますが、手挙げ方式でやっていくのも一つの手法なんですけれども、どうしてもちゃちな議論に陥ってしまいます。判断事務、企画事務が入ってこない。まとめた事務を要請すると、それは今回の移譲議論の対象じゃないとかいって入口にも入れない、こういうやり方で阻止されてしまうということになりますので、ある意味で、骨太の方針じゃありませんけれども、大きな、大くくりの事務でこれは地方なのか国なのかというような議論を展開していただくことが必要なのではないか、このように思っております。ちょっと実務的な見地で申し上げました。
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堀井巌#11
○堀井巌君 ありがとうございました。
 次に、佐々木参考人にお伺いしたいというふうに存じます。小規模市町村をどのように今後支えていくかという論点でございます。
 私の選挙区は奈良県でございますが、奈良県は四十七の市町村が平成の大合併で三十九ということで、余り他県に比べると平成の大合併はやらなかった県でございます。小規模町村も大変多うございまして、一番小さいところですと人口約五百名の村がございます。こういったところ、いわゆる合併に伴う様々な、合併特例債的なものももう今はございませんので、むしろそれぞれの町村にあっては、そういった部分での合併の論議、もう一度やり尽くしていますので、そこにエネルギー使おうというよりは、むしろ消滅自治体ということから何とか脱して地方創生で頑張ろうと、ありとあらゆる地域のエネルギーをこの地方創生のために使いたい、このような思いで今それぞれが進み始めているというのが私から見た現状かなというふうに思っておりますし、何とかそれを私も微力ながら陰ながら支えたい、応援したいと、このように思っているところです。
 その中で、先ほど御指摘ありましたような連携、自治体同士の連携等々の試みも行われ始めておりますが、今回お伺いしたいのは、府県との関わりで、将来、もう少し詳しく教えていただければと思いますけれども、こういった小規模町村が町村として存続をする中で様々な行政サービスをずっと一定のレベルで提供していこうとする場合に、いわゆる府県の役割、具体的にはこういったところについて新たな例えば取組をすることが有用ではないかというような御示唆がもしございましたら、御教示いただければと存じます。
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佐々木信夫#12
○参考人(佐々木信夫君) 今、奈良県の話でございましたので、ちょっと一つだけ。
 皆さんのお手元に、どの程度が小規模自治体かということを御覧いただくために、私の横長の資料の三ページが今の日本の市町村の現状を表していまして、実は一万人未満のこれを小規模市町村と名付けているようでありますが、四百八十五、市町村全体のそれでも二七・八ですから、約三割近くは一万人未満と。これは人口で見ますと二%足らず、一・九%でございますけれども、数としては相当あるわけであります。人口の予測を見ますと、実はこれが一番、数として一万人がずっと一万人であればいいんですが、八千人、六千人、五千人と人口急減の一番予測が高いところでありまして、本当にゼロに近づいていくという自治体が相当この中に入っていると思います。
 それで、今の、府県が垂直補完をする、府県というのは本当にそういう能力があるかというと、それは、知事さんを前にあれですが、非常に中間政府のような仕事の仕方をこれまでやってきていますので、まあ言葉を換えれば卸売業のような仕事をしているものですから、非常に国の省庁との縦割りの中で、職員も総合的に市町村みたいないろんな仕事をやっているという、こういう訓練ができておりませんので、仮に小さい町村のところに県の総合事務所のようなものをつくったとして、仕事の種類が物すごくありますので、それを県の総合事務所をつくって県が垂直補完できるかというと、なかなか難しいのかなと。
 むしろ、ちょっと距離があって物理的にどうかなというところはありますが、ある程度、基礎自治体で二十万、三十万のところに、結局それが、総合事務所をつくるかどうかはともかく、支援体制は県よりもある程度強い力を持っている、フルセットでいろんな仕事をやってきている中規模以上の基礎自治体との連携というか、水平補完の方が多分いいのではないかと思います。
 例えば、過疎地に行きますと、小学校はもう県立でやってくれというお話なんですよね。持ちこたえられない。特に、いろいろ小学校を統合しても、今は日本で四百ずつ小学校が消えていっていますが、毎年。統合しても統合しても非常に広過ぎて、よそのところまでバスを動かすというわけにはいかないので県がやってくれという、あの状況を見ますと、小学校とかそういうものは県でできるかもしれませんが、実際は、やはり二十万、三十万都市を頼りにするしかないのかなと、こんなふうに思いまして、県は余り垂直補完として私は当てにできないのではないかと実は正直に考えております。それは都庁に十六年いた経験で申し上げているわけですが、多分知事さんなどは違う意見かもしれません。
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堀井巌#13
○堀井巌君 ありがとうございます。示唆に富むお話をありがとうございました。
 奈良県でも今、なかなか奈良の場合は、二十万、三十万都市が奈良市というところにしか、中核市が一つしかございませんので、あとは十万都市以下でございますので、そういう意味では、県がそういう中核的な都市と同じような考え方、対等な関係で水平補完的な形で今関わろうという、知事さん、奈良モデルと呼んでおられますけれども、その取組も行っております。示唆をありがとうございました。
 最後、あと私は三分弱しかございませんので、もう一度井戸参考人にお伺いしたいと存じます。
 奈良県、御案内のとおり、この度、関西広域連合に防災、観光などの分野で部分参加をさせていただくことになります。よろしくお願い申し上げます。
 これまで参加をしなかった知事のお考え等、私が理解する限りでは、やはり意思決定等々で大きなところに飲み込まれてしまうのではないかというような、いろいろ小さいながらの心配事があったんではないかというふうに思いますけれども、参加することのやはりメリットということを感じて今回参加ということになったわけですけれども、一言、奈良県民の方々に、関西広域連合長として歓迎の言葉なりをいただければ有り難いと、このように存じます。
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井戸敏三#14
○参考人(井戸敏三君) 奈良には、前から防災だとか観光文化だとか、これらの密接な関西全体として取り組まなくてはならない課題があるので、部分参加でもいいから入ってほしいということを申し上げてきましたが、ようやく踏み切っていただいたということで、大変我々としてもウエルカムという基本姿勢でございます。
 しかも、意思決定は、先ほど御説明しました委員会で各知事及び政令市の長で議論をするわけでありますが、全会一致を原則としております。多数決で、数の多い少ないで決めてしまおうということを基本原則にしておりません。大小にかかわらず言わば一票を持っているわけでありますので、そのような意味で、関西全体の利益のために、難しい課題もあるかもしれませんが、それを調整をして乗り越えていく、それが関西広域連合の役割だと、責任だと思っております。
 そのような意味で、できるだけ早く議会に規約を提案して、奈良加入の連合として発足をすることを期待をしたいと思っております。
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堀井巌#15
○堀井巌君 ありがとうございました。
 終わります。
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山崎力#16
○会長(山崎力君) 続きましては、石上俊雄君。
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石上俊雄#17
○石上俊雄君 民主党の石上俊雄でございます。
 お二人の参考人の先生、今日はいろいろお話を伺いまして、本当にありがとうございました。勉強させていただくことで二、三質問させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。私、電機産業出身なので地域行政とか全然詳しくありませんので、素人の質問になりますが、御容赦をいただきたいというふうに思いますが。
 まず佐々木先生、その次に井戸先生という形で、お二人に同じ質問なんですが、やはり先ほど人口減少という話もございました。八千万人でどうこうという話もありましたが、それをしっかりと対応していくためには、やはり大都市の制度を見直していくとか、あと地方の制度、またこれもしっかり見直していくというのが必要だというふうに私も思います。
 そんな中で、私、今横浜に住んでいるんですが、横浜の人口は三百七十万人ですか、あとは今、都構想というのが話題になっている大阪市は二百七十万人ですかね、あと名古屋は二百三十万人ぐらいおられるんでしょうか。それぞれ大都市といったところのその仕組み、これと、あと東京の二十三区の仕組みというのはこれ違っているわけであります。
 この辺を、地域、地方のところでの制度もしっかり見直さないといけないんですが、大都市のところの制度を中長期的な視点で、どんな感じでモデルチェンジしていく必要があるとお考えなのかをちょっとお聞きしたいのと、そのときに、憲法上は地方自治ということに対して、地方公共団体の意義ということについては余りうたっていないんですが、先ほど井戸先生からありましたが、地方自治法というところにはしっかり規定されているわけであります。
 このモデルチェンジをしようとしたときに、要は法的な変更が必要になるのか、その辺についてまず佐々木先生からお答えをいただいて、その後に井戸先生、お願いしたいと思いますが。
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佐々木信夫#18
○参考人(佐々木信夫君) 大都市制度の問題は、レジュメとしては実は三ページ以降に詳しく用意はしたんですが、そこまでお話が進みませんでしたが、御質問ありがとうございました。
 横浜三百七十万、名古屋二百十五万、大阪二百八十万ですね、二百万以上のいわゆる政令指定都市、昭和三十一年以降、基礎的な市に七、八割の府県の業務を移して、ある程度自律的な都市経営ができるようにという仕組みが始まって約六十年たって、現在、札幌から熊本まで二十政令市がございますね。
 全部同じ制度を使っているんですが、実は非常に、今申し上げた二百万以上のところは、これはやっぱり、例えば大阪で聞いていますと、二百八十万の市というのは実は京都府の人口と広島県の人口と同じで、そこに公選の市長が一人しかいないというのは、住民自治という点から見ても余りにも大き過ぎるでしょうと。広島は二十三人とか、京都は三十人か二十八人とか、いろいろ市町村長の数を挙げて、議員さんの数も含めて、住民の代表がやはりマネージしていくという仕組みから見ると大き過ぎるんだと、こう言っていました。
 それで、ああいう、もう一つ、都という、都区制度と言っていますが、政令指定都市と都区制度、大都市制度らしいものが日本には二つの系列があるとして、政令指定都市は数を増やしてきたと。都という制度は、昭和十八年に東京府と東京市を合体をして、戦後、内部に特別区というものを抱えている県を、県というか府を都と呼んでいるわけですね。
 先般、一年半前に皆さんのところで可決をされて成立をした大都市地域特別区設置法、議員立法でおやりになったと思うんですが、二百万以上の都市については特別区を置くことができると、それは合併をして二百万以上になることも含めてと。
 そうすると、大体全国で八か所ぐらいできるという想定の上に、大阪だけではもちろんないわけですが、今大阪でやっているものを見ますと、最後の五月十七日の住民投票、法律に基づく住民投票の段階まで今進んできていますね。大阪二百八十万を五つの特別区にして、公選の区長、公選の議会があり、専任の職員がいる。しかも東京よりも権限の強い、ある程度規模の粒ぞろいの中核市の権限を持った、児童相談所や保健所も全部フル装備した特別区をつくる、これによって住民自治を充実をさせると。
 一方では、広域的な行政とか広域的な政策は、むしろ大阪府を一つの司令塔に一本化して、これは自治法の第三条を見ますと、都道府県の名称変更は法律に基づくと。その隣を見ますと、市町村の名称変更は各都道府県の条例によると書いてありますので、平成の大合併で半分ぐらい市町村の数が減りまして、相当新しい市町村名もできましたけれども、各県が条例でそれを制定したと、で、総務大臣に届けると。
 その流れからいえば、多分、特別区の設置が賛成多数で可決をすれば、大阪の場合、大阪府を大阪都に変えるという、こういう法律に基づいて申請が出てくるんだろうと思うんですね。それは、皆さんがそれを認められれば大阪都になっていくという、戦後初めての都道府県名の変更になると思うんですが。
 それで、お聞きになっている内容は、大都市制度が、実は政令指定都市は七十万以上で今なっているわけですが、七十万から三百七十万までばらばらでございますけれども、内部は大きく三つか四つにグルーピングできると思うんですが、それが一本化されている。このやり方はやっぱりいろいろバリエーションを付けた方がいいんじゃないかと。
 実は、都制度というのも、考えれば、ある種の、それは政令で指定する必要はもちろんないとしても、大都市制度として五種類ぐらいの一つになるようなものかもしれない。国際的に見ますと、一つは日本で使っている政令指定都市のような制度。それから、戦後、結局できないで政令指定都市制度になりましたけれども、特別市、府県とか州からは完全に同格の抜き出した市ですね。それから、東京の都制度のような都区制度、内部に自治体である特別区を抱えている州、それを都市州と、ケルンなどはそうですけれども。
 そういう、大きくは三つぐらいなんですが、日本の場合、政令指定都市と言われるものも実は百万以下と二百万以上とその中間があるように思いまして、今、横浜市長など政令指定都市市長会が提案している、特別自治市という名前を付けていますが、政令指定都市よりももっと権限の強い、しかし、都制度のように公選のいわゆる自治体を中に置くものではなくて、権限の強い総合区をつくった形の特別自治市をつくったらどうかという提案がありますので、政令指定都市は今提案されている中では二系統でありますね。今使っている政令指定都市と特別自治市という政令指定都市の提案があると。もう一つ、大阪がもし使うとすれば都という制度がもう一つ増えていくと。
 さあ、どうでしょうかね。実際見ますと、浜松とか静岡とか見ますと、今の政令市でうまくいっているところもあるんですね。つまり、行政区単位でいいと。ただ、ある程度大きくなりますと総合区のようなものにしたい、更に大きくなりますと特別区のようなものを入れたいと、こういう話にどうもなるようでありまして。
 それをやっぱり五十年ぶりに、大都市に関する法律を改正をしましたと、昨年新藤総務大臣がおっしゃっていましたけれども、ちょっと日本の大都市については、国会も含めて、大都市は豊かであるということもあるんでしょうけれども、余り制度に関心を示さないできたということもあるのかもしれないですね。ですから、都市国家の時代にふさわしい都市制度は何かという議論を、改めて中核市を含めておやりになる時期じゃないかと思います。
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石上俊雄#19
○石上俊雄君 ちょっと時間がなくなってきたので、井戸先生には別な話を聞きたいので、よろしいですか。
 井戸先生、済みません。広域連合の話をちょっとお聞きしたくて、本当に。
 私もパンフレットを見させていただいて、関西広域連合、いろいろ連携取られていて、防災とか、あと産業振興とか、様々やられているということで本当に感銘を受けているのでありますけれども、これがいろいろ、議会もあるというふうになっているんですが、その地域ごとに、ウイン・ウインの関係の案件についてはすごくがあっと進むと思うんですけど、何かちょっと痛みが伴う、そういったそれぞれの地域の内容というのはこれがちょっと難しいような気がするんですが、その辺についてお考えをお聞きしたいと思います。
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井戸敏三#20
○参考人(井戸敏三君) まず、大都市制度の問題ですが、特に今の政令市は区が問題なんですね、区。区は、役人が区長がなんです。それから、議会の代表もいないし、だから住民自治が全く働いていない。我々、二十年前に阪神・淡路大震災経験しましたけれども、区長の言うことを住民が聞くか。全然聞きません。首長だから聞いてくれるんです。つまり、我々の代表だから聞いてくれるんです。ですから、最後にごみ処理問題が片付いて完全自治体に二十三区がなりましたけれども、やはりそういう区の在り方を問わなきゃいかぬ。
 区の在り方を問うたときに二つありまして、今の政令市の中で住民代表制をどう入れていくかというやり方と、それから都区制度に移管していくかというやり方と、また別の仕掛けをつくるかというやり方とあるんですが、特別自治市にしてみても区が残るはずですね、それでそれが完全自治体になっていないんだとするとどうかなという問題点があるということだと思います。
 自治法は都道府県という制度を位置付けているんですね。都道府県という制度を、自治法の中に。ですから、どのタイプを選ぶかというのは住民が選べばいいという仕掛けには一応なっているということではないか、このように思っています。
 それから、難しい課題というのは、よく言われるんですが、我々がつくったのは、その難しい利害が相対する課題だからこそ、逆に、広域連合の委員会の中でもみにもんで一定の方向付けを出そうということにいたしているんです。
 今、ホットな問題は、リニアのどこを通過するか。あっ、いなくなっちゃいましたけど、奈良付近なのか、告示はもう奈良付近になっているんですが、京都の方に持ってこいと、こういう話もあるんですけれども、それはそれとして、我々としては十分検討した上で一致点を見出したいというふうに考えていますし、できなかったらこんな広域連合つくらない方がましなので。やる、また、やらねばならないというそれぞれの責任感から運営をさせていただいているということだと思っております。
 もう一つ差し迫っているのが、また北陸新幹線をどうするんだと。これは一応、関西広域連合としては米原ルートにしようということにしているんです。これはなぜかというと、米原ルートにするとスピード感が違うんですね。北陸新幹線と関西とをつなぐ、早くできるという、これに非常に重点を置いているんですが、本当にそれでいいのかどうかというのは、北陸側からもいろんな意見が出てきていますので、これは痛み伴っているんです、実を言いますと。大阪とか京都とか、神戸もそうですが、新幹線のエリアで乗客数で負担し合おうかというようなことを言っておりますので、痛みを伴った決断も広域連合だからできる、これは府県間調整ではきっとできなかった、そのように思っております。
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石上俊雄#21
○石上俊雄君 本当にありがとうございました。参考になりました。
 終わります。
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山崎力#22
○会長(山崎力君) 続きまして、横山信一君。
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横山信一#23
○横山信一君 公明党の横山信一でございます。
 お二人の参考人には大変に興味深いお話を聞かせていただきました。
 最初に、井戸参考人にお聞きをしたいと思います。
 私も、関西広域連合の話を聞いたのは今日初めてでございまして、非常に興味深く聞いておりました。資料の中で、三ページのコンパクトシティーの発想は一極集中を加速するという、非常に興味を引くタイトルで面白く聞かせていただいたんですが、経済性、効率性だけではないということに関して、そのとおりだと思うんですが、一方で、コンパクトシティーにしても、今国交省が進めようとしている小さな拠点にしても、人口減少社会に対して地域生活をどうやって守っていくかという、そういうところから発想されて出てきたものだというふうに考えておりますが、その人口規模が縮小していくことに対して、コンパクトシティーを否定するということと人口規模と経済性、効率性だけではないという、この兼ね合いといいますか、そこの部分はどういうふうにお考えになっているのか、教えていただきたいと思います。
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井戸敏三#24
○参考人(井戸敏三君) 問題は、東京を頂点とする日本列島全部をピラミッド構造として構築していくことがいいんでしょうかという問いかけなんですね。それで、今まで人口が増えているときも同じような発想をやっていたんです。それから、人口が減っているときも同じような発想で地域経営をやっていこうとしているのはいかがだろうかという意味なんです。
 それで、現実に小さな集落を見てみますと、人口は少しずつ減っています。しかし、Uターンしてきている者とかIターンしてきている者とか、定年後ふるさとに戻ってきて農業を再開している人だとか、いわゆる人口自身は減っているかもしれないけれども、地域の活力が本当に人口だけで減っているかと。人口が減っているから地域の活力がなくなっているか、そうとも言えないんじゃないか。
 ただ、利便施設はどこかになきゃいけませんから、それはネットワークでつないだらいいのではないか。ですから、コミュニティーバスとか足の確保が非常に重要になりますが、全部まとめなきゃいけないということではないのではないでしょうか。まとめようとすると、固まって住めばいいという話になるんです。だから、おまえの集落はなくしてBという集落に集まってこいと、これ一番合理的なまとまり方なんですが。
 私どもの、例えば佐用町というのが岡山県との県境にありますが、その集落でも、一人でも自分で、もう俺が生きている間だけはここからは出たくないという、そういう人がいらっしゃるんですね。そんな一人のわがままを聞くのかという評価ももちろんありますが、そういう地域に対する愛着の念というのを、おまえは間違っているんだぞと言えるのかというようなことまで考えてきますと、それはサービスのやり方を工夫するべきであって、人を一つのところにまとめていくという発想は現実的な実態とは合っていないのではないかと、机上の理論なのではないかという思いがするものですから、私は、コンパクト・アンド・ネットワークという、コンパクトという発想、まとめようという発想はいかがかなと。ネットワーク、連携は重要だと。
 その連携のための基盤をどういうふうにつくってやるか、これが大事なんではないか。例えば、買物なんかでも、拠点からトラックか何かで出前をするとか、そういうような、要はサービスネットワークをどう工夫をしていくかということで集落の機能自身は人口減少下でも維持できる可能性は十分あるのではないか、こういうふうに考えるからであります。あわせて、高齢者になってもスマホなどの利用を本当にうまくやれれば外界との連携は十分取れますので、そのような意味からしても可能性いっぱい残っているのではないかと主張したいのであります。
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横山信一#25
○横山信一君 ありがとうございます。
 今、知事のお話からもありました連携の基盤をどうつくるかということについてまたお伺いしたいんですが、今度は両参考人に、佐々木参考人と井戸参考人、お二人にお聞きをしたいのでありますが、事前にいただいた佐々木参考人の資料の中で、何を連携するのかが分からないというふうなところが、広域連携の中で、自治体間の中で連携をしようとすると、連携事業を模索するようなことが実際起きてくるわけでありますが、また、その役割分担が明確ではないといったことも起きてまいります。
 そういう中で広域連携をどう進めていくのかということの、自治体間の事業連携をどう進めたらいいのかということをお聞きをしたいんですけれども、井戸参考人には、既に関西広域連合、これは南海トラフというのがあったというふうに先ほどお話がありましたけれども、実際に一つのテーマがあってやはりそこに集まってきやすいということがあると思うんですが、実際に、広域連携と、こう言われてもなかなかそれは結び付きづらいということがあろうかと思うんですけれども、そうしたことに対して両参考人から、どのようにこれを進めているのか、御意見を伺いたいと思います。
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佐々木信夫#26
○参考人(佐々木信夫君) 御紹介をすればよかったのですが、私の横長の資料の十ページは、これはヒアリングをいろいろその連携するであろう地域から取ったものでありまして、現実の話、現地の話だと。
 まず一つは、連携を進める話になってきているけれども、大体六十一圏域でそういう話を政府側が進めようとしているというところなんですが、再び合併の話になるのではないかという警戒感は相当あるようでありますですね。
 問題は、今先生がおっしゃったように、連携する事業が思い浮かばないというのは結構ありまして、困ってはいるんでしょうけれども、どれとどれとどれを連携をすればいいかということが余り隣接の自治体から出てこないんですね。やっぱりその母都市になる中心都市は受け身でありますので、それを精査してやれるものは一緒にやりましょうという話になるんですが、提案の方が余り出てこないということなんです。
 これは意見を求められながら答える人を振るようですが、広域連合をおやりになってみて、府県レベルですけれども、市町村レベルで例えばこういう二十万、三十万の都市圏をつくる場合にどういう仕事なら皆さん連携に応ずるかということは、多分、井戸先生の方が詳しいかもしれないですね。いずれにしても、整理したものの段階以上は、私もこれとこれとこれは一緒にやった方がいいんじゃないですかということははっきり申し上げるものを持たないんですが。
 ただ、もう一つ、先ほどのコンパクトシティーというのも、無理やり人を集めるという話よりは、広域的に皆さんが公共の機能をコンパクトに一つのところにまとめましょうという話でありまして、無理やり山の中から移って町の中でアパートに住めということを強制している話ではないんですね。
 ですから、スマホの話も、例えば百円バスをどんどん走らせて便利にするという話ももちろん必要なんですが、機能の部分をコンパクトに集めると。そういう意味では、このピラミッド型という話とは少し違うかなという私はコンパクトシティーに対する印象を持っているんですが。
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井戸敏三#27
○参考人(井戸敏三君) これからの連携というのを考えると、健康とか介護とか、いわゆる我々の生活の身近なサービスをどういうふうにタイアップしていくかという分野は、まだまだこれからフロンティアとして残っているのではないかというふうに感じています。それともう一つは、例えば特養なんかにしても、都市の真ん中にはもう土地がないので造りにくい、しかし、周辺部の地域だと造りやすい、住所地特例などもありますから。
 それから、特養が例えば百ベッドできますと百人の雇用がありますので、そういう意味で非常に、タイアップすると雇用自身も増えるというような分野が介護とか病院だとか健康の分野でいっぱい残っている。スポーツもそうだと思います。文化の連携もあると思っております。それともう一つ、現実的な面では、例えば農産物などの販売ですね、直売所。それを都市と連携することによって周辺部が、現実の販売所を都市の中につくることによって産業も維持できるというようなこともあり得ると思います。
 それともう一つ、基本的に忘れちゃいけないのは、周辺部に人が、特に過疎地域と言われているところに人が住まなくなったら防災力が物すごく減退するんですね。それを保全するための費用というのを考えたら、住んでいてもらった方が総合的に評価するとコストとしては低コストで済むかもしれない、そういう意味での総合評価というのも連携を考える中でしていく必要があるのではないか、こんなふうに思っております。
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横山信一#28
○横山信一君 ありがとうございます。
 最後になると思いますので、これは佐々木参考人に最後、伺います。
 ちょっとイメージがしづらかったんですけれども、条件不利地域の垂直的連携という、都道府県が直接連携した方がいいのではないかというお話がありましたが、これは、どちらかというと従来の中央集権型というか、そういうふうにイメージをしてしまうんですが、分権型社会の中でそういう垂直連携というのはどういうふうに考えていらっしゃるのか、イメージを教えていただければと思います。
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佐々木信夫#29
○参考人(佐々木信夫君) 条件不利地域をどういう地域であるかというこの規定自体がなかなか人によっていろいろなんですが、申し上げたとおり、垂直補完よりはやっぱり水平補完の形を考えた方がいいことは間違いないんで、県がある程度その条件不利地域について、先ほど申し上げた総合事務所みたいなものをつくってサービスを担保するというやり方を仮に、それは別に集権型という必要はないと思うんですが、ただ、県というものがそういうことをやれる実は訓練ができていないというか、そういう職種が全部そろって基礎的なサービスをやっておりませんので、やはりある程度大きいところから総合事務所を出してもらって連携をする、その代わり、連携というか補完をすると、もしかして委託の方式でそういうやり方もあるかもしれませんが、役割そのものを小さくするというか。
 特例町村制といって、多分これは町村会でもいろいろ御反対もありますので、二級町村制ではないかとかいう話をする人もいますけれども、どうでしょうか、住民のためにある自治体ですので、全てがフルセットで行政をやれるという規模を失ったり、そういう条件がないところは、やはりそういう限定した仕事をする自治制度というものも考えざるを得ないんじゃないかと。それを水平で補完をするということを考えざるを得ないし、ここには、ある程度財政補給もやってくださるところにはお願いをするというやり方しかないのかなと思います。
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